イベント報告
第3回TOKYO成木の森トレイルラン
3rd TOKYO Nariki Forest Trail Run
2013年5月12日
■KFC徒然

5月12日(日)、五月晴れの下、新緑が売りの東京トレランシリーズ第2戦「第3回TOKYO成木の森トレイルラン」大会を開催しました。

この日は参加者の皆さんに成木の森の新緑を存分に楽しんで頂けること間違いなしと思えるほどの良い天気です。

しかし、1週間前から週末(土、日)を狙い澄ませたように、天気予報では雨マークが付いていました。 その前後は ずっと晴れマークなのに・・。

4月開催の「第15回Lafuma青梅高水山トレイルラン」(以後、高水山大会と称す)と 同じパターン、「またか・・・」と、 皆がっかり・・。

それで、 紙コップに雨水が入らないようにとコース上の給水場にテントの手配をしたり、 雨シフトの運営体制を練っていました。 ところが、幸いなことに木曜日から晴れマークに変わってきました。屋外スポーツの宿命、 天気予報には一喜一憂させられます。

【予想外の気温上昇】

大会当日、早朝6時頃から眩いばかりの日差しが射し、その日の快晴を予見していました。

朝から予想以上に気温が高く、スタート時刻(10:30) には気温がぐんぐん上がってきました。

こうなると、選手の脱水症が心配になってきます。マラソン大会で、5月は 最も脱水症の起こりやすい季節です。何故なら、皆さんの体が暑さに慣れていないからです。それに、 冬のスポーツであるマラソン選手は脱水症に対する予防に無頓着な人が多いのも問題です。

脱水症は死に直結する怖い病気です。しかし、水と塩さえ摂っていれば、決して陥ることにない病気です。だから、予防方法は、 これらを意識するか、しないかで、生と死の違いほどに大きく違ってくるのです。

【前日の事故】

また、この日の朝、警察の方から、前日に開催された一部同一コースを駆けるトレラン大会で事故があったとお聞きしました。

参加者の一人が奥多摩のゴール会場へ現れず、コースを逸れ、行方不明となり、夜中まで捜索活動が行われた模様です。 奥多摩は山が深いのでミスコースは危険です。

山中を駆けるトレランは、街中のマラソンと違ってミスコースは命取りになるので、十分な対策が必要と常々思っています。参加者に対し、 自己責任という名の手抜き運営は良くないですが、そうかと言って、どこまでカバーすれば正解なのか、というもの、 我々運営する側にとっては悩ましいものです。

とにかく、事故が2日も続くと、 トレラン=危険という良くないイメージが出来上ってしまうので、山中に立つ全スタッフに気合を入れて誘導&監視に当たるように伝えました。

我々の大会(東京トレランシリーズ全4戦)は、全て村興しの地域密着型です。地元の人たちと一緒になって、山深いコース上にも 要所要所にスタッフを配置して、参加者の誘導と監視をしているので、行方不明者はでないと思います・・が、 どんな想定外の事故が起こるとも限りません。

かつて、数年前の高水山大会で青梅丘陵ハイキングコースの尾根道で選手が脚を骨折しました。 その救助に消防の救急ヘリを要請して、大騒ぎになった苦い経験があります。

【最優先事項は・・・】

この日、最優先事項は、急激な暑さからくる選手の脱水症と感じていました。

なぜなら、脱水症は時間が経てば治る骨折や擦過傷と違って、 脳や肝臓に短時間で致命的なダメージを与える怖い病気ですから。

10:30のスタート前に、くどいほど脱水症対策を選手の皆さんに話し(脅かし)ました。 これまでに南の島のトライアスロン大会で 何度も脱水症の怖さを経験していますから。

そして、急きょ、スタート前に山中に設置した2か所の 給水場スタッフに対し、到着した選手には強制的に塩を摂らせるようにと、連絡を入れました。

これらが功を奏したのか、 誰も脱水に陥る選手はいませんでした。1か月前の高水山大会で、軽度と云えども2人の脱水者を出してしまった失敗からの教訓が 生きたかっこうです。

また、転倒などによる怪我人もゼロでした。昨年も、一昨年も怪我人はゼロでした。山を駆けるトレラン大会で怪我人がゼロというのは 珍しいことです。

スタンバイしている我が優秀な2人の看護士も手持無沙汰の様子でした。成木の森には何か不思議なパワーがあるのかも しれないと、内々で噂をしています。

レースの方は、オンタイムにスタートし、予想通りに展開していきました。レースの模様は下記レポートフォトをご覧ください。

優勝者は高水山大会常連の強豪村井涼選手(山梨・砲身固定環★)を抑えてゴールされた牛田美樹選手(群馬・館林クラブ)でした。 女子優勝者は予想通り山口季見子選手(東京・ES関東C)の2連覇でした。

【納得できない理不尽】

昨年からコース上で1カ所気になっている個所がありました。

それは折返し地点の棒の嶺山頂へ続く坂道(ハイキングコース)にある 植生の養生区間です。距離にして約200mほどです。

管理者は東京都奥多摩自然公園管理センターです。この坂の上と下に 「植生回復のため通行止め」と書いた粗末な告知板(A3紙をパウチしただけもの)があるだけです。なので、ハイカーの皆さん、 普段からこれに気付かずにその区間を通り抜けています。

ところが、昨年の大会終了直後、管理者の奥多摩自然公園管理センターから電話があり、本大会の選手がそこを走り抜けたということで お叱りを受けました。

しかし、実際にその担当者が見た訳ではなく、ハイカーから通報があったというのです。

これを受け、今年は坂の上と下にスタッフを配置し、選手の誘導に当たりました。

しかし、その脇をハイカーの皆さんが普通に 通り抜けていました。これはハイカーに非があるのではなく、管理方法に問題があります。本気で養生するつもりなら、 管理者はそこをロープで囲うなりの対策を取るべきでは、と考えます。

それに、この部分は元々植物など全然生えていなかった所で、ハイキングコース用の階段が設置されていた所です。 もっと以前は防火帯だったと聞ききます。 そんなところで、何の植生を回復しているでしょうか。

【恐竜巡回展示活動2013】

4月の高水山大会に続いて、本大会でも、被災地への 恐竜巡回展示活動2013の 費用をサポートするため、KFCグッズの チャリティー販売を行いました。また、KFCグッズに加え、 宮地藤雄選手にも商品を提供してもらいました。

購入して下さった皆さん、 ありがとうございました。80,650円もの売り上げがありました。

これとは別に、JR河辺駅から会場まで大会貸切りバスを利用された方に、そのバス代金として投入して頂いた3・11義援金箱には 114,610円入っていました。これも恐竜巡回展示活動の費用に使わせて頂きます。ありがとうございました。

【サブイベント、模擬店】

今年も「成木の家」で地元産の新鮮野菜や木工品の模擬店を催しました。 今年も野菜はすぐに完売しました。

我々KFCは 裏のテラスでコーヒー(1杯100円)を提供する「KFC成木カフェ」を催しました。売上は30杯ほどで、 利用者のほとんどは参加者ではなく、選手の帰りを待つ家族などの付き添いの人でした。

また、初の試みとして、地元の人のラーメン屋台が出店しました。でも、ゴール後に選手の皆さんへはトン汁が振る舞われるので、 ラーメンが売れるかどうか心配していましたが、そこそこ売れたそうです。

【東京トレランシリーズ2013】

東京トレランシリーズ2013のチャンピョン争いに関しては、村井涼(山梨県)、渡辺良治(東京都)、宮地藤雄(東京都)、 栗原孝浩(群馬県)の4選手が横一線に並んでいます。本大会優勝された牛田美樹選手(群馬県)は東京トレランシリーズに初参加です。

また、高水山大会優勝の荒木宏太選手(東京都)と3位の平澤賢市選手(長野県)はいづれも不参加でした。 女子では強豪の山口季見子選手(東京都)が一歩リードされています。

次は9月15日(日)に山梨県小菅村で開催されるシリーズ第3戦秋季大会 「第5回多摩川源流トレイルラン大会」です。 皆さまのご参加をお待ちしています。

【レポート・フォト】
【Special Thanks】

成木7丁目自治会、里仁会、西東京市役所トレランクラブ

写真提供:小野口健太、池田将、舘岡正俊