2010年12月12日
今年も12月の第2週の週末に青梅市の御岳山を舞台に「第11回みたけ山トレイルラン大会」を開催した。
以前は、この時期になると紅葉も終わり、 御岳山を訪れる観光客はめっきりと少なくなっていたものだ。だから、御岳山の観光資源として、集客目的に本大会を立ち上げた。
ところが、 昨今の山ブームの影響か、本大会が多少なりとも功を奏しているのか、2〜3年前からこの時期でもたくさんの観光客が訪れるようになった。
冬場の閑散期に観光客を呼び込むために立ち上げた大会なので、観光客が増えたことは喜ばしいことだ。しかし、以前と比べて競技運営はやり難い。 なぜなら、観光客のほとんどがハイカーであり、選手と同じ山道を歩くからだ。
温暖化のせいか、今年は紅葉が遅かったせいか、例年になく、コース上に落ち葉がたくさん積もっていた。落ち葉は路面にある石ころや根っこを隠してしまう。 特に、下り道での落ち葉は危険だ。つまずくと転倒から怪我と云うことになる。
毎年、怪我防止のため、大会前日にコース掃除をすることにしている。 理想的な大会運営とは、 想定できるリスクを取り除いて、いかに怪我人を出さないようにするかに尽きると考えている。いくら楽しい大会でもシリアスな事故が起こっては、 その大会の存続はないと考えている。
今年は大塚山山頂からの下りと奥の院からの急な下り坂を集中的に掃除した。具体的には、竹ぼうきで積もっている落ち葉を掃くという古典的なやり方だ。 あとは個々の選手の注意力の責任に任せるしかない。
アスファルトで固められた舗装路を走るマラソンと違って、自然のままの山道を走るトレイルランは転倒によるけが人は付き物だ。 本大会も充分な対策を講じていたのだが、転倒による怪我人が4人発生してしまったのは残念。
奥の院からの急な下り坂は、10年前に我々が本大会のために復活させた山道だ。昭和初期までは使われていたようだが、その後は、使われなくなり、 灌木に覆われ、跡形もなく消滅していた。
ところが、伝説のロッククライマーであり、KFCの山スペシャリストでもある五十嵐さんが、 山の地図からかつてこの場所に山道があったということを突き止めた。
それで、地元御岳山の人たちと我々KFCとで灌木を切り開き、その古道を復活させた道だ。新規に道を造るのは、地主の許可などが必要で、 いろいろ面倒臭い。
では、なぜ、この道が必要だったかというと、尾根道を道なりにコール地点へ向かうと、切立った岩場にクサリが打ち込んである危険か箇所を 通らなくてはならない。そうすると、何人かの滑落者がでるだろう。それを避けるためのう回路として、この山道が必要だった。
今年の大きな改善点はスタート方法を変更したことだ。昨年までは約500人を1グループにして10分の感覚でスタートさせる2ウェーブ制を 採用していた。しかし、今年は個々の走力に応じてグループ分けし、1000人の一斉スタート制に変更した。
従来の方法では、10km過ぎの細い山道で第2ウェーブの速い選手が10分前にスタートした第一ウェーブの遅い選手をパスしていくことになり、 接触転倒事故が起こり得る。また、シリアスに上位を狙う選手にとっては公平とは言えないからだ。参加人数の少ない頃は問題なかったのだが、 1000人を超えるようになると、ウェーブスタートはベストの方法ではなくなってしまった。
想定の範囲内だが、ロックガーデンへの入口付近の天狗岩の石段手前で少し渋滞が発生した。原因は、スピードが出る緩い下りコースが続いた後の石段だ。 この石段は急勾配で、段差も均等でなく、すぐ左側が絶壁になっている危険なものだ。
このようなロケーションでは石段手前で皆が一気に減速するため、 ある程度の渋滞が起こるのは仕方のないこと。解決策は、石段を取り払う以外にないが、そんなことは・・・。
マラソンと違い、細い山道を使うトレランではある程度の渋滞は仕方がない。
後援:青梅市、大多摩観光連盟
協賛企業:京王電鉄梶A葛梔、アートマン、葛梔、プラザホテル八王子、
潟激Xトラン京王、佐藤スポーツ、NATHAN、JSBM、PUTITON
写真提供:小野口健太、馬場新吾