7th IP & E Palau Challenge
Triathlon+OWS+Cycle Race !!
南の島パラオで、11月30日(土)と12月1日(日)の2日間に亘って上記大会が開催されました。
昨年、台風は来ないと云われていたパラオへ25年ぶりの 大型台風襲来と云う事で てんやわんやがありました。しかし、今年の天候はバッチリで、前日(金)の説明会も含め、 過去最もスムーズな運営ができ、嬉しい驚きが ありました。昨年の帰り際、ちょっと強く改善点を伝えておいたのが 効を奏したようです。
今年も大会前日の夕方(金)、コロール市街にあるパラオ・インターナショナル・コーラルリーフ・センターで 競技説明会&カーボローディング が開催されました。昨年は台風襲来で浮足立ち、競技説明に時間がかかり過ぎました。しかし、 その反省から今年はスムーズに行われました。
30日(土)午前中はPPR(パラオ・パシフィック・リゾート)を大会会場とし、トライアスロンとOWSレースが開催されました。
翌12月1日(日)午前中はサイパン島よりも大きいバベルダオブ島の外周道路でダイナミックなサイクルロードレース(100km)が 開催されました。そして、夕方からPPRのプールサイドで3レース合同のアワードパーティが催されました。
レースに関しては、天候にも恵まれ、脱水症や事故もなく、スケジュール通りに無事に終えることができました。 参加者の皆さんも、 南の島特有のゆる〜いレースを存分に満喫された様子で、楽しそうにされていました。また、 延泊してダイビングや島内観光を楽しんでいる人も いらっしゃいました。
現地パラオコミッティの面々は、昨年の反省会でのダメ出しが相当に気になっていたようで、スイム、バイク等々、一つひとつのパートが 終わる都度に 「何か問題はない?」と 確認に来るくらいの神経の使いようでした。
そして、大会終了後の反省会で、スイムの距離が短かったこと、 トライアスロンとOWSを同時スタートに することの改善点を伝え、最後に「その他に関しては、これまでで最も良くできていたよ。」 と伝えました。その途端、皆にっこり、「やった!」 と拍手をしながら喜んでいました。
昨年のダメ出しが思った以上にプレッシャーになっていたようです。そういえば、レース後の反省会で現地コミッティーを 褒めたのは、7年目にして、これが初めてのような気がします。ようやく一歩前進したかな、と感じました。他の島の大会に比べ、 パラオの大会は未だ発展途上にあります。
パラオ大会はロタ大会やテニアン大会と違って政府が深くかかわっていません。
オリンピック委員会や政府観光局、それにPPRを始め とする企業 や個人がサポートし、トライアスロン協会とスイム協会が前面に立って運営しています。それがパラオのやり方ですから、 それはそれで良いと 思っています。
因みに、今では、我々KFCが先頭に立って何かをするということはありません。今後のためにも、現地コミッティーを立てることに しており、 到着直後のキックオフミーティングで前年の改善点を伝える程度です。あとは彼らが考え、彼らのやり方でやれば良い と思っています。
だた、政府が大きくかかわっていない分、台所事情は十分ではありません。
パラオは面白い習慣のある島で、我々が7年前に本大会を 立ち上げる以前、パラオでは参加費を徴収するという習慣がありませんでした。
昔からマラソンやスイムのローカル大会は全て 参加費無料が 当たり前で、運営費は企業や個人の寄付で全て賄われていました。まさに「所違えば品変わる」です。当時、 これにはびっくりしたものです。
経済大国の日本人選手と同額を徴収できないとしても、多少でも取らないと、真剣さがなくなり、練習会のようなゆるい大会に なってしまいます。ローカル大会と違い、そんなやり方では、ホテルでのアワードパーティ等々、それなりの準備におカネが必要な インターナショナルな大会など とてもできないと 感じました。
だから、金額の多少は問わないので、大会を楽しむには参加費が要るという意識改革から始めない と駄目だと告げました。そして、 7年前の第1回大会から、先ずは少しでも徴収することから始めました。
パラオではボランティアだけでなく、警察や救急車の出動にもおカネが必要です。パーティの費用もそれなりに掛かります。 そうなると、 日本人選手の参加費と寄付金と云う不安定な財源だけではとても無理です。案の定、今年は大口のスポンサーの 寄付金が集まらなかったと嘆いていました。可哀想だったので、帰り際、不足分を寄付してきました。
因みに、今年はローカル参加費として45ドルを徴収しています。45ドルはローカルにとって決して安い金額ではありません。 実はパラオの最低賃金は、何と、時給1ドル50セント(約150円)なんです。だから日本人と同額は無理というのは当然です。
以前から我々が 開催する南の島の大会では、その島の経済力にあった常識的な金額を参加費として設定することにしています。 経済力のない南の島では その島の常識的な額を、日本人は日本の常識的な額を徴収するようにしています。南の島の大会では、 それがフェアなやり方と思っています。
幸いなことに、過去4年間、脱水症に陥った選手や落車による怪我人を病院へ搬送したりすることがありませんでした。これは参加者の 皆さんに対し、脱水症対策や安全対策等々を繰り返し徹底し、啓蒙してきた賜物と思っています。
これを受け、来年からは オフィシャルツアー以外でも参加できるようにしようと思っています。すなわち、来年から参加者はツアーに 関して、二者択一が可能となります。 但し、会場施設をお借りするPPR泊は必須条件となりますが・・。
因みに、オフィシャルツアーの良さは、ツアー代金は多少高くなりますが、 脱水症や怪我で現地の病院へ搬送された場合、直ちに、 現地ツアー会社のローカルネットワークを利用し、我々KFCが対応できるという安全安心のメリットがあります。
実際、過去20年間のアイランドシリーズで、 島の病院へ 搬送された選手はそこそこの数にのぼりますが、KFCに関する選手は100%復活させています。一方、ローカル選手でも、 脱水症の処置が遅れたため、植物人間になってしまったケースも過去にはあります。
昨年の台風襲来以来、台風が来ないと信じられていたパラオでも台風が来るようになりました。すでに今年は数個の台風が来た ということでした。
一方、いつも台風の通り道になって、大きな被害を被っていたロタ島などのマリアナ諸島は、近年、 台風の生まれる場所になっています。 それゆえ、マリアナ諸島はほとんど被害を受けていません。
これら南の島の気候変化から確実に地球規模で気象が変動していると感じています。日本も竜巻やゲリラ豪雨等々、然りです。 地球は太古から常に変動を 続けているものなので、昨今の異常気象を一時のものと捉えず、すでに変わってしまったと考えた方が良いと思っています。
IP & E / パラオ・パシフィック・リゾート / ロック・アイランド・ツアー・カンパニー
カメラマン:小野口健太