2013年9月15日
昨日、開催予定の「第5回多摩川源流トレイルラン」大会は、濃霧と大雨警報が発令されるほどの悪天候のため、急きょ、 中止になりました。3日ほど前に発生した台風18号の影響と思われます。
突然の台風発生を受けて、前日(土)正午に小菅村の大会役員の皆さんと翌日に迫った大会をどうするかについてミーティングを 行いました。
この日(土)は晴れており、風もなく、穏やかな状況です。この状況で早々と中止発表はできません。しかし、 インターネットの天気予報では雨100%なっています。
過去には天気予報は幾度なく外れており、この時点で100%信用するわけにはいきません。天気予報を信用して、前日に中止発表し、 当日朝に青空が出ていたら判断ミスとして大ブーイングです。しかし、何よりも、この大会を目指して一生懸命練習を積んでこられた 参加者に対して申し訳ないという思いが強くあります。
また、年間を通して、準備(参加者募集に始まり、コース整備や大会当日に向けての準備)を進めてきたことを考えると、 この時点では予定通り開催する方向で落ち着きました。そして、これ以降の準備を粛々と進めることにしました。
当然、悪天候を考慮して、コースのショートカットを検討したのですが、適当な迂回ルートがなく、そのままのコースで実施するか、 或いは、大会を中止にするかの二者択一しかないと云う結論に達しました。
その日の夕方には宿である「東部森林公園キャンプ場」へ大会ボランティアの西東京市役所トレランクラブ、スポーツトレーナーを 目指す東京スポーツリクリエーション専門学校の学生たち、それに我々KFCの面々も集まってきました。
また、大会運営に欠かせない タイム計測会社のスタッフやカメラマンもやってきました。これでいつもの役者は揃ったという格好です。
夕食後、それぞれの役割確認や受付作業のためのゼッケンカードの仕分け等々を行いました。用意万端です。気になるのは 天候だけです。この時点では夜空に月を見ることもできました。
その夜は天気が気になり皆熟睡できない様子。そうこうしている内、早朝4時頃から雨音が聞こえ始めました。
直ぐに、 パソコンを開けて、台風情報をチェックしました。すると、関東地方にだけ黄色や赤色の交じった嫌な雨雲がかかっていました。 それが南から北へ移動していました。この雨雲さえ通り抜ければ、晴れると思い、もうしばらく中止するかどうかの判断を待とう と思っていました。
台風本体は四国の遥か南方にあり、今日の時点では直接の影響はないと判断しました。
その時、地元小菅村の運営責任者亀井さんから電話がかかっていました。亀井さんも心配されている様子、山に濃いガスが 発生しているとのことです。亀井さんからは中止した方が良いと云うニュアンスが感じとれました。
そして役場で話そうと云うことに なりました。役場への道すがら周囲の山々を見ると確かに濃いガスに包まれていました。これを見た時、亀井さんが正解かな、 安全な開催は無理かな、と感じました。
役場に着くなり、待機されていた地域振興課長黒川さんが「大西さん、中止にしましょう」と。早朝に松姫峠(標高1250m)を チェックしたところ、濃霧で視界が効かないということです。その時、6時です。
結果、亀井さんと黒川課長の判断が正解でした。 その後、雨足はますます強くなり、濃霧も広がり、8時過ぎには大雨警報も発令されました。
中止決定を受け、直ちに、皆で手分けして中止告知の準備に取り掛かりました。小菅村へ入る道路上にある電光掲示板に 「中止のお知らせ」を表示したり、即席で大会中止の看板を作ったり等々です。
そして、6時10分にはKFCホームページ「クラブ通信」に中止のお知らせをアップしました。前もって参加者全員へ 発送している大会案内に最新情報は「クラブ通信」に掲載していきます、としているからです。
すると、早朝と云うのに10分間ほどで 200件くらいのアクセスがありました。多くの参加者に告知できていると安堵しました。そして、これ以降、携帯への問合せは 激減しました。結局、11時までの間に1000件ほどのアクセスがありました。
因みに、我々の天気予想は外れ、11時頃にようやく雨雲が通り抜け、上空に青空が広がりました。“おそかりし由良之助”です。
急な中止発表のため、大会会場へ来られる参加者もいらっしゃいます。その対応に予定時間を30分早めて7時半から受付を 開始しました。受付と云っても参加賞Tシャツの交換と口頭での事情説明だけです。
それでも降りしきる雨の中、200〜300人もの人がいらっしゃいました。 この雨をモノともしない逞しい人たちです。尚、参加賞を取りに来られなかった参加者へは、後日郵送致します。
会場に来られた方々のため、小菅の湯を8時半(通常10時)にオープンさせ、入浴料(家族も含む)も無料、それに温かいケンチン汁も 用意されました。さらに、鶴峠のエイド用に用意されていた巨峰ブドウも会場でふんだんに配られました。参加者の皆さんは 「甘い!」「美味しい!」と言って頬張っていらっしゃいました。
大会の中止は天候が原因であって、誰が悪い訳でもありません。それなのに、会場には、受付に来られた方へ対し、できるだけの おもてなしをしようとする小菅村の皆さんの温かいホスピタリティが溢れていました。参加者の誰一人、この日の中止に対して不満を言う人は いませんでした。
それではトレイルランナーの皆さん、上記の事情で今年は中止になりましたが、これに懲りず来年の9月は居心地の良い小菅村で お会いしましょう。
小菅村、小菅の湯、NPO法人多摩源流こすげ、NPO法人ほうれんぼうの森、西東京市役所トレランクラブ、JT、JSBM、 佐藤スポーツ、 東京マラソンチャリティーランナー事務局、大菩薩太鼓、東京農大オープンカレッジ、東京スポーツレクリエーション専門学校