10th Palau Challenge
Triathlon+OWS+Road Race !!
12月3日(土)と4日(日)の両日にかけて、南洋の楽園パラオ共和国で節目となる第10回パラオチャレンジが 開催 されました。
3日(土)はトライアスロンとオープンウォータースイム(OWS)です。4日(日)は バベルダオブ島一周80qの ロードレースです。
到着した翌朝(30日)、パラオトライアスロン連盟会長フリーダと自転車連盟会長ジョーとミーティングを しました。
開口一番に 「コース変更をしたい。」と。「なぜ?」というと、コロール中心街の道路が全域にわたって 水道工事中で自転車が 走れないという。そして、「KBブリッジ下の臨海公園を会場に開催したい。」という。 それは10年前の第1回大会と 同じ場所です。もちろん「異存なし。」と伝えました。この水道工事は日本のODAに よるものだそうです。
スイムは公園にある浅い湾を泳ぎます。もちろん、OWSレースも同じ海域で行われます。自転車とランは バベルダオブ島の コンパクトロード(周回道路)です。この道路は台湾のODAによって造られた道路で、 高速道路のような素晴らしい道路です。距離にして 80qほどあります。
今年のOWSレースにはリオデジャネイロオリンピック(スイムマラソン10q)12位のオリンピアン貴田裕美さんも 参加されました。また、前回のロンドンオリンピックにも出場されており、日本の女子OWSの第一人者です。
そして、レース前日には現地パラオのオリンピック委員会から招待され、現地の人たちとの交流を楽しまれていま した。その中にはリオオリンピック陸上1500mのパラオ代表選手の若者もいました。また、管轄省庁の大臣である バクライさんも出迎えてくれました。
因みに、バクライは10年来の友人で、 当時はオリンピック委員会の会長でした。
近年、我々KFCとパラオの人々とは強い信頼関係ができ上がり、非常によい関係になってきたと感じています。 強固な北マリアナ3島(サイパン、ロタ、テニアン)との関係に近づいてきました。
かつてパラオが日本の領土だったという歴史を思えば、当然のことなんですけど。それでも、これまでは国民性の違いで 紆余曲折もありました。でも、10年間の地道な付き合いがそうさたのだと思います。
13日(土)、大会当日の朝、スタート時間の6時頃になってもスイムブイが設置されていません。 スイム担当のティノに尋ねてみると、ブイ設置をしてくれる役所の船が、もう少し潮が上がらないと船が 湾に入れないという。
ティノはスタートを待っている選手のことを思って、我々以上にイライラしているのが見て取れます。 口数は少なく、いつもニコニコして、本当にいい奴なんです。
6時半頃にようやく到着し、サクサクとブイを 設置、6時45分に全員が沖の第一ブイに 向かって泳ぎだしました。やれやれです。
スタートと同時にオリンピアン貴田さんが予想通り異次元のスピードで泳ぎだしました。過去9連勝の 強豪瀬戸学選手がピタッと 後ろに付きましたが、さすがの瀬戸さんもオリンピアンには敵いません。
貴田さんはエンジン付きのボートのようです。腕のピッチが 速く、力強く、グイグイ進みます。 世界トップクラスのスピードを目の当たりにして観客は大歓声を上げていました。そして、パラオの人たちに 強烈なインパクトを与えていました。
OWSの5q部門総合優勝は貴田選手、3q部門は山下りこ選手、1.5q部門は中島優選手でした。
因みに、貴田選手の10qOWSレースでの戦略はスタート後3q過ぎからペースアップし、その後、ゴール手前でもうひと段階スピードを上げるそうです。 心拍数は180をキープ。超人です。
スイムアップしたトライアスリートたちはバイクへ移っていきます。コースは最高のロケーションをもつ コンパクトロードです。 20qの折り返しです。
我々が東京や南伊豆で開催しているグランフォンドのような急こう配の上り坂はありませんが、 一つの坂が1km〜3kmと長いのが特徴です。 でも、自転車の場合、上りで苦しんだ後には必ず楽できる下りが 待っています。だから、頑張れます。
過去、優勝経験のある野々村新治選手がバイク2位でフィニシュ、トップは現地の 若者Denefher Flores選手です。
ランもバイクと同じコースで、 5qの折り返しです。結局、順位は変わらず、 野々村さんは2位でフィニシュされました。女子優勝は現地在住のMarine Gouezo(フランス人)選手で2位が 我妻志穂選手でした。
翌4日(日)はロードレースです。運営担当はジョーです。早朝から仲間を引き連れて、ホテルまで 日本人選手と自転車をピックアップして、スタート地点に運んでくれます。この日のジョーはいつもイキイキしています。
朝6時から島1周回80qのロードレースが始まりました。今年も最初からローカル選手たちが飛ばし始めました。 暑くなる前に距離を稼ぐのが彼らの作戦です。エイドはピックアップトラック等々による移動式エイドです。
スタート地点は例年通りKBシェル ガソリンスタンドで、ゴール地点はパラオ国際空港です。
日本のレースでは有り得ないほどのダイナミックなコースです。雄大なジャングルあり、海を割って走る 海中道路ありの変化に 富んだコースで、まるで高速道路のような道路です。百聞は一見に如かず、巻末のレポート・フォトを ご覧ください。
それに民家がまばらなので、 ほとんど車がとおりません。レース終了までの5時間で、我々のサポート車を 除くと、一般車両はわずか5〜6台です。男子優勝は 現地パラオの若者です。女子は赤澤夏美選手です。
そして、夕方からオフィシャルホテルのパラオパシフィックリゾート(PPR)でアワードパーティが 催されました。 このホテルは南の島を知り尽くした我々KFCの一押しビーチリゾートです。
目の前が素晴らしいビーチという最高のロケーション、神秘的な濃い熱帯樹木に囲まれたコテージ式の落ち着いた 造り等々で独特の空間を 醸し出しており、リラックスできます。それゆえ、宿泊料金は決して安くはないですが、 参加選手だけでなく、世界中に多くのファンを 持っています。
また、ハード面だけでなく、ホテルスタッフの教育が素晴らしく、我々ゲストを居心地よくさせてくれます。 常々感じているのは、 ここのタッフたちはPPRで働くことに誇りを持っていると思います。これがPPRの人気の 所以なのでしょう。
それでは皆さん、2017年の年末もパラオPPRでお会いしましょう。
パラオ・パシフィック・リゾート
カメラマン:小野口健太