2011年12月11日
今年も12月の第2週の日曜日(11日)に「みたけ山トレイルラン大会」を開催した。今年で早や12年目になる。月日が過ぎ去るのは早いものだ。
スタートラインに並ぶ大勢の参加者を見ると、いつも頭に浮かぶことがある。
本大会を立ち上げる以前、毎年12月に入った御岳山は紅葉の季節が終わり、年末年始の直前ということで、 上旬から年末までは観光客がガクッと減る閑散期にはいる。そこで、この間を埋めるために、イベントを開催し、観光客を呼び込もうとした。
さらにはイベントの持つイメージアップ効果とプロモーション効果で「みたけ山」の名をもっと世間に知らしめることができれば、 年間通して観光客を呼ぶことができ、一石二鳥だ。
この企画を発案されたのは青梅市観光課の当時の係長であった松岡さんだ。
その2年前から我々KFCが開催していた高水山大会を観て、 これと同じものを御岳山でもできないだろうか、と考えられたのだ。どちらも山を走る競技、できないはずはないと考えられたのだろう。
そして、我々KFCに企画運営を依頼された。
それが12年経って、今日の「みたけ山トレイルラン」という参加者1000以上も集まる人気大会に成長したのだ。
その当時は大会数も全国に4本ほどしかなく、山を走ると云うスポーツは 超マイナー競技で参加者は200人ほどしか集まらなかった。
それが10年を経てこれほど大きなイベントに育つとは、・・・である。今となっては、御岳山観光の宝物だ。
過去ずっと御岳山の閑散期であったはずの12月が、昨今の山ブームで観光客が大幅に増えた。
特に、今年に入って御岳山が頻繁にTVなどのマスコミに取り上げられるようになってからは、すごい人出だ。
ちょっと前、マスコミが高尾山を頻繁に取り上げていた頃は高尾山が凄い人出だった。そして、今年はそれが御岳山にシフトした恰好だ。マスコミの影響力は絶大だ。 来年はどこの山だろうか?
今年は大会2日前の金曜日に雪が降った。過去11年間で、雪の経験は2回ほどある。しかし、それは大会当日の朝に降り始めると云うもので、 大会日前に降ったのは初めての経験だ。
その日、朝起きると屋根や車の上は真っ白で、辺り一面、雪景色だった。でも、残るような雪ではなく、昼頃には溶けてしまった。
しかし、 御岳山の宿坊「駒鳥山荘」の主である馬場さんから、朝一に電話があり、御岳神社(標高約800m)では積雪10cmくらいあると云う。馬場さんも驚いている様子だった。 週末に控えたレースへの影響を心配しての電話だ。
しかし、大会まで中一日あるし、天気も良いし、それほど心配はしていなった。
しかし、馬場さんの報告から、アクバ峠、鍋割山、奥ノ院を結ぶ標高1000mにある山道の状態は気になっていた。
が、すでに1200人ほどの登録があり、当日は快晴とのこと。大会の中止は全く考えていなかった。ただ万が一に備えて、 コースの短縮オプションは考えていた。
それは、鍋割山頂などの標高の高いコースはカットして、ロックガーデンを上りきった地点からゴールの御岳神社へ直行するというコース変更だ。 距離は5qほど短縮になるが、競技としては充分に成立する。それに本大会の目玉であるロックガーデンは走ってもらうことができる。
場合によっては、この短縮コースに変更するということで、御岳観光協会会長と副会長へはこっそり伝えておいた。 こういう予備オプションは混乱を生じさせないため、こっそりが鉄則だ。
前日(土)に恒例のコースチェック&コース整備を行った。
標高の低い場所や日当たりのよい南斜面にはすでに雪は溶けていた。 問題の鍋割山や奥ノ院の積雪も予想に反して大したことがなかった。
そんな中、最も積雪が多かったのは北斜面にあるアクバ峠への上り、アクバ坂だ。 坂道の積雪を削ったり、掃いたりしたが、完全に取り去ることはできない。
この坂道を下るのなら躊躇なくキャンセルするところだ。しかし、この部分は上りに使うだけで下る事はない。だから、怪我をすることはない。
自然を楽しむトレイルラン、雪もまた自然。よい機会だから雪を楽しんでもらおう。それに山道を駆けるトレイルランナーは逞しいし、 レースの時は大勢のスタッフに見守られた安全安心の特殊な環境にある。例年通りに実施することにした。
百聞は一見に如かず、レースの模様は下記レポートフォトをご覧下さい。
都会育ちのランナーと雪慣れした地方育ちのランナーとの差が大きく出た結果となった。積雪の上を駆けたり、歩いたりするのは、 普段の生活環境が大きくモノを言う。
その結果、10km関門を制限時間内にクリアできなかった選手が例年の10倍、200人もでた。例年なら10人程度だ。そして、 関門から先には積雪のアクバ坂がある。この数字は関門がそれなりの安全弁の役割を果たした結果だ。
また、珍しい記録が出た。今年の優勝者である栗原孝浩選手の優勝タイムが1:04:51、昨年の半田佑之介選手の優勝タイムも1:04:51で、 全く同タイムだった。これにいち早く気が付いたのは、警備に来られていた青梅警察の警察官だった。何気に鋭い!!
本大会を以ってKFCの2011年度イベントは全て終了となった。
今年もKFCイベントへのご参加、ありがとうございました。
来年はエイプリルフール(4月1日)に桜咲く青梅市永山公園でお会いしましょう。
それでは、皆さん、よいお年をお迎え下さい。
後援:青梅市、大多摩観光連盟
協賛企業:京王電鉄梶A葛梔、アートマン、葛梔、プラザホテル八王子、
潟激Xトラン京王、佐藤スポーツ
写真提供:小野口健太、馬場新吾