イベント報告

第2回東京ヒルクライムNARIKIステージ
2nd Tokyo Hillclimb NARIKI Stage !!
2008年8月17日(雨)

■第2回東京ヒルクライムNARIKIステージ参戦レポート 池田将
受付会場へ集まってくる参加者たち私は青梅生まれの青梅育ちです。昨年の「第1回東京ヒルクライムNARIKIステージ」に初参加して以来、KFCが開催するレースがすっかり好きになってしまい、地元で開催されるKFCの催しには全て参戦しています。今年も「東京ヒルクライムNARIKIステージ」に参加させて頂きました。

実は昨年末に故障してしまい、春になって治ってからの練習はランばかりでバイク練習は全く出来ていません。昨年は2度の試走を行い(制限時間内に登れるか心配で試走しました)ましたが、今年は7月から仕事が超忙しくなってしまい、試走も出来ずにぶっつけ本番で臨むことになってしまいました。

私はロードレーサーを所有しておりませんので、2年連続で15年モノのサス付MTBで参戦(Fun Run?)です。昨年は試走時に40分以上かかってしまい、レース1本目から気の抜けないスタートでしたが、終わってみれば30分台。そこで今年は皆さん同様、1回目はアップで2回目で勝負!と考えていました。(レベルの違いはありますが多くの方がそう考えていたことと思います)


スタート直前の風景しかし、開会式でKFC大西代表から1回のみの一発勝負である旨、アナウンスがありました。正直残念ではありましたが、路面状況を考慮すると主催者側の判断としては正しいものと感じました。

実は今年になってバイクレースは3回目だったのですが、今年私が参加したレースは全て雨!!今回、成木に雨を降らせてしまったのは、私のせいだったのかもしれません!?そうだとすると皆さん申し訳ありませんでした?

さて、昨年の経験から、スタート直前までアップをしていると、スタート前の渋滞によりスタートラインに着くのが難しくなる事を知っていました。そこで、ちゃんとしたアップは開会式の前にコースを半分登っただけで済ませ、直前のアップは階段の昇り降りでサクッと済ませました(笑)MTB用のSPDなのでペンギン歩きにならず、ちゃんと走れます。レースの方はサブ20&年齢順スタートで年配の私は第8ウェーブ。ロードレーサーの皆さんより遅いので同一ウェーブ内でも後方へ並びます。

サブ20の第1ウェーブからスタートが始まり、だんだんと自分のスタートが近づいてくると、やっと緊張感が沸いてきました。前後のギア位置を確認して、笛の音と共にスタート!


スタート3km地点の木立の中を行く上位を狙う方は最初の緩斜面が一つ目の勝負なのでしょうが、私の実力だと最後までペースを保つことが、少しでも満足な結果を残すことにつながります。よって最初はじっくりと走ります。おかげでスタートが後方スタートにもかかわらず、抜かれまくりです(笑)

道幅が狭くなり、斜度がきつくなる辺りで早速ダンシングへ移行。ダンシング、シッティングに限らず、トルクを加えるときには後加重を保たないと、MTBのセミスリックタイヤでも、即スリップしそうです。再度斜度がゆるくなった所でシッティングに戻ります。クレーチングも必ずシッティングで通過。

「もしかするとこのコンディションはいつもよりMTBに有利かもなぁ。。。」なんて事を考えつつ、我慢の登り。昨年同様一番の応援ポイントでは元気を頂きました。ここを過ぎるとあと半分。後発ウェーブの選手に抜かれ始めました。


MTBで快調に上る池田選手ふと気づけば自分としてはかなり激しい息遣い。心拍計はつけていたものの、見る余裕はまったくナシ。落ちてくる選手を必死に拾います。前のウェーブでスタートした選手は拾えるのですが、同一ウェーブでスタートした選手が拾えず、なかなか順位を上げることができません。相変わらず、我慢我慢を続けているとコースが川と離れ、木々が少なくなった所で、頭上の視界が開けて来ます。ここまで来ると残り約1/3ですが、いつもここからがキツイ。

周りが自分と同じような力量の選手になってきて、だんだんと抜きつ抜かれつがなくなって来るに従い、自分との戦いです。私はカーブミラーを目印にしているのですが、ミラーをいくつパスしたか分からなくなってきた頃に「ゴール見えるよ!」の声援。「ハイ!」と答えるものの足は動かず。自分ではダッシュしているつもりが平凡な速度でゴール!


フィニッシュ・ライン付近の風景コース上では傾斜のきつい各所でダンシングを多用しましたが、さすがにMTBです。最後までスリップなしで走れました。

ゴール後は足に力が入らず、立ちゴケしそうになりながら自転車を置くと、すぐさまスイカを目指します。まずは、お水を2杯頂いてからスイカにありつくと、おいしくて止まりません。結局3切れも頂いてしまいました。

下り始めるまで時間が空き、だんだんと肌寒くなってきます。最後の選手がゴールした後、下山スタート。宮塚選手を先頭に走りますが、先頭の方はそこそこスピードが出ていたため、涼しいと言うより寒い。自分はMTBなので極端にスピードを出さなければ不安はありませんでしたが、ロードレーサーは後から見ているだけで心配な場面も。。。でも、皆さん無事に下れたようで何よりです。


下山を始める選手たち下山後、だいぶ冷えてきたため、ジャージ・レーパンからTシャツ・パンツへ着替え、表彰式を待ちます。宮塚選手によるバイククリニックが無かったのが少々残念ですが、あの天候ではやむなしです。

表彰式は白戸さんのMCで大いに盛り上がりました。最後はジャンケンですが、今年も2回目で勝つことができ、おかげさまでジャガイモを頂く事ができました。

そうそう、結果の方は昨年のタイムを5分以上短縮に成功!成績は真ん中よりもかなり下ですが、自分としては満足な結果となりました。来年はちゃんとバイク練習もして、真ん中より上位を狙います。来年も恐らくMTBでの参戦ですが(笑)

ご存知の方もいらっしゃるかもしれません。常盤林道は昨年の台風の通過後、二輪車が通行不能?となるほどの土砂崩れがあり、08年は開催されるのだろうかと少々不安に思っていました。ところがKFCの方々の整備によって、数週間後には走れるようになっており、この時は大変驚きました。KFCの皆様には本当に感謝しております。

そして最後に、成木地区の皆様、KFCの皆様、本当に楽しい真夏の一日をありがとうございました。また来年の参加も楽しみにしています。



■第2回東京ヒルクライムNARIKIステージ参戦記 伊香まこと
スタート地点の様子8月は、わたしの活動時期なのです。部屋にじっとしていても、ジトッと、汗かいて来て体力をすりへらすだけだし、どうせなら、体動かして体力使ったほうが汗もサラッとして気持ちがいいものね。

そう、夏はロックと自転車の季節なのです。
そうは申しても、私ヒルクライムは苦手の部類なんです。体重いし、パワーがないもん。

おととし美ヶ原のヒルクライムはタイムオーバーで退場勧告だった。でもちょっとだけトレーニングして望んだ、去年の第1回東京ヒルクライムは36分でなんとか失格からのがれました。今年はどれだけタイム短縮できるのでしょうか?


快調に飛ばす先頭集団やっぱり、トレーニングが必要だよね。いつものメニューは週1回の2000mスイムと100kmオーバーのロングライド。ランニングは大会前2ヶ月から走りこみ。これってトライアスロンのメニューじゃん。坂登らないとね。

ということで、昨年の冬からMTBで山登り、春のホノルルトライアスロンのあとは自転車中心、7月は荷物つんで北海道ロングツーリング、8月は乗鞍、白神山地、富士山と山ツーリングにおまけの青森ねぶたの跳人、サマーソニック。足腰中心に鍛えました。でも、こう書いていると、単なる自転車アーンドあそびですね。でもいいや。ストイックなトレーニングは私には似合わないもの。まして部屋のなかでローラー踏むなんて変態行為だよね。そんなこんなで昨年よりは準備を整えてレース当日を迎えました。


切り通し手前の急勾配を上る選手の一団レース?そうなのよ。よく考えると自転車単独のレースなんて3回目なのです。さあ、出発、朝、5時におきて中野駅へ、自転車たたんで輪行です。省エネです。ところが、肝心のお天気の具合がよろしくないの。立川すぎて福生にちかくなると道行く人が傘を差しているじゃない。東青梅に着くと結構な降り。

競技あるのかしら、と少々不安になりつつコンビニでおにぎりとレインコート仕入れて成木へダッシュ、汗で濡れているのか雨で濡れているのかわからないくらいになりながら、受付につくとアナウンスにより、本日は1ステージに縮小して行われるのということがわかりました。

内心、ほっとしました。2回も登坂は無理です、キッパリ。霧雨は呼吸が楽になるのは良いけど、路面が濡れていてはパワーかけるとスリップしちゃうもん、去年の劇坂を思い出して、極力シッティングで登ろうとイメージトレーニング。そういえば、乗鞍岳のぼるとき「サドルが尻の穴に刺さるくらいのつもりのポジションで踏みなさい」と勧められたっけ。痛そうだな。

10時に第1ウェーブのスタート。私はスタートいつなのかしら。そういえば、背番号の数字みるの忘れておりました。確認せずに、となりのおじさまにつけてもらったままなのです。後ろを振り返っても読めないわ。あたりまえ。


山頂付近のガスによる幻想的なシーンしかたないから、おとなりのお嬢様に背中の番号読んでもらいました。487。となりのお嬢様は48x。いっしょのウエーブですね。奇遇ですね。と言葉を交わしたけどよく考えるとあたりまえじゃん。女子の参加は20人程度なんだもん。

雨で直前出走取り消しの方も多いらしいし。どう見渡しても50台はわたし以外にみあたりません。完走、即、入賞。そういうのも悪くないわね。お隣のお嬢様のお年を聞くと40代。若い、若すぎるわ、お肌ぴちぴちじゃない。周りをみわたしてもオーバー40なんていないわよ。完走即入賞だよ。と下世話な会話を交わすうちに、みるみる前の人たちがすくなくなってわたしたちのウエーブ。

ドキドキバクバク(心臓の音)、ウォームアップなんかしなくても心拍あがってるし。ゆるゆるどん尻からスタート。さあ、まくるわよ。徹底先行逃げ切りは大の苦手、乗鞍岳のコーチの言にしたがって急斜面は尻の穴にサドルつっこんでシッティングでくるくる回す、最初の1kmはゆるく途中で10%オーバーの斜度になるの、つらいわあ、途中ひとりに抜かれたけど彼女じゃん、48xさん、速いわとても。


ゴール前のスパート!!直前行く若いお姉さんは、きゃーきゃー、悲鳴とも気合ともつかない声をだしながら坂を上っていく、なかなか追いつかない。おじさまたちを何人パスしたかな。でも肝心の女の子をひとりもパスできない。のこり1kmくらいになって斜度が若干ゆるめになってきた。途中の劇坂の時速はアンダー10kmだったのでこのくらいのとこは15kmくらいで行かないと30分は切れないわ。

トライアスロンで失敗するときは前行く人をパスしようとしてオーバーペースになりリズムをくずすこと。自分で作った諫言を繰り返し肝に銘じひたすらメーターと自分の呼吸、心拍と相談しながらペダルを回す。回す。回す。でも乳酸がどっさりたまって思ったように時速があがらない。

「この先がゴールよお」女の人がさけんでいる。最後のちからを振り絞ってスパート、おじさん2人とくだんの女の子1人をパスしてゴールしました。時計をみると28分ちょこっと、正式には29分14秒でした。7分も縮めちゃった、ウフフ、うれしい。レースって他人と比べてどうかというより、過去の自分に勝つってことがこんなにもうれしいことだったのね。来年、東京にいたらまたこよう。


前方にゴールの横断幕が見える!!成木のみなさん、ホントにお世話になりました。ゴールの一番奥のテントに転がり込んでスイカをぱくつくと息を吹き返しました。スイカ番のおばさまとしばし談笑、おみやげのじゃがいもは売るほどとれないんだって、段々畑だし自分のうちの賄いぶんしかとれないおうちもたくさんあるって、そのなかから200kg分けてもらったんだよ。感謝しなきゃね。

むかしは林業で十分食っていけたけど、戦後いっせいに植林したおかげで生育なった昨今では単価が暴落して切り出しの手間賃にも届かないらしいの。みんな都会にはたらきにいってるらしい。日本経済の歪を垣間見ました。政(まつりごと)、日本の舵取りむつかしいよね。今の世の中、卑弥呼でもうまく治まらないでしょう。ともあれ。じゃがいもはラップでくるんで電子レンジへ、バターをつけて息子と食しました。ほこほこしてほんのり甘くて、お店で買ってくるのと何かが違うような気がしました。


白戸太朗さんと伊香さん表彰式は予想通り、例の48xさん40代入賞、私50代入賞、そして太郎さんと握手〜。みなさん、全体的に去年より1,2分タイムが悪いみたい。ウエットな路面が原因かな。オーニシさんと太郎さんと一緒に写真に写ろうと思って48xさんと受付へ、オーニシさんいそがしくてあっちうろうろこっちうろうろ、太郎さんが私たちの様子を察してカメラにおさまっていただきました。

帰りは48xさんの車に滑り込んで温泉経由で我が家へ。いい1日でした。息子よ留守番ありがと。だんだん雨が強くなる中、隣の席で記憶が遠くなりそうになりながら、おしゃべりしながら楽しかったわ。運転ご苦労様、ありがとうございました。

最後に、スタッフの皆様、成木の皆様ほんとうにありがとうございました。感謝してます。そして参加の皆様、来年またおあいしましょう。





■KFC徒然
今年も5月のGWからコースとなる常盤林道の掃除を開始した。この掃除が始まると、KFCメンバー全員の気持ちがヒルクライム・モードにスイッチ・オンとなる。皆それぞれの仕事があるため、全員が一緒にやるということはなかなかできない。各人が時間のある時、各人が気になる部分から手を付けていくというやり方で林道掃除が阿吽の呼吸で始まって行く。

路上に散乱している木の枝や小石を竹ぼうきで履く者、側溝を浚って雨水の流れを復活させる者、道端の雑草や伸び放題のブッシュを刈る者等など。人通りの少ない林道は一冬を越すと傷む。自然保護も大切だが、しばらく手入れをしないと自然は林道などの人工物を侵食破壊していく。年中、自然と接していると分かるが、自然は世間で言われているほど柔ではない。生命力・繁殖力には目を見張るものがある。

今年も梅雨時期になると恐れていたコケが生えてきた。だいたいコース上、大きく分けて4箇所に集中して生えることが分かってきた。それらの部分は林道に覆い被さるように杉木立がある部分だ。来年の第3回大会までにはこれらの杉の枝打ちをして、日当たりを良くし、コケを自然消滅さそうと考えている。コケは滑りやすいのでどうしても取り除かなくてはならない。MTBと違ってロードは路面管理に気を使う。

8月に入ると夏の暑さで自然と消滅するのだが、一部消えずにそのまま残る部分がある。それらは最終的にはガスバーナーで焼き取ってしまうことにしている。今年は夕立が多く、昨年よりコケの消滅が遅かった。


【朝起きると雨が・・ガーン!】
受付の風景レース当日、朝起きると小雨が降っていた。世の中、うまく行かないものである。夏真っ盛りのこの時期、夕立はあっても朝から雨が降り続くということはほとんどないのだが・・・なんで今日に限って!!

前日(土)の午後に激しい夕立があったが、それはいつものことで翌日まで降り続くことはないと、明日は晴れるだろうと高を括っていた。

6:00、スタッフが会場となっている中島さんのお庭に集まってきた。その頃、スタート地点は小雨程度、頂上のゴール付近は霧がかかっているものの霧雨程度だったので、予定通りに競技を実施することにした。この頃は未だスタート時間の10時頃には止むだろうとスタッフ皆が希望的観測を持っていた。真夏の雨は寒くないのが救いだ。


強豪チーム「なるしま」の面々7:30、受付が始まると、雨天にも関わらずカラフルなウェアに身を包んだ参加者たちが続々と受付にやって来る。皆、やる気だ。気合が入っているのが分かる。会場全体に緊張とやる気の空気がみなぎって来た。スタッフにもそれが伝染し、やや緊張気味だ。

会場内や前面道路はカラフルな自転車で埋め尽くされてきた。スペシャライズ、トレック、コルナゴ、ビアンキ、コラテック、キャノンデール、アンカー、ジャイアント・・・等など、高級車のオンパレードだ。

やはり参加賞のバイクジャージは人気だ。昨年はイエロー1色だったが、今年は3色の中から好きな色を選べる。皆、嬉しそうに受け取ってくれる。その仕草をみると、我々スタッフも嬉しくなる。参加費をやり繰りした甲斐があるというものだ。さらにライブストロング(イエローバンド)とVAAM缶190gもある。

炎マーク5つの190g缶は優れもので、VAAM商品群の中でも体脂肪燃焼効率が最も高いって、ご存知ですか?体脂肪が気になっている方は運動前に190g缶を一本グイっと飲み干して下さい。効果覿面ですよ。ライブストラングは日本ではちょっと下火だが、海外ではまだまだ人気が高い。北京オリンピックで100m&200mで金メダルを獲得したウサイン・ボルト(ジャマイカ)も右手首にライブストロングを付けて走った。

我々としては、バイクジャージにちょっとしたこだわりを持っている。それは「ヒルクライムには前開きジャージでないと」と云うものだ。ランスやビランクがジャージの前を全開に開けてアルプスステージを駆け上がって行く姿が目に焼きついているからだ。どうですか、皆さん、気に入ってもらえましたか?


【スポーツは安全が最優先】
小雨の中の受付会場付近の風景8時前に、6時頃からコースチェックのため山に入っているスタッフから斜面から染み出した水で滑りやすくなっている箇所ができてきたという報告。実際にバイクで走ってチェックしたところ、上りはOKだが、下山時が危険と判断。特に、コース上にある溝を覆っているグレーチング部分は要注意だ。急遽、第2ステージをキャンセルし、第1ステージのみで実施することに変更した。

アウトドア・スポーツの宿命、天候には勝てない。5km×2アタックを想定して練習を重ねてきた選手には申し訳ないが、スポーツは冒険ではない、参加者全員の安全が最優先である。直ちに、受付会場やスタートエリアでその決定を知らせるアナウンスを始めた。皆が集まる開会式の競技説明会でもその事情を説明し、第2ステージキャンセルを告げた。しかし、それを聞いていなかった参加者も何人かはいたようで、第2ステージに備えて第1ステージを抑えて上ったそうだ。結局、第1ステージ下山後、雨脚が強くなり、この判断は正解だった。


【雨天の熱戦】
コース脇での開会式、左から竹内青梅市長、白戸太朗さん、大西今年は第2回大会ということで、第1回大会で20分を切ってゴールした選手(サブ20)を第1ウエーブに登録した。これで第1ウェーブは白熱したレースが繰り広げられることになり、観ている方もおもしろい。

MCは今年もスポーツナビゲーター白戸太朗さんがやってくれた。彼のおしゃべりは一流だ。昔はトライアスリートとしても超一流だったのだが・・・。スカパーのツール・ド・フランス解説やNHK・BSのトライアスロンワールドカップの解説者としてもお馴染みである。彼との付き合いはかれこれ15年にもなる。あれこれ説明しなくても、いつも我々の意を汲んで上手くイベントを盛り上げてくれる。KFCイベントには欠かせない人材だ。


スタートの瞬間競技は予定通り、10時に強豪揃いの第1ウェーブがスタートした。1組50名づつ第10ウェーブに分かれている。スタートの号砲は今年も竹内青梅市長である。ラン競技と比べ、自転車競技のスタートはカラフル、華やかで、且つ、スピード感がある。

レースは7〜8名が先頭集団を作って先行した。その中で、一人、二人とアタックをかける選手、それが集団に吸収されると、また別の選手がアタックをかけるというレース展開が約3km地点のヘアピンカーブまで続いた。その先の切り通しで、昨年2位の高岡亮寛選手(東京都)がダンシングで猛烈なアタックをかけ、そこまで併走していた鈴木篤史選手(埼玉県)を置き去りにした。この逃げが決まり、このまま一人旅でフィニッシュラインを通過した。タイムは15:01。


ダンシングで逃げる高岡選手続いて、28秒後に鈴木選手が暫定2位でフィニッシュした。この時点では分からなかったのだが、第3ウエーブでスタートした細木郁夫選手(東京都)が高岡選手に何と4秒差まで迫っていたのである。この僅か4秒が優勝賞金10万円の行方を左右する結果となった。

女子は三溝麻起子選手(神奈川県)が昨年のタイムを15秒短縮し、22:42で優勝。2位はPrechtl Juliane選手(東京都)で23:10、3位は高橋香世選手(東京都)で23:15でした。2位のPrechtl選手は数日前の試走でも激坂をシッティングで力強くグイグイ上っていた。【レース結果はこちら


【距離は短いが中身が濃い!】
中間地点を行く選手の集団距離僅か5kmとは言え、このコースは甘くない。勾配が単にキツイだけでなく、緩急があり、コース脇の風景も変化に富んでいる。スタート直後は民家の軒先を走り抜ける。その後、清流成木川に沿ってくねくねカーブを繰り返しながら上っていく。この辺りの勾配が最もキツイ。

4km手前のヘアピンカーブを過ぎた辺りから勾配が緩くなり、気温が下がり、爽やかな高原の雰囲気を感じるようになる。大都市東京にもこんな素晴しい自然があることを知って欲しい。





ゴール前のスパート!!全選手、ゴール手前では歯を食いしばって駆け上がってくる。持てる力を全部出し切るかのように。奇声を発し、自分自身に気合を入れる選手、ゴールを見据えて黙々とペダルを踏む選手、ひたすら下を向いてペダルを踏む選手等々。シッティングで来る選手、ダンシングで来る選手といろいろだ。

山頂広場はゴールした選手で溢れかえっている。コースが1車線分しかないので、最後の選手がフィニッシュラインを通過するまでは誰も下山することができない。トップ選手は50分ほど、遅い選手は10分ほどの間、頂上広場でスイカを食べたりして待つことになる。最後尾の選手は長い時間頑張ったご褒美に皆の喝采で迎えられ、「場」が一気に盛り上がる。


安全最優先で下山する選手の一団今年は宮塚英也さんに下山時の先導をお願いした。お陰で、あの雨の中、誰一人転倒することなく無事に下山し、無事レースを終了することができた。宮塚さんのフィニッシュライン通過時の第一声はニコニコしながら「上って来れた!!これで役目(下山時に先導するという)を果たすことができる!」だった。もちろん冗談だ。第一線を退いたとは言え、19分台で上がって来るのは流石だ。

宮塚さんには様々な大会でお世話になっている。我々がその時々に欲していることを阿吽の呼吸で上手くやってくれる。KFCイベントには欠かせない助っ人だ。これからもよろしく、です。

昔からKFCイベントは国内外を問わず宮塚さんや白戸さんなど、KFCを取り巻く大勢のスペシャリストたち(いつの頃からか、「KFC組」と呼ばれている)に支えられて成り立ているのである。感謝!


【地元の皆さんの心強い協力体制】
恒例のジャガイモ・ジャンケンの風景地元である成木7丁目自治会や里仁会の協力体制は昨年にも増してパーフェクトなものだった。ほとんど全てのお宅から1〜2名がボランティアとして、総勢約50名の協力体制ができあった。里仁会とは、この辺り一体の山林所有者の組合で、競技コースである常盤林道に面する山の所有者でもある。

里仁会の人たちは7月に全員総出でコース脇の草や小枝を刈り取って下さった。里仁会の機動力はすごいものがあり、十台ほどの軽四輪トラックに草刈機やブローを積んで、各自持ち場に入り、3時間ほどで約4kmの林道沿いの草刈を完了してしまうのである。心強い助っ人である。感謝!

そして、レース数日前から、受付会場のセットアップ、スタート地点のバナー(横断幕)張り、バイクラックの製作、お土産用に200kgのジャガイモを1kg毎にお洒落なラッピングを施したり・・・等々。このジャガイモは地元農家から提供されたもの。急斜面に植えられる成木のジャガイモは美味いと定評があり、特産物となっている。表彰式で、ジャンケンを通して200人の参加者に配られる。また、今年は将来に向けて成木らしく木材を利用したバイクラックを試作してもらった。


ゴール広場に設置された試作品のバイクラック前日は山頂ゴールエリアで試作のバイクラックを設置したり、フィニッシュのバナーを張ったり、500リットルもの水やスイカを運び上げたり等々の準備作業。

そして当日は、山頂ゴールエリアの給水スタッフ、コース途中の安全監視スタッフ、各駐車場の誘導スタッフ等々、我々の手の回らない部分を受け持って下さった。地域住民の協力なくしてこのイベントは成り立たない。感謝!




【縁の下の力持ち】
競技終了後、表彰式を見守って下さる地域の皆さん今年も中島邦彦さん宅の広いお庭を受付会場として開放して頂いた。ここには200人ほどが楽に入れる建物があり、大勢の人が集まる受付会場としては理想的だ。林業が盛んな頃の製材所の建物だ。暑い日は日陰として、今年のように雨の日は、特に助かる。大会日の数日前から中島さんがこの建物内に受付用のカウンターやテーブルやイスをセットアップして下さるのである。また、井上自治会長や武藤里仁会会長は地域の人たちと我々との間の調整役という立場で、地域の人たちをまとめて下さる。さらに、参加者用駐車場のアレンジや青梅警察との打ち合わせなどにも尽力して頂いた。


今年の西田賞ペーパーウェイト鍛鉄工芸家の西田光男さんはレース当日のスタッフとしてだけでなく、昨年に続き今年もコース上に数箇所あるグレーチングの調整・修理を受け持ってくれた。溶接技術が要るので誰にでもできるというものではない。忙しい仕事の合間を縫ってやってくれる。

西田さんは日本国内だけでなく、鍛鉄工芸の本場ヨーロッパでもその名が知れ渡っている。工房「PAGE ONE」は秩父にあり、世界でもトップ・アーティストなのである。その作品は実用的なものがほとんどで、お洒落な門扉やレストランの看板、公園のオブジェ等々の依頼が多いようだ。小物から巨大な恐竜まで製作する。普通はグレーチング修理など決してしない。

さらに、総合100位の選手に西田賞として、彼の素晴しい作品をプレゼントしてくれる。今年はカタツムリのペーパーウェイトだ。100位の人は超が付くほどラッキーだ。今年は表彰式で100位の選手が帰ってしまっていたので、102番の河中俊樹選手(東京都)がラッキーボーイとなった。因みに、西田さんも「KFC組」の一人で、欠かせない戦力だ。


【今だから言える話】
参加賞3点グッズとお洒落にラッピングされたジャガイモ参加賞のバイクジャージに関してちょっと困った問題が発生していた。実は北京オリンピック開催の影響でバイクジャージが予定の日を過ぎても届かないのである。ご存知のように、日本で売られているバイクジャージのほとんどは中国で作られている。本大会用参加賞ジャージも御多聞にもれず中国で作られている。

ところが、中国国内でオリンピックを最優先する余り、他の物流が滞り勝ちになってしまっているのである。我々のジャージもこの中に含まれてしまっているのだ。結局、予定していた船便を急遽航空便に変更して、大会前々日の金曜日夜8時頃に到着したのである。ギリギリセーフだ。梱包を開けてみると、注文したブルーではなく、グレー、イエロー、ブルーが混ざって入っていた。モノ(品質)は良いので「ヨシ」とした。この際、間に合っただけでも御の字だ。まさか、北京オリンピックが北京から遠く離れたNARIKIの大会に影響を及ぼすなんて・・・。


いつでも試走OK】
普段から本大会の競技コースになっている常盤林道へ試走に来るバイカーが増えた。大会日翌日にも10名ほどのバイカーが走りに来ていた。レースが近づいてくると、1日に数十名のバイカーが試走にやって来る。そこで、常日頃から皆さんに充実した試走をしてもらうため、スタート地点とフィニッシュ地点を示すサインボードを常設する予定。これがあると、昨年の優勝タイム、今年の優勝タイムを目指してアタックでき、より楽しく試走することができる。ここでは「マナー&挨拶」を守って、楽しんで下さい。

では、皆さん、来年の夏もNARIKIでお会いしましょう。



■Special Thanks
成木7丁目自治会の皆さん、里仁会の皆さん、TRY SPORTS、 明治乳業(株)、NATHAN、西田光男さん、宮塚英也さん、白戸太朗さん


写真提供】舘岡正俊さん、市川幸次さん、西田光男さん