イベント報告
第16回みたけ山トレイルラン
16th Mt. Mitake Trail Run
2015年12月13日
■KFC徒然

12月13日(日)、第16回目となる「みたけ山トレイルラン大会」を開催しました。流石にこの時季になると、例年、 ハイカーは少なくなります。 天気予報の所為でしょうか、特に今年は疎らに感じました。この大会を立ち上げた頃の様です。

12日(土)、恒例になっている前日のコースチェックを兼ねた小麦粉撒き(路面に矢印を書きます)と落葉の吹き溜まりの整備を 行いました。小麦粉撒きは、毎年、宮地藤雄選手が手伝ってくれます。宮地君との付き合いは、彼がデビューしたての頃からなので、 ぼちぼち8年目になります。

コース前半の大塚山の雑木林は風向きの関係で毎年30pほど落ち葉が積もって、階段や木の根っこ等々を覆い隠してしまう区間があります。 それらを強力な ブロアで吹き飛ばし、トレランナーから見えるようにしておきます。この地味作業が、16年間、転倒や怪我を防いだと 思っています。とにかく、トップ選手の下りは、尋常ではないスピードで、猿のように飛んでいきますから。

前日作業の時は、冬晴れで、暖かく、気持ちの良い天気でした。しかし、天気予報では、レース本番の翌日は小雨となっていました。 嫌な感じですが、屋外スポーツは天候に左右されるもの、仕方がありません。過去、雨や雪、それに台風も経験していますから、 小雨程度は動じません。

御岳山の宿坊や民家は下界から切り離されています。細いハイキング道以外では、麓からのケーブルカーと、それに沿った 狭い坂道(四駆の軽自動車しか通れない)以外のアクセスルートは ありません。

常々、御岳山は大海原に浮かぶ小島とよく似ていると感じています。だから、第1回大会から大会前日は宿坊に泊まることに決めています。 御岳山にはたくさんの宿坊があります。ご飯は美味しいし、風呂は気持ちいいし、どれも居心地の良い宿坊ばかりです。機会があれば、 ぜひ泊まってみて下さい。

【レースの朝】

当日朝、5:30に起床して、6:30に地元の人が運転する軽4輪車(当然4輪駆動)でスタート地点であるケーブルカー滝本駅へ 出発します。 因みに、御岳山の道は、域外者が容易に運転できるような柔な道ではありません。細い上に、想像を絶する急こう配、急カーブ等々。 大会を始めた頃には、滝本駅から御嶽駅までの坂道は恐怖のスイッチバックのカーブがあったくらいです。

朝の空は今にも降りそうな感じで曇っていますが、雨は降っていません。何とかもってほしいと願う皆の気持ちが雨に勝っているか、 ギリギリの均衡を保っているようです。

最悪でも、スタートする9:30までは降らないで欲しいと願いました。結局、レースが終了するまでは、何とかもってくれました。 流石、13:30の表彰式には本気で降り始めました。でも、ここまでもってくれれば、十分です、幾らでも降ってくれ、です。

【浜中新市長による号砲】

レースの方は、9:30のオンタイムに、浜中啓一新青梅市長の号砲で約1000人のトレランナーが滝本駅(標高約400m) からスタートして 行きました。今年はゼッケン番号に関係なく、自分の好きな位置取りをして、そこからスタートするようにしました。但し、 最前列には、 過去の東京トレランシリーズ優勝者へのリスペクト・スペースを設けました。

まず、スタート早々、約3qのケーブルカーに沿った上り坂をやっつけねばなりません。因みに、この坂は、GPS距離で約2qですが、 実際のメジャー計測では約3kmあります。何と、3割もの誤差があるのです。近年、インターネットの普及に伴って、GPS信者が多く なりましたが、 山ではGPS距離は当てになりません。鵜呑みにすると危険です。この辺がトレラン大会でのGPS表示が無責任と 言われる所以です。

この3km坂を、毎年トップ選手は15分前後、最終走者は40分ほどでクリアしていきます。15分というのは、何と、4輪駆動車と 同じスピードです。その後、 落葉道の大塚山を抜け、宿坊街の急こう配を上って、土産物店街へ向かいます。

そこから本レースのメインステージであるロックガーデンへ、足元を流れる渓流に沿って岩石の上を駆け上がります。 そこから標高1000m超えの 鍋割山を越え、奥の院へ。ここまでは上り一辺倒でしたが、ここで初めて本格的な下り坂が現れます。 その坂を下って、御岳神社境内への石段を、 また上がって、やっとゴールとなります。

【ゴールの風景】

ほとんどの選手は、最後の境内へ続く石段を、最後の力を振り絞って、腰を曲げて、膝を手で押して、ゴールしてきます。 太ももが パンパンなのでしょう。ゴール瞬間の選手の苦しみ抜いたクシャクシャ顔がいい、普段の生活では絶対に見せない表情です。来年は、 全選手のこの瞬間の顔だけを撮ってみたいと思っています。

トップでゴールしたのは栗原孝治選手(1:05:03/群馬県)です。何と、5連覇です!!神の領域に入ったと言っても過言ではありません。 いわば、御岳の山の神降臨と云ったところか。

そして、2位は、昨年のシリーズチャンピョン渡辺良治選手を 42秒抑えて、 嶋崎功一選手(1:07:10/東京都)がゴールしてきました。渡辺選手も嶋崎選手も、最近急激に力を付けてきた地元青梅の若手選手です。 この2人、 お互いに切磋琢磨して、世界のトレラン界のスーパースターになって欲しいものです。

女子は須藤吉仕子選手(埼玉県/1:30:57)です。特筆すべきは須藤選手の年齢です。58歳です。栗原選手の5連覇も快挙ですが、 須藤選手も 彼に勝るとも劣らない快挙です。ぜひ、来年、連覇を狙って欲しいものです。

【最後に】

例年、本大会の終了をもって、2015年度のKFC活動は全て終了となりますと挨拶していたのですが、今年はまだもう一つあります。

八王子市での新規大会「TOKYO八峰マウンテントレイル大会」です。これが東京トレランシリーズ2015の最終戦となります。 そして、来年からも、この八峰大会がシーズン最終戦となります。

【レポート・フォト】
【Special Thanks】

後援:青梅市、大多摩観光連盟

協賛企業:京王電鉄梶A葛梔、アートマン、葛梔、プラザホテル八王子、
     潟激Xトラン京王、佐藤スポーツ

写真:小野口健太