イベント報告
成木、夏の風物詩
第3回東京ヒルクライムNARIKIステージ
2009年8月16日(日)
3rd Tokyo Hillclimb NARIKI Stage
■参戦レポート 松丸真幸(トライアスロン・ロングディスタンス日本チャンピォン)

初めて、第3回東京ヒルクライムNARIKIステージに参加。当日は、絶好のイベント日和。私の体調は、まだ完璧ではないが、3週間前の奥多摩ス テージよりは、マシになった。

今回もヒルクライム自慢が終結。奥多摩ステージでの上位陣も勢ぞろい。簡単には勝たせてもらえないと思うが、目標 はトップ3。タイムは15分台を出したいと思った。

まずは、10時に第1ステージがスタート。コースを把握するためにマ イペースで登る。距離は短いが濃厚なコースだ。竹谷さん、森さんは速いペースでいっている。調子が良いみたいだ。そし て、ゴール付近で、ディフェンディングチャンピオンの高岡さんが刺激入れでアタックしている。高岡さんも調子が良い みたいだ。

頂上では、スイカのサービスがあった。嬉しい!!!スイカを食べて、栄養補給。参加者の全員が登ったので、下山。 下りはゆっくりと集団で走る。そして、勝負の第2ステージに備える。

強敵は、竹谷さん、森さん、高岡さん。3人の共通点は、体重が軽いこと。ヒルクライムは、体が軽いほうが断然 速い。私は重量級。勝つためには、彼らよりも高いパワーを発揮しなくてはならない。いけるところまで頑張るしかない。

そして、運命の第2ステージがスタート!みんな凄いスピードで飛ばす。序盤は3番手につけた。先頭は竹谷さん。引 退したとはいえ、やはり速い。すぐに2番目の人が中切れした。げ!こんなに早くに中切れは勘弁だった。私は、竹谷さん に追いつくために、余計な体力を使ってしまった。そして、先頭に立つ。しかし、すぐに竹谷さんが出る。

他の人は、先 頭に出ない。しばらくして、先頭集団は8人くらいに絞られた。そして、一番きつい勾配に突入。ここで高岡さんがアタッ ク。やはり調子が良かったみたい。私は5番手を走る。きつい。頑張って1人を抜かす。4位に浮上。そして、そのままの順 位でゴール。

タイムは15分ちょっとで良かった!3位以内には入れなかったが、体調が戻ってきているようなので、現時点では、この結 果には満足。きつかったが、楽しいレースができた。

レース後は、トン汁を食べた。美味い!表彰式後は、じゃんけん大会で、なんと!82人分のジャガイモの提供と、すご く地元の人達が歓迎してくれている。とてもアットホームな大会だった。

■参戦レポート 佐藤浩巳(トライアスロン・女子ロングディスタンス日本チャンピォン)

第1回大会に出場して、2年ぶりの参加でした。だから、たった5キロ20分足らずのレースですが、どれほどきついか、 それを体験済みだったので、スタート前はかなりブルーになっていました。

普段は超ロングのランニングやトライアス ロンばかりに、すっかり慣れてしまった体には、スタートした次の瞬間にはトップスピード!という、短時間に追い込む 激しさは、未知の世界。でもこれがヒルクライムの醍醐味。

コースは15,6パーセントのきつい傾斜も何か所かあり、かなりパワーの必要なレースでした。私の今回の目標は、 7月の奥多摩ステージで、1,2位の選手とは、力の差を痛感していたので、その差をできるだけ詰めること。前回レース 後3週間は、こつこつと練習してきました。少しその疲れがあり、動きに切れはなかったけれど、練習のつもりで思いっき り走ることにしました。

出だしの1キロくらいは緩やかで、ヒルクライムとはいえ、かなりのスピードが出せるところ。いきなりのスタート ダッシュで、案の定出遅れた私は、あっという間においていかれ、先頭は視界から消えてしまいました。もう駆け引き などなく、自分のペースでいけるところまで追い込んで、苦しくなった後半は、ただ我慢で耐える作戦。

やっぱり激坂で は、ギアは39の27で、足りなくなってしまいました。上位二人の選手は、さらに軽いギアをまわしていたので、失敗 したと思ったけど、しかたがありません。

ラスト1.5キロから、きつい傾斜が続き一番の苦しいところ。粘って走っていたら、2位の選手の姿が見えてきて、 つづら折りのカーブを曲がるたびに、その姿が近づいているのがわかりました。追いつきたかったけれど、もうゴールが 近く、あと一歩が縮まらず、3位でゴールしました。

結果は前回と同じ3位だったけれど、ヒルクライムという、短い距離を追い込んで走る楽しさを、すこしだけ感じる ことができたような気がします。時間は短いけれど、中身がとっても濃厚なんです。だから、たった20分でもうおなかい っぱい、とっても満足なのでした。

■KFC徒然

東京ヒルクライムシリーズの第2戦、NARIKIステージ当日は朝から太陽がギラギラ眩しいレース日和。昨年は朝 から雨でしたが、こんなに天気が良いと、自ずと皆のテンションも上がります。

スタート地点に車で向う途中でも、まだ7時前だというのに自走の選手と思しき自転車乗りを数人追い抜いていきます。 青梅市街方面から大会会場の成木街道小沢峠下までは緩やかな上りが続き、自走の選手にとっては、結構なアップになります。

会場は、例年通り、成木の森林組合(里仁会)の中島さんの広い庭先をお借りしています。もともと製材所であったため、 成木らしい木の椅子やテーブルなど、大会にあつらえたような装具がたくさん。さらに今年はお手製のバイクラックや表 彰式用の台も作って下さいました。

先(7月26日開催)のOKUTAMAステージの参加賞ジャージはオレンジを基調にした明るい感じのものでしたが、 NARIKIの参加賞はグレー×黒のバイクジャージ。手前味噌ながら、なかなかクールなデザインだと思うのですが、選 手の皆さんは如何だったでしょうか?

【成木らしい雰囲気の受付会場】

8時頃になるとどんどん参加者が受付にやってきます。自走で来た選手も多く、既に一汗かいて到着。中には道を間違え軍畑の 方まで行ってしまい、二山越えてギリギリ到着したタフな選手もいました。受付会場には元トライアスリートの宮塚さんの ブースも登場、いろいろなバイクグッズが並び盛況の様子。

さて、このNARIKIステージは約5kmのヒルクライムコースを2回走ります。1回目を45分以内に走りきれば、2 回目のレースに進むことができ、2回目のタイムで順位が決まります。5kmといっても、標高差約500mで、ひたすら 上りが続き、休めるような緩い箇所もほとんどない侮れないコースです。スタートは申告タイム順に7ウエーブに分かれ、 2分おきのスタートです。

第一ウエーブには、元オリンピックの竹谷賢二選手、高岡亮寛選手、森正選手など、エリート選手がそろい、さらにトラ イアスロンから自転車が強い松丸真幸選手などが加わり、熾烈な争いになりそうな感じです。

第二ウェーブにも女子のオリンピック選手で国内第一人者である片山梨絵選手やMt.富士山ヒルクライムの優勝者で ある金子広美選手、それに、高橋香世選手などのエリート選手が参加、トライアスロンからは佐藤浩巳選手と岡いずみ選 手の参加がありました。

このNARIKIステージと先に行なわれたOKTAMAステージの2大会の東京ヒルクライムシリーズの総合成績で 賞金が決まります。OKUTAMAステージで上位に入った選手たちは今回も参加しているため、優勝賞金男女各20万円 (総額70万円)の行方がどうなるかも今回のみどころの一つです。

【横田サムライ太鼓の応援】

また、福生にある米軍横田基地の外国人による和太鼓チーム「横田サムライ太鼓」のメンバーが応援に駆けつけてくれ、 ダイナミックな太鼓を披露してくれました。この日のために3ヶ月前から毎日練習を積んだそうで、青空にまっ赤なハッピ が映えていました。このチーム、何と女性メンバーの方が多いそうです。

生で見た自転車レースは相当におもしろかったそうです。それに、地元自治会の人たちの優しさや成木 の素朴な自然がたいへん気に入った様子で、来年も、ぜひ来たいということです。今後、KFCイベントにはこの大会に限 らず、他の大会にも来てくれることになりました。

【後日、横田サムライ太鼓のメンバーMs. Dianne Yoko Carlowから】

I would like to share my thank with all of you supported Bike race held at Ome city on August 16.I am a member of Samurai Taiko Team from Yokota Air Base. We were invited to the event and performed Taiko drum.

All of us in the Taiko team was thankful to have an opportunity to attend the event, it was such a beautiful place, beautiful people, everything was so beautiful.

I imagined that bike race would be more serious and strict mood but it was very warm welcomed event and each of us felt special to be there.We are all amazed that the event was very well arranged and organized and powerful.

Thank you for making us feel welcomed and supporting us. Hope to see you all again.

【第一レース・スタート】

横田サムライ太鼓の乱れ打ちの後、10時ジャストに第一レースがスタート。第一レースはタイム計測がないため、 コースや自分の体調を確認しながら走る選手、仲間と作戦を相談しながら走る選手、既にかなり体力を消耗している選 手、まちまちですが、まだこれからという雰囲気です。

ゴール地点では、冷たい水とスイカがふるまわれ、特にスイカは 大人気で、第一レースで既に売り切れ状態でした。

それにしても、スタート地点にくらべ、ゴール地点の涼しいことといったら・・。快適に昼寝ができそうだ。実は、 7月後半からこの日まで常盤林道(コース)は曇りや雨に日がほとんどで晴れの日がなかったのです。どんなに暑くても 晴れてくれたのはあり難いことです。

第一レースが終わり、今年も宮塚選手を先頭にゆっくり一列になって下山。でも、本番はこれからです。中には、第一 レース終了後に自分でギブアップを申出た選手も・・・・。

【超人気だった豚汁】

第一レース下山後に、会場では地元自治会の皆さんのお手製豚汁が選手に振舞われましたが、あっという間に売り切れ となりました。この豚汁は豚肉以外ほとんどが地元産の野菜で作られています。

因みに、豚肉は5kgも入っていたそうで す。皆さん、美味しかったですか?第二レースに向け、選手達の良いエネルギー補給になったのではと思います。

当初は、例年のように皆さんへのお土産用にジャガイモを400kgほど用意する予定にしていました。ところが、 今年の長雨でジャガイモの出来がイマイチ、その為、400kgも集めることが不可能ということが分かってきました。 そこで、豚汁を作って、ジャガイモを始めとする成木の野菜を皆さんに食べてもらうことにしたわけです。

【第二レース、スタート】

しばしの休憩の後、12時から第2レース開始。第一レースとはスピードも気迫も全然違います。2分おきのスタートの ため、しばらくするとウエーブも入り乱れ、選手は自分のペースで上っていきます。

コースのところどころでは地元成木自 治会のスタッフやKFCのスタッフが選手の安全を見守っています。カメラマン、応援の人達が大きな声援を送っていま す。

そんな中、黙々とこいで行く選手、笑顔で声援に応える選手、カメラを向けるとVサインをする選手などなど。1人 1人の息づかいが聞こえてきます。緑の森の中、いろんな色のジャージが途切れることなく長い列を作っていく様子は、 見応えのある風景です。

スタートしてすぐに竹谷選手、高岡選手、森選手、松丸選手を含む数名の先頭グループが形成され、熾烈な駆け引きを しながらのレース展開が始まりました。序盤から竹谷選手が先頭を引き、時に松丸選手が先頭を引いたりもしていま した。しかし、最後の激坂ヘアピンコーナー辺りでアタックを仕掛けた高岡選手が、他の選手を置き去りにし、そのまま逃げ切り ました。

アタックを仕掛けた地点は昨年と同じ、これが高岡選手の勝ちパターンのようです。2番手は森選手、3番手が竹谷選 手、4番手は松丸選手でした。これで高岡選手はNARIKIステージ2連覇です。高岡選手と森選手が竹谷選手の持つ記 録を揃って更新した。

何と、上位3選手のポイントは18点で並んでしまいました。こんな結果は想定外でした。内心、ちょっと慌てました。 OKUTAMAステージのリザルトを持ってきたかなあ・・・??というのは、ステージ優勝と賞金の行方は総合タイムを 比較しないとわからないからです。要は2大会の合計タイムの少ない方がシリーズ優勝ということだからです。

女子はOKUTAMAステージとそれぞれ同順位で、優勝が片山選手、2位が金子選手、そして3位が佐藤選手で順位が確定し ました。

【地元中学生4人が特別参加】

今回、地元青梅の「輪千自転車店」の協力で、青梅7中の中学生4人がマウンテンバイクで初参加、みごと4人とも完走 しました。夏休みに入って、早朝練習を続けた甲斐がありました。

近年、青梅7中は生徒数の減少が続いており、学校側と 地域の人たちが一丸となって協力し、このイベントを通して生徒数の減少を食い止めようとしています。そんな事情で、青 梅7中はこれから自転車競技に力を入れていく予定であり、彼らが先頭切って引っぱっていくことになるのでしょう。

【シリーズ優勝は? 賞金は?】

そして午後2:00から表彰式。総合1〜6位、年代別1位、飛び賞、遠来賞などが行なわれました。

そして東京ヒルクライムシリーズの賞金の行方は・・?男子は僅か11秒差で竹谷選手(40:13)が優勝し、20万円をゲッ ト。2位は森選手(40:24)で10万円をゲット。3位はNARIKIステージ優勝の高岡選手(41:55)で5万円をゲット しました。

女子は1位片山選手、2位金子選手、3位佐藤選手がそれぞれゲットされました。来年からは6位まで賞金を出 す予定ですので、皆さん、トライして下さい。

因みに、竹谷選手は将来ハワイのアイアンマンレース(トライアスロン)で夕陽を背にフィニッシュしたいというこ とで、ランニングシューズを購入するとのこと(20万のシューズ??)でした。

そしてKFCイベント恒例の鍛鉄工芸家西田光男さん による西田賞(鍛鉄制の取っ手のついた小皿)はいつも我がクラブのレースに多数参加してくれ ている南蛮連合(東京都内に住む外国人で構成されたクラブ)の選手におくられました。

また、遠来賞は、何と鹿児島から遥 々参加してくれた鹿島猛志選手に送られました。地元成木自治会のスタッフが歓迎の意味を込めて握手を申出るシーンも あり、拍手が沸き起こりました。

今年は日照不足で、ジャガイモの収穫量が例年に比べ少なく、82Kg(82人分)のジャガイモがジャンケン大会争 奪戦となりました。ゲットされた方、おめでとうございました。

【次回に関して】

今年は3回目で、地元成木スタッフも我々KFCも大分勝手が分かっていたこともありますが、選手の皆さんがルール を守って参加してくれたお陰で、安全で、且つ、スムーズな運営ができたと思います。

来年もまた同じ時期に開催する予定です。しかし、コースに関しては、さらなる川下からのスタートを予定していま す。10km一発勝負の予定です。お楽しみに。また、それとは別に、皆さんに喜んで頂けるようなビッグなサプライズ も計画していますので、こちらの方もお楽しみに。

【最後にコースコンディションについて】

今年は1月頃に路面のコケ対策として、コース(常盤林道)に覆い被さっている樹木の伐採や枝打ちを行ないました。 これによって、路面に陽が射すようになり、夏前にはコケが相当に消えていました。今年は良い路面コンディションが作 れると期待していました。

ところが、そうはうまく問屋が卸しませんでした。例年にない7〜8月の長雨でコケが生えてき て、我々の懸命の掃除にもかかわらず、レース直前までコケとの格闘が続きました。その甲斐あって、レース日には強烈な 夏の日差しにも助けられ、コケは消え、競技には何の支障もありませんでした。

また、このコースは、大雨や台風などがあると、枝やジャリなどが落ちてきてしまうため、年間通して成木自治会の皆 さんやKFCメンバーが掃除をしています。コース上を箒で掃いている人がいたら、気軽に声をかけてください。

では、皆さん、来年の夏も自転車の里「NARIKI」でお会いしましょう。

【Special Thanks】

最後に、NARIKIステージ開催に当たって、ご尽力、ご協力頂いた以下の方々に感謝したいと思います。

成木自治会、里仁会、東京都森林組合青梅事務所、青梅市観光協会、青梅警察署、青梅消防署、トライスポーツ、 明治乳業(VAAM)、NATHAN、Meitan、日本スポーツ&ボディ・マイスター協会(JSBM)、WACHIレーシングチーム、 横田サムライ太鼓