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■戦略なきTPP議論(2011/12/07)

TPP(Trans Pacific Partnership)に参加するのか、しないのか。今、カンカンガクガクの議論がなされている。 昨年の10月にも「TPP参加の是非と戦略物資食料」と題して書いたが、 1年が経っても全く進展がない。その原因は、この国に確固たるリーダーが存在しないからだ。

自動車産業やハイテク産業などの企業が加盟する日本経済連はTPPへの参加を切望し、片や、農協や医師会はTPPへの不参加を声高に叫んでいる。しかし、 こんなことに時間を割くのは意味のないこと。国益を考えれば、採るべき道は明らかで、議論の必要はない。

日本は60年前の敗戦の荒廃から僅か50年ほどで経済大国にのし上がった。資源もなく、国土も狭いこの国が、だ。その原動力となったのは輸出を主とする 産業であって、農業でも、金融でも、医療でもない。すなわち、外貨を稼いで、それでもって、豊かで平和な国家を実現したのだ。

そして、忘れてはならないのが、日米同盟の存在だ。戦後まもなく、戦争相手国だった日本が米国(+西側諸国)で自由に経済活動ができ、 モノを売ることが許されたのも、米国と同盟関係にあったからだ。すなわち、日本は米国を上手く利用して、経済大国にのし上がったのだ。

世界中を見渡しても、米国をこれほど上手く利用して発展して来た国は、他にない。日本人には、米国を上手く利用する才能が備わっているようだ。

今後の日本を鑑みるに、やはり、日本経済は自動車やハイテク製品を輸出する企業に海外で稼いでもらわなくては成り立たない。農業が日本経済を 引っ張って行くことなど有り得ない。

また、現時点で、TPPに参加することで、金融や医療がどう変わるのか、明確なところは、学者や政治家を始め、 誰にも分かっていないのが現状だ。それゆえ、マイナス思考が先行し、怖がっているだけのことだ。

怖がらず、積極的に打って出て、過去にやってきたように米国を上手く利用して、発展していけばよい。それがやっていける国だし、もし、 それができなければ、衰退していくのは仕方がない。それが日本の実力だからだ。世界は常に変化を続けている。勇気を持って、その波に乗らなくては 生きていけない。

それに、認めようが、認めまいが、日本は米国に逆らって生きて行くことはできない。なぜなら、国家の存亡を左右する国防を米国に委ねているからだ。 すなわち、日本は米国の自治領のようなものだ。一人前の独立国とは、どこの国からも認められていない。しかし、ほとんどの日本人は独立国だと 勘違いしている。

そんな国が米国主導のTPPには参加できないなど、勘違いも甚だしい。日本人はもっと国際政治を勉強した方がいい。自国の立場を正しく認識して、 初めてTPPを含む国家戦略を練ることができるのだ。特に、国民をリードする政治家は日本の立場を自覚して、事に当たらなければならない。

但し、食料は戦略物資である以上、農業を衰退させる訳にはいかない。だから、欧米のように企業が海外で稼いで得た税収から農家の収入を 補てんすればいい。

現行のような農産物の価格補償と云うぼんやりしたものはなく、思い切った政策を取る必要がある。例えば、専業農家一所帯に付き年間500万円を 支出する等などだ。

農家に農業を安心して続けてもらうためには、明確な数値を示す必要がある。また、医療や金融にしても、守るべきところは守ればいい。 国家に財源さえ確保できていれば、その方策はいくらでもあるはずだ。


■ニッポン再生、掟破りの切り札作戦(2011/11/23)

今、東日本大震災、超円高、1000兆円の赤字国債、お粗末な政治等などで日本経済はガタガタ、崩壊寸前だ。さらに、悪化の一途をたどる欧州危機が 追い打ちをかけようとしている。そして、一昨日、ついに日経平均株価が今年最安値を記録した。

このような厳しい世界経済の下、日本が生き延びるためにはガタガタの国内経済を急務で立て直す必要がある。

そのためには思い切った非常手段に打って出る時期に来ているように思える。その手段を一言で言うなら、日銀が大量に万札を刷って、 市場に放出することだ。まさに、掟破りの切り札作戦だ。

これによって、東日本大震災の復興に資金を潤沢に投入することできる。さらに、市場に円が増えることで、ドルやユーロに対して円の相対的な価値が下がる。 すなわち、為替を円安に誘導できる。この意味は大きい。

日本は、その産業構造上、海外相手に貿易で稼ぐより生きる道はない。内需に軸足を置いていてはやっていけないお国柄なのだ。円安に振れると、 自動車産業を始めとする多くの企業が活気づく。国内の産業空洞化も防げる。失業率も下がる。そうなると、自ずと税収が増え、国家財源が潤う。 これによって社会保障の充実や赤字国債の返還なども可能になる。

さらに市場におカネが増えることでデフレを抑止する 効果が生まれる。個人的には、デフレよりも多少のインフレの方が経済に力強さが生まれると考えている。

では、具体的にどのようにするかというと、東日本大震災の復興という名目で国債を思い切って50兆円ほど発行する。10〜20兆円では効果はない。この数字(50兆)は、 日銀が金融緩和政策の一環として金融機関から国債などを購入するために用意した基金の金額とほぼ同額だ。だから、非現実的な数字ではない。10〜20兆円ほどならば 増税で対応可能だが、短期間に50兆円ともなるとそうはいかない。

そして、この国債を民間の金融機関ではなく、日銀が全額を買い取るのだ。いわゆる、日銀引受けというやつだ。これで50兆円というおカネが日銀から政府機関を 通じて市場へ放出されることになる。細かしい分配のテクニックは頭の良い官僚に任せればいい。

ここで気になるのは、この50兆円の借金を政府(国民)がいつ日銀へ返済するのか、ということだ。乱暴のようだが、これは返済しなくていい。最終的には、 日銀が債権放棄をすれは済むことだ。これによってダメージを受ける人は一人もいない。

では、この掟破りの方法をいつでも使えるか、と言うとそうではない。通常は増税で対応するものだ。しかし、今は国家存亡の緊急事態であり、 東日本大震災復興と言う大義名分があるからできるのだ。それに、50兆円を担保できるカネ(債権)を政府が保有しているのも大切な理由だ。

それにしても、おカネがないから札を刷ればいいと云う小学生レベルの稚拙な発想が危機的状況にある日本経済を救うことになるのだ。

因みに、この掟破りの方法は、アメリカ政府も過去に何度かやっている。円と違って、世界の基軸通貨であるドルを大量に刷ってしまうのだから、 これはこれで凄いことだ。


■普天間問題の顛末(2011/10/27)

2009年の民主党政権発足に端を発する沖縄の普天間問題は最終的にはどのような結末を迎えるのだろうか?

一昨日、米国防長官バネッタが日本へやって来て、野田総理と会い、沖縄問題について 会談した。その内容は普天間飛行場の名護市辺野古への移設に向け可能な限り早く進めましょう、という判で押したような中身のない内容だ。

しかし、これは全く現実的ではないことは周知の事実だ。地元である沖縄の県民が一致団結して猛反対を唱える中、どうして辺野古への移設が実現する と云うのか。そんなことは有り得ない。

民主党議員の誰ひとりも、この案に異議を唱える者がいないのだろうか。これは国益を左右する重要な問題、 もっと真剣に取り組んだ方がいい。もし、実現しなかった場合、日本が米国に信頼を失うだけでなく、中国や韓国に対しても足元を見られることになるからだ。

かつて、鳩山元総理が何の根拠もなく「国外、少なくとも県外」と公言した無責任発言で国内だけでなく、近隣諸国へも恥をさらけ出した。そして今、 野田政権も米国に対して、できもしないことを約束し、同じ過ちを犯そうとしている。ホントに愚かな政党だ。

とどのつまりは、鳩山の無責任発言と同じく、遅かれ早かれ普天間の辺野古移設は残念せざるを得なくなるだろう。 まさしく野田の無責任発言ということだ。

こうなると、さすがの米国も基地の一部を沖縄から撤退させる決断を下すだろう。原因は、日本政府への不信と沖縄県民の反米感情だ。 元来、米国は反米感情の強い地に基地を構えるのをヨシとしない傾向が強い。 しかし、中国に睨みを効かせるためには代わりとなる米軍基地が必要だ。中国から遠く離れたテニアンやグアムでは意味がない。

そんな状況下、最も現実的な選択はフィリピンへの移設だ。地理的にも近く、航空機だと沖縄まで1時間もかからない。さらに現在、 中国と南沙諸島の主権争いをしているフィリピンは米軍のプレゼンス(存在)を必要としている。すなわち、フィリピンでは米軍基地が容認されやすい環境にある。

かつて1992年にフィリピンは民衆による米軍基地反対運動で米軍をスービック海軍基地から追い出した。しかし、米軍がフィリピンから撤退するや否や、 間髪を入れず、中国が南シナ海に急速に進出し、南沙諸島の主権を主張し始めた。

そして現在、フィリピンは中国の圧倒的な軍事力の前になす術もなく、南沙諸島を奪われてしまったかっこうにある。この状況下、 フィリピンは中国から南沙諸島の主権を 取り戻すために、どうしても米軍のプレゼンスが必要になったのだ。一度は追い出したものの、世界の現実を改めて認識したのだ。

領土問題というものは話合いで解決できないことを歴史が証明している。幾ら綺麗事を言っても、話し合いでは埒が明かないのが領土問題だ。 軍事力がモノをいう世界なのだ。

米国も、国家としての成熟度はイマイチだが、東南アジアで唯一の英語圏であり、キリスト教圏でもあるフィリピンなら異存はないはずだ。近い将来、 米軍は反米の沖縄に見切りを付け、フィリピンに軸足を置くようになるはずだ。自ずと日米同盟もたそがれ行くことになる。


■あれから3ヶ月(2011/06/15)

3・11の悪夢から3カ月が過ぎた。しかし、復興は遅々として進んでいない。なかでも原発事故を抱える福島は全く進んでいない。 さらに悪化の一途をたどっているのが現状だ。

福島第一原発の事故による放射能汚染が深刻な双葉町や浪江町などの非難住民は放射能が消えるまで自宅に戻ることはできない。 戻れるのは50年後なのだろうか、100年後なのだろうか。それとも200年後なのだろうか。かつて世界のどこにも福島ほど最悪のケースがないため、 正確なデータがない。だから、誰にも正確なところは分からない。

しかし、チェルノブイリを見ても、10年や20年で放射能が消えるとは思えない。政府や東電はこの厳しい現実を一刻も早く、避難住民に知らせるべきだ。 これは政府と東電の責任だ。そして、その現実を踏まえて、新天地の確保に全力を挙げるべきた。パニックに陥るからも知れない。暴動が起こるかも知れない。 自殺者が出るかもしれない。しかし、それをしないと彼らはいつまで経っても先へ進むことはできない。

福島第一原発の周囲数十キロに降り注いだ高濃度の放射性物質を取り去ることは現実的に不可能だ。学校の運動場の表土を削り取ったところで、 焼け石に水だ。道路にも、田畑にも、山野にも、家屋にも、ダムにも、浄水場にも、河川にも、海にも運動場と同じ濃度の放射能物質が降り注いでいるのだ。 これほどの広範囲の表面に降り注いだ放射能物質を取り去るなんで不可能だ。運動場ですら、削り取った表土の持って行き場がないのに。

そして、すでに雨によって陸地へ降り注いだ放射性物質は地下水にしみ込んだり、排水溝や河川を経て海に流れ込んでいるはずだ。 そして、オホーツク海から流れてくる親潮と福島沖で合流し、関東、東海、関西、四国、九州へと日本列島に沿って流れていると 推定できる。

東北だけでなく、日本列島近海の汚染は我々が知らされている以上に深刻だ。ロシアや韓国は海の汚染をかなりシリアスに捉えている。 鈍感なのは我々日本人だけだ。当分の間、内部被ばくの危険性がある海水浴は控えた方がいい。政府が海水汚染の安全値基準を示したところで、 それが安全値とは限らない。後悔しないためにも、自分の身は自分で護らねば、政府も学者も信用できない。

日本では30km圏外は安全としているが、世界の常識はそうではない。アメリカは原発から80km、フランスやドイツに至っては500km離れていても事故が 起こった場合は安全ではないと云うのが一般的だ。だから、原発事故の直後にフランス政府がチャーター便を仕立て自国民を連れ帰ってしまった。 その結果、関東一円からフランス人が消えてしまうという前代未聞の出来事が起こったのだ。

IAEA(国際原子力機関)を始めとする世界の常識と、30km以上離れていれば安全と云う日本の学者の言い分とは大きく違う。震災後、 日本の原子力学者たちがTVで解説していたことは「それでも原発は安全だ。安心だ。」と繰り返すばかり。

震災直後に炉心が溶け、 メルトダウンが起こっていた事実をどの学者も口にしなかった。無能だからか、それとも、東京電力に気を使ったのか。原子力学者は原発がなければ、 喰って行けない。皆、電力会社のポチなのだ。

また、ここへ来て、遠く離れた静岡の新茶からも高濃度の放射能が検出された。これは福島から飛んできたものだ。ということは、 政府や学者が言うよりも遥か広範囲に放射能物質が飛散していたことになる。30km圏外安全説などは全くのウソだった。関東、東海、北陸、東北一円は かなり汚染されていると考えた方が妥当だ。

その証拠に北海道から大阪までの16都道府県の汚泥から高濃度の放射性物質が検出されている。 今後も全国各地のいろんなものから検出されるだろう。近い将来、ガン患者が急増するだろう。日本の学者のいうことは全く信用できない。

史上最大最悪の人災である福島第一原発事故の責任は誰にあるのか。もちろん、直接の責任は安全を軽視した東京電力にあるのだが、 究極の責任はカスのような政治家に票を投じてきた我々国民にある。政府の無能を嘆く前に我々国民が猛省すべきだ。過去の長きに亘って働かない政治家に 票を投じ続けてきたツケが回って来たのだ。

3・11を教訓に今後は無能な政治家に票を投じないことだ。こんな日本にしてしまった政治家たちに次の選挙で退場してもらうことが ニッポン復活への第一歩だ。復活には、民主主義国家日本ではクーデターは許されない。時間はかかるが、選挙と云う方法しか術はない。


■3・11と宗教法人税の新設(2011/05/02)

一年前、「タブーの国家財源」と銘打って書いた内容と一部重複するが、 東日本大震災の復興財源の一つとして、現在、宗教法人に対して実施されている税の優遇措置を早急に撤廃すべきだ。

国内に数多ある宗教法人にも一般の法人(企業)と同様に法人税を課すべきだ。これをすることで、金欠の日本に巨大な財源が新しく 出現することになる。しかも景気に悪影響を与えることは決してないのだ。

これまで宗教法人に手を付けることは長年タブーとされてきた。なぜなら、 それは政治家にとって巨大な票田だからだ。

今の日本、ほとんどの業界は景気が悪い。1990年初めのバブル崩壊(不良債権)からやっとのことで立ち直ったかと思った矢先、サブプライムで叩かれ、 続いて、リーマンショックで叩かれ、そして、3月11日の東日本大震災と福島原発事故で、日本経済は直接的間接的に大きなダメージを負った。しかし、 そんな日本でも元気な業界はある。宗教法人という魔物だ。

高齢化社会の日本では必然的に葬式が多い。日本の葬式費用は世界一高額だ。そして、お寺への支払いは現金で、領収書はないときている。 まさしく坊主丸儲け状態になっている。

さらに、新興宗教に至っては、各都道府県の県庁所在地に立派なビルを持ち、各地方都市には、そこの市庁舎よりも立派な建物を保有している。 さらに、100%出資の子会社を作り、潤沢な資金を投入し、広大な野山を購入している。いわゆる、不動産投資と云う資産運用だ。

中には、そこに胡散臭い施設を作って、何かゴソゴソやっている。宗教の分野はアンタッチャブルの世界で、何か大事が起こらない限り、 誰も触れることができない閉ざされた世界だ。だから、かつてのオウム真理教のようなテロ集団が生まれたのだ。

時に税務調査と云うメスが入れば、オウム真理教はテロ集団になりえなかっただろう。宗教法人も一般法人と同じくカネの流れ(決算書)を オープンにし、法人として健全化を図るべきだ。

宗教法人に対する優遇税は、個人や企業が宗教団体へ対して行う寄付(お布施)に対して贈与税が免除されている。すなわち、 宗教法人は巨額の寄付に対して高額な贈与税を納める必要がないのである。さらに、礼拝施設だと称すれば、不動産取得税、登録免許税、固定資産税などが 非課税扱いになる。これらの優遇措置を巧みに利用して富を蓄えているのだ。

宗教法人も税金で賄われている公共の富(消防、警察、病院、道路、港等などの公共のサービスや施設)を利用しているのだから、 税は平等に支払うべきである。

残念なことに、これらを口にすべき立場にあるTVや新聞やラジオにとっては宗教団体が大口スポンサーとなっている。すなわち、 宗教団体から大きなカネが入っているのである。だから社内では宗教法人の優遇税を取り上げることはタブーとなっている。 本当に日本のマスメディアは腰ぬけになってしまった。

未曾有の大震災の今こそ、それを口にできるチャンスだし、それが東日本復興には必要不可欠なのだ。 今こそ、国民の一人ひとりが口火を切ることが必要だ。


■今、そこにある危機「財政破綻」と自己防衛(2011/03/08)

2011年3月現在、日本には約870兆円の赤字国債と言う借金がある。この借金額はGDP比率の約200%になるというからすごい。

例えば、財政破綻したギリシャでさえGDP比率120%程度だし、借金大国アメリカでさえGDP比率は70%程度だ。さらに、返済のメドが全くない というものすごい。というか、無責任というか・・・このままでは財政破綻以外の道はない。赤字国債は麻薬と同じだ。このままのペースで毎年赤字国債の 発行を安易に続けていくと国家財政は10年以内には破綻するだろう。

日本の場合、他国と違って国債の購入先が、外債ではなく、ほとんどを国内の金融機関(銀行、郵便局、年金基金など)だ。だから、 国債の暴落は起きず、財政破綻はないと無責任な発言が多い。しかし、それは大きな間違いだ。何かの要因で国債が暴落すれば、日本も財政破綻と云う ギリシャと同じ道を辿ることになる。

では、日本で財政破綻が起こると、我々国民にどんな影響があるのだろうか。国債を購入している原資は、国民のおカネだ。銀行などが 国民から預かったおカネで国債を購入しているのだ。だから、財政破綻に陥ると、銀行などは回収不能な不良債権(国債)を大量に抱えることになり、 その多くが破たんする。そうなると、国民は預けているおカネを引き出すことができず、パーになってしまうということだ。国家財政と金融機関が破綻しているのだから、 ペイオフによる補てんは全く期待でいない。

何かの原因で景気が良くなれば、税収が増え、返済ができるようになると安易に思いがちだが、事はそれほど簡単ではない。景気が良くなれば、 必然的に金利が上昇する。そうなると、国債の金利も上がり、利払いだけでも兆の単位で増える。景気と金利のタイムラグを考えれば、税収よりも利払いの 負担の方が遥かに大きく、国家財政は疲弊し、破たんが早まるという結果になる。因みに、日本の国債の金利は景気が悪いので1%程度と世界一低い。 これでは無きに等しい。

赤字国債を解消し、財政破綻を避けるためには、大幅な消費税のアップが必須だ。具体的は25%以上に引き上げないと焼け石に水だ。それに加えて、 四の五の言わず、早急に他の先進国並みに移民の受入れを実施することだ。移民による人口増でGDPを引き上げ、経済活動を活発にすることだ。 そうすれば、自ずと消費も増える。問題は国民がこれを容認する智恵と勇気があるかとうことだ。

すでに日本政府は死に体だ。自民党に政権が代わっても同じだ。そうなると、国民は自己防衛をやっておく必要がある。お上が護ってくれる時代は すでに終わった。

銀行におカネをたくさん預けている企業や個人は、引き出して、金の現物(金塊)かダイヤモンドの現物を購入しておくことを勧める。 当然、株や債券も暴落する。資金の額にもよるが、何千万、何億と持っている人は、金塊よりもダイヤモンドがベターだ。

参考までに、国際テロ組織アルカイダは大量の軍資金をダイヤモンドに変えて保管している。なぜなら、金よりも高価で、嵩が張らず、 金属探知機にも反応せず、持ち運びに便利だからだ。多量の現金や金塊は航空機などで国境を越えて持ち運ぶことが困難だからだ。 いつの世も悪い奴は頭がいい。


■アラブ民主化と平和ボケ日本(2011/03/05)

チュニジア発インターネット革命以降、アラブ世界は非常にキナ臭い。そして、 アラブ国家(とは、アラビア語を話す国を指す)ではないイランでさえも民主化デモが頻繁に勃発している。 さらに、中国や北朝鮮などアラブ以外の遠く離れた独裁国家へも波及している。

早急に日本政府やグローバル企業はインターネット革命の影響をシミレーションし、 国益や企業益を確保できるように対策を練っておいた方がいい。

今、リビアでは軍がカダフィの命令に反し、自国民に銃口を向けないからと言って、傭兵部隊を使って自国民を殺戮している狂犬カダフィ。自国民を空爆するなんて、 狂気の沙汰だ。カダフィの独裁政権はまもなく終焉を迎えることは確実だ。

そして、欧米はカダフィの空爆からリビア人民を護るためにリビア上空を飛行禁止区域にしようとしている。これ、すなわち、 リビアを空爆するといことだ。一方的だが戦争になるということだ。そうなると、アラブ圏への米軍投入で極東アジアにおける米軍の プレゼンス(軍事的影響力の存在)が削がれることになる。

機を見るに敏な中国、ロシア、北朝鮮は間髪を容れずに動く。ロシアは北方領土の軍事基地化を進めるだろう。中国は軍事的圧力をもって尖閣諸島を 取りにくるだろう。米軍の後ろ盾のない日本に怖いものは何もない。核を持たない日本など、赤子の手をひねるに等しいと考えている。

軍事力を振りかざして攻めて来る国へ対し、憲法9条を掲げても何の効果も期待できない。近年の中国とロシアの台頭、それに米国の衰退と言う現実を理解すべきだ。 日本は一刻も早く法整備をし、他国からの侵略に対抗できるようにする方がいい。いつまでも国防の全てを米国に頼るのには無理がある。無責任すぎる。

どこの国も、核兵器はその使用よりも、戦争の抑止力としての効果を真の目的としている。その証拠に長崎投下を最後に過去60年間使用されていない。

現在の日本で核兵器の開発は現実的ではない。しかし、イスラエルのように米国からの核兵器購入という選択技もある。


■「ウィキリークス」スーパーインパクト(2011/02/05)

昨年11月末から米国の国家機密情報をネット上で次々に公開し始めたウィキリークス は世界中に強烈なインパクトを与えている。 それに対し、米国はなりふり構わずその抹殺に動いているのが実情だ。

しかし、その内容に関しては、国際政治やインテリジェンスの世界ではずっと昔から よくありがちなことで、謀略とエゴが渦巻く国際政治の舞台裏だ。これらは想定内のものばかりで、大して驚かされる情報はない。

例えば、サウジアラビア国王がアメリカに対しイランの核施設への攻撃を求めた公文書、メドベージェフ大統領をロビンと揶揄した外交公文書、 米国が武器三原則の見直しを日本へ迫った外交文書、イラクで撮影機材を武器と間違えて民間人へ発砲した動画等々、各国首脳の評価(悪口)やゴシップ、 それに外交の舞台裏を伝える内容の公開だ。

ウィキリークスが世界中へ驚愕と共にスーパーインパクトを与えたのは、その情報の内容ではなく、 国家の機密情報を誰もが閲覧できるネット上に公開したということだ。

現在のところウィキリークスは「反米国」のスタンスを明確にとっている。だから、そこにつながる情報を優先して公開している。今後も、 大量の機密文書を含む、25万点の米国外交公電を公表し続けていくと云う。自国の利益のためなら何でもあり の超大国米国を敵に回しての行動は勇気がいることだ。

これほどインパクトが大きい事件でなければ、創設者であるジュリアン・アサンジはとっくに米国に抹殺されているはずだ。過去、 米国は国益に反する人物を合法非合法で何人も抹殺してきた。よく知られている所では、キューバのチェ・ゲバラ、パナマのノリエガ将軍、 日本の田中角栄など、最近ではイラクのフセインもそうだ。

しかし、アサンジを抹殺できないのは、あまりにも世界中が彼の動向に注目しているからだ。この状態では流石の米国も手が出せない。すなわち、 我々の関心が彼を生かしているのだ。

今も、米国はアサンジや、その決済機能であるクレジットカード会社や、資金提供者や情報提供者などへ形振り構わずヒステリックに圧力をかけ続けている。 しかし、ウィキリークスによる実害のないロシアや中国は反米のスタンスをとるウィキリークスを擁護する立場を取っているのがおもしろい。

我々人類にとって、ウィキリークスの存在意義は計り知れないほど大きい。ウィキリークスによる国家機密の情報公開は、 将来的には各国の政府機能を健全化し、民主主義をより完成度の高いものにすることは疑いようがない。

舞台裏で暴力とエゴが渦巻く国際政治はもう要らない。愚かな戦争の原因になるだけだ。もっと早くにこのサイトが立ち上がっていれば、 イスラエルと米国の暴力とエゴが原因で起こったイラク戦争はなかったはずだ。先月起こったチュニジア革命もウィキリークスが公開した情報が民衆を後押し、 アラブ国家初の民主化運動につながったのだ。

ウィキリークスの是非に係わらず、日本の政治家は、特に、世間知らずにお馬鹿3人衆である鳩山由紀夫、菅直人、福島瑞穂はウィキリークスの公開情報から “生きた外交”を学んでほしいものだ。今、最高の教材がそこにある。


■世界を変える小国チュニジア発インターネット革命(2011/01/29)

1月16日、北アフリカにある地中海に面した小国チュニジアで、23年間の長きに及んだベンリア独裁政権が崩壊した。原因は独裁政権に抑圧された 民衆による民主化運動だ。

ここで注目すべきは、民衆の武器は誰もが手軽に利用できるツイッターやフェイスブックと云ったインターネットだったという点だ。 加えて、ウィキリークスの公表したベンリア大統領一族の腐敗ぶりを示す米大使館の公文書も火に油を注いだ形となった。

元来、アラブ諸国の多くは独裁国家だ。アルジェリア、モーリタニア、エジプト、ヨルダン、イエメンなどは長期にわたる独裁国家だ。 サウジアラビアも王国と云う体の良い独裁国家だ。これらの国々では一部の権力者が富を独占し、民衆は貧しく仕事がないのが一般的だ。 過去、これらの国々では、テロ対策や中東和平政策で欧米と協調し、その代わりとして、欧米から強権支配の黙認を得てきたという経緯がある。

このような素地があるがゆえ、チュニジア発のインターネット革命を受けて、周囲のアラブ諸国でも同様の民主化運動(デモ)が急速に伝染し始めた。 この状況は1989年のベルリンの壁崩壊時とよく似ている。

そして、今まさに、アラブの盟主であり、親米国家エジプトのムバラク独裁政権が炎上している。独裁政権と云うものは、いったん炎上してしまえば、 崩壊する以外に道がないことは歴史が証明している。軍は最終的には民衆側に付くものだ。だから、近日中にムバラク政権は崩壊するだろう。

チュニジア発の民主化運動でアラブの独裁政権がドミノ倒しのように崩壊していくと、その影響はアラブ世界だけでは止まらない。なぜなら、 アラブ諸国の独裁政権は欧米と利害が一致しており、その関係は深いものがある。特に、エジプトのムバラク大統領はアラブとイスラエルの和平実現で米国に協力的であり、 また、テロ対策でも米国と協調関係をとっている間柄だ。

だから、ムバラク政権が崩壊すると、アラブ対イスラエルで戦争が勃発するだろうし、アラブ諸国で国際テロ組織アルカイダの影響力が増すだろうし、 その結果、世界は一気に不安定化する。

当然、石油は高騰する。さらに、株式、金、為替、国債などの相場も大きく動く。そして、世界のパワーバランスは大きく変わることになるだろう。 当然、日本への影響も大きい。日本政府、石油会社、投資家などは要注意だ。

そして、当然の成り行きとして、世界最大の独裁国家中国への波及だ。機を見るに敏な中国政府は間髪を容れず民主化運動抑制対策に動いた。24日には温家宝首相が北京市内で 陳情者と面談して苦情や不満に耳を傾けるというパフォーマンスを演じた。

中国で首相クラスが直接、陳情者と面会することなど、かつては想像だにできなかったことだ。 これは中国がいかに民主化運動を恐れているかを示している。すなわち、共産党独裁政権が脆弱な状態にあるということだ。

一部の権力者が富を独占する独裁国家と云うものは、いずれ必ず崩壊する宿命にあるということを歴史が証明している。大国中国と云えども、例外でない。 今後の動向に注目だ。


■ニッポン凋落の元凶(2011/01/16)

鳩山前総理の沖縄に対する発言が無責任だったと露呈して、国民や米国政府に民主党の政権担当能力の無さを見抜かれてしまった。 それを機に民主党政権の信頼はあっという間に失墜し、ニッポンは凋落してしまった。

そして、米国からも、中国からも、韓国からも、ロシアからも、 いや世界中からも国家としての信頼を失い、軽視されるようになった。その証拠に中国による尖閣漁船衝突事件、ロシア大統領メドベージェフの北方領土訪問、 米国の韓国重視政策等々、取り巻く環境に急激な動きがあった。

そんななか、一昨日(14日)、菅第2次改造内閣が発足した。しかし、鳩山政権から菅政権へと続く民主党政権の最大の欠点は、前総理鳩山、現総理菅をはじめ、 各大臣や各政治家の頭の中が空っぽであるという点だ。はっきり言って勉強不足だ。空っぽばかりが集まって何ができるというのか。 外部から智恵(与謝野)を注入したが、時すでに遅しだ。

長らくの野党時代の癖で政府の批判を繰り返すだけで、 国会議員として経済や外交など最低限の勉強すらしてこなかったようだ。弁は立つが、行動と中身が伴わないのだ。例えば、事業仕訳にしても、実行が伴っていない。 単にパフォーマンスで終っている。

また、消費税に関しても早急に15%以上の大幅税率アップなくして、この国を前進させることは、もはや不可能だ。野党が反対するのは分かるが、 責任ある与党の民主党の政治家が税率アップに反対するのは頭か空っぽの証拠だ。

さらに、9・11以降の緊迫状況が続く国際情勢の把握、喧嘩力を必要とするタフな外交交渉、国内経済を活性化させるための財政金融政策の実施等々、 すべてにおいて失格。無策無能だ。お話にならない。これらの知識は一朝一夕で身につくものではない。

菅に至っては、総理に就任してから金融や財政の本を買うという始末、これには開いた口がふさがらない。頭か空っぽなら「総理になるな!」と言いたい。

これほどまで愚かな民主党政権を選択した責任は我々国民にある。しかし、ここに至った最大の元凶は自民党の長年にわたるお粗末な政治姿勢にある。

すなわち、 目先の政権運営を優先するあまり、国家の将来を顧みず、赤字国債という麻薬に手を染め続け、さらに、己と官僚の利益のために国民年金基金を使い込み、 無数の特殊法人にカネをつぎ込む等々、数え上げたら切りがないほどのデタラメをやってきた自民党政権に責任がある。

ナショナルフラッグキャリア(国を代表する航空会社) であったJALが崩壊したのも自民党政権のいい加減な航空行政によるものだ。

そんな自民党政権に国民が愛想をつかし、その受け皿として民主党を選んでしまったのだ。自民党さえ、しっかりしていれば、 民主党などを選ぶ必要はなかったのだ。親分である鳩山も菅も頭は空っぽだ。小沢に至っては、カネと権力にしがみつくだけの政治屋であって、 政治家では決してない。

総括として、ここまでニッポンをダメにした元凶の最たる政治家を一人選ぶとするならば、断トツで鳩山由紀夫だ。あまりにもアホ過ぎた。

そして、真の元凶は彼を選んだ選挙区、すなわち、北海道室蘭市の有権者だ。要は、ニッポン凋落の真の元凶は無責任な有権者だということだ。 次の選挙では有権者である国民がしっかりしないとニッポンの将来はない。


■国際テロに関する機密情報漏えい事件(10/11/23)

11月5日に尖閣諸島中国漁船衝突映像が動画サイト「YouTube」へ流出した。政府や国会やマスコミもこの情報流出をめぐって騒いでいたが、 こんなものは国を挙げて 騒ぐほどのことではない。国益を左右するインテリジェンス(スパイ・軍事・テロに関する情報)とは言えないからだ。

それより10月29日に警視庁公安部の外事3課の国際テロ捜査に関する内部資料がファイル共有ソフト「ウィニ―」を通して流出した事の方が、 日本の国益にとってはるかにダメージが大きい。且つ、深刻だ。

流出情報の全てが国際テロ捜査に関する内容で、協力者のイスラム教徒の個人情報のほか、 外事3課職員の個人情報や中東イスラム国の在日大使館員個人情報などで、案件にして114件も含まれていると言う。これで日本は国際的信用を完全に 失墜しまった格好だ。

この結果、外事3課へ情報提供したイスラム教徒の生命が危険にさらされることになる。日本政府は全力で彼らを護る義務がある。しかし、1991年の 「悪魔の詩」暗殺事件(筑波大学助教授暗殺事件)が示すように、過去の事例から 諜報機関を持たない日本政府が彼らを護りきれる能力があるとは思えない。協力者の何人かは確実に殺されるだろう。

日本国内に巣食っているイスラム・ネットワークを侮ってはいけない。これは表からは決して見えない地下組織だ。日本に住む全てのイスラム教徒は このネットワークに属しており、さらに世界各国にあるイスラム・ネットワークとリンクしている。それゆえ情報伝達&収集能力は非常に高い。 不正な海外送金を手掛ける地下銀行もこれらのネットワーク上で運営されている。

実際、我々KFCも日本国内のイスラム・ネットワークとやり合った過去があるので、彼らのことは多少なりとも理解している。 (この詳細は「実録 Hunt for Abu」を参照)

さらに、もっと深刻なのは西側の友好国、すなわち、米国CIA、英国MI6、イスラエルのモサドなどからインテリジェンスが今後一切入って 来なくなることだ。入って来てもそれは加工されたものだ。日本は独自の諜報機関を持たないため、テロ情報はすべて外国に頼っているのが現状だ。 今、日本国民は裸同然の非常に危険な状態に 陥っていることを自覚せねばならない。

この犯人は間違いなく、外事3課内部の人間だ。愉快犯か、それとも国際テロ組織の人間(スパイ)かだろう。愉快犯でなければ、 その目的は協力者への警告と、日本政府と米国政府に対する 国際テロ組織の力の誇示だ。今は犯人の逮捕に全力を注ぐことが最優先事項だ。流出させた情報以外に、日本や米国の国益を左右するもっと大切な 情報を持ち出しているに違いないからだ。

そして、今月17日からUSテリトリー(アメリカ領土)に向かう全ての航空機に対し、急きょ、対テロ警戒レベルが最高レベルに引き上げられた。その結果、 USテリトリーへの小荷物航空便(封書はOK)は全て送ることができなくなった。こんな異常な状況は過去に記憶のないことだ。これは米国が自国に差し迫った テロの脅威を確実に掴んでいる証拠だ。米国の対テロ警戒が日本の機密情報漏えい事件と無関係であることを願う。 今、我々の認識以上に世界はきな臭い状況下にあるということだ。

この機密漏えい事件を耳にした時、小説「外事警察」(麻生幾著)のストーリーが頭に浮かんだ人は多いだろう。 「事実は小説よりも奇なり」というが、まさしく小説「外事警察」の世界とダブる。


■中国、3つの不安定要因(10/11/02)

一昨日(10月31日)、上海万博が閉幕した。中国は2008年の北京オリンピックと2010年の上海万博という2つの国際的スーパーイベントを起爆剤として急激な経済成長 を遂げてきた。しかし、上海万博が終わり、ここで一息つくことになる。当面、中国経済をけん引する起爆剤が見当たらない。

その結果として、中国政府が 最も恐れているのは、経済成長が失速し、海外からの投資マネーが中国から引揚げ、目いっぱいに膨らんだ不動産バブルが弾けることだ。近い将来、 間違いなくバブルは弾ける。中国経済は成長が鈍ると立ち行かない構造になっている。これが1つ目の不安定要因だ。今、中国に投資している投資家は 相当にリスキーだ。

次に、中国共産党一党独裁政権が恐れるのは13億の民だ。近年の急激な経済成長で天文学的な貧富の差が生じている。これを因とする暴動が全国で多発し、 その矛先が独裁政権に対して向けられることだ。中国は世界でも類を見ない暴動天国だ。その数なんと年間12万件以上言われている。信じられない数字だが、 知人の中国政府関係者も同意するから間違いない。

中国では、デモと呼ばれるのは反日デモだけで、その他のデモはすべて暴動と分類される。だから、暴動の扇動者は逮捕され、死刑が一般的だ。 中国ではデモは許可制で、反日デモだけが許可され、他のデモは全て却下される。

過去、政府は新聞やTVやインターネットなどのメディアを政権に都合が良いように情報操作してきた。しかし、近年のインターネットの急速な 普及スピードに政府の監視機能がついて行けなくなっているのが現状だ。すでにインターネットに関しては完全な情報統制が効いていない。この結果、 インタ―ネットを駆使した暴動(デモ)勃発を恐れている。その中でも、反日デモが反政府デモへと変わるのを最も警戒している。 これが2つ目の不安定要因だ。

さらに、現在、共産党内部も一枚岩でなない。反日強硬派の江沢民前国家主席と周近平次期国家主席らの保守派、それに対し、改革派の胡錦濤現国家主席と 温家宝首相という構図がある。そして、その2者が厳しく対峙しているのが中国共産党の現状であり、これが3つ目の不安定要因だ。現在の力関係では保守派の方が 勝っている。だから、改革派の胡錦濤現政権は保守派の顔尾色をうかがいながら外交を行っている。それが日本や世界各国に異質な国と映っているのだ。

先の尖閣諸島問題で日本に強硬に出ているのも国内に不安定要素を抱えているからだ。しかし、そんなものは中国自身の問題で、菅政権はいつまでも ビビっていてはだめだ。

上海万博が閉幕し、民衆をまとめる国威発揚のイベントがないこの時が中国政府にケンカ(情報戦)を仕掛ける絶好のタイミングだ。

相手は的を絞りやすい。中国政府、すなわち、共産党一党独裁政権をピンポイント攻めればよい。そのためには民衆の暴動(デモ)を誘発するのが効果的。 中国世論は操作が極めて簡単だ。インターネットを利用すればよい。かつて、小泉政権がやったように靖国参拝も有効な手段だ。

また、中国共産党政権(江沢民前政権時代)に迫害を受け、海外に逃れている宗教集団「法輪功」を利用するのもよい方法だ。 彼らは打倒中国共産党政権を掲げて世界中で活動している中国人の組織だ。もちろん、これらの情報操作は日本政府が直接やる必要はない。 米国や英国のように政府の関与か分からないように民間企業にやらせれば良い。

力(軍事力)のない日本、いつまでも「遺憾に思う」とか「抗議する」とかだけの軟弱外交を続けていては世界になめられ、国益を守れない。 昨日、ロシアのメドベージェフ大統領が国後島を訪問したのも、菅政権がなめられた証拠だ。


■TPP参加の是非と戦略物資食料(10/10/31)

日本はTPPへの参加を直ちに表明すべきである。国益を考えれば、四の五の言う問題ではない。貿易立国日本が再び一流国家に戻れる大きなチャンスだ。 さらに、円高の緩和にもなり得る。

TPPとは[Trans Pacific Partnership]の略で環太平洋の国々の間で関税ゼロの完全自由貿易をしようという構想で、最終的には農業分野も含め、関税ゼロ を目指している。発案は米国だ。この構想の重要な点は、今から練るのではなく、すでに9カ国間(チリ・ニュージーランド・ブルネイ・シンガポール・ベトナム・マレーシア・ アメリカ・オーストラリア・ペルー)で参加を前提に議論(調整)が始まっていると云うことにある。

すなわち、のんびりと国内調整などに時間を費やしている暇はないのである。 そうでなくても、今の日本は政治の貧弱さから国際市場ではライバル国の後塵を拝しているのが現状だ。

参加するためには問題もある。郵政の金融自由化等もあるが、何と言っても最大のネックは農業分野である。現在、輸入米に700%以上もの関税をかけて 農家を保護しているのが日本の現状だ。こんな日本にあってTPPに参加すれば、日本の農業は壊滅的な打撃を受けると農林水産省や農家は反対している。

確かに、食料、すなわち、農業を守ることは非常に重要だ。なぜなら、食料は石油と同じく国家の命運を左右する戦略物資であるからだ。有事の際を想定して、 ある程度の食料は自国で賄えるように手当てしておかなければならない。それにはいくらコストがかかろうともやらなければならない。これは時の政府の責任だ。

今、尖閣問題で中国にレアメタル輸出を止められているように、中国に食料輸出を止められたら、今の日本はお手上げだ。

TPP参加に際して、菅政権は農業の活性化を図るなどと抽象的なことをだらだら述べている。しかし、それでは農家は納得しない。現行の農産物の 価格補償ではなく、欧米と同じように農家の所得そのものをズバリ現金で補てんすると政策以外に方法はない。

貿易自由化の進んだ欧米では農家保護のため 所得の70〜80%を補てんしている。そして、残りの30〜20%を農民の努力いかん、すなわち、市場原理に委ねているのである。

TPPへ参加し、海外へどんどんモノを売り、その税収益から農業を守ればよい。農業を守るためにTPPへの参加を躊躇するなど愚の骨頂である。 TPPに参加しなければ、どうなるか。例えば、日本とアメリカがベトナムへ冷蔵庫を輸出した場合、日本製品にだけに関税がかけられるということになり、 国際競争力がなくなってしまう。

その点、韓国は日本の一歩先を行っている。世界の3大市場の2つであるアメリカとEUとの間ですでにFTA(自由貿易協定)を締結することを決めている。 だから、韓国からこれらの地域への自動車や家電製品の輸出に対して、関税がゼロなのである。日本と同じく工業製品を主な輸出品とする韓国にとっては メリットは計り知れないほど大きい。

自国の将来を見据えた戦略を持っている李明博は韓国史上最高の大統領だ。韓国に、かつて彼ほど優秀なリーダーが出現したことは なかった。日本の政治家も見習って欲しいものだ。


■お手上げ状態のドル安、円高(10/10/23)

現在、日本経済は1ドル80円に迫る超円高に見舞われている。円高自体は悪いことではない。外国の物が安く買えるし、日本の評価が高いということだから。

しかし、日本の産業構造は内需でいくら頑張っても立ち行かない構造になっている。やはり、外国に物を売り、その利益から税金を徴収しなければ成り立たない。 それには予想を上回る円高は好ましくないということだ。

お隣の中国や韓国は自国通貨を安値安定に保つよう政府が為替介入を実施し、輸出を後押ししている。それも外国に悟られないように巧妙に日々実施している。 その政府の後押しを得て、これらの国の企業は世界市場で大躍進しているのが現状だ。

しかし、政府による為替介入はリスクが高い。介入で購入した通貨が高騰すればよいが、暴落すれば、大損になり、国家財源に大きなダメージを負うことに なるからだ。今年初め、スイスがユーロ買いで失敗し、国家予算の25%が吹っ飛んだ例もある。

現在のドル安円高に対して政府は打つ手が全くない状態だ。日本だけが介入してもドル相場は大きく動かない。お手上げ状態だ。

しかし、姑息な手かも知れないが、国際マーケットで日本のライバルとなっている国の通貨に対してピンポイントで為替介入を仕掛けるのはどうだろうか。 すなわち、その国の通貨の価値を押し上げるのだ。

例えば、韓国のウォンだ。パイが小さいので効果は高い。世界マーケットで韓国企業にシェアを奪われている日本企業は多い。韓国は怒るだろうから 分からないようにやる。 中国や韓国が今やっているように。分からなように為替介入する方法はいくらでもある。この際、ドイツのユーロもやりたいが、パイが大き過ぎて難しい。

現行のドル安円高阻止に効果的な策がないのが現状だ。ならば、ドル安円高を利用して大規模な国家ファンドを立ち上げ、将来のために海外へ投資をするチャンスでもある。 原資は年金基金を使えばいい。

今週初め、経済産業省が野村ホールディングスなどの民間と組んで約1000億円規模の「水ファンド」を立ち上げる構想を明らかにした。 インド、中国、中東などマーケットはいくらでもある。円高の強みを生かして、欧州の水メジャーに対してどんどん攻めればいい。技術的に勝算はある。

さらに、中国との懸案事項となっているレアアースも国家ファンドの下で開発する価値がある代物だ。レアアースは中国だけに存在するものではない。 世界中どこにでもある。

アメリカには中国に匹敵する量のレアアースが眠っており、かつてはレアアースの最大供給国だった。しかし、コスト面で中国に対抗 できなくなり採掘されていないだけだ。 今後、中国に頼るのはリスクが大きすぎる。現在の円高を利用してアメリカのレアアース採掘に投資するチャンスだ。

今まさに、海外市場を見据えたニッポンファンドを立ち上げるまたとないチャンスが到来している。問題は、菅政権が経済、金融、国際情勢について余りにも 知識が乏しいことだ。政治が貧弱だと国が滅ぶ。一刻も早く退場した方がいい。


■たそがれゆくニッポン(10/10/13)

外交交渉には、どんな綺麗事を言っても力の後ろ盾が必要だ。先月勃発した尖閣諸島をめぐる漁船衝突事件で中国は恫喝と云う力の外交を展開した。 これは中国に力の、すなわち、軍事力の後ろ盾があるからこそできる外交だ。これに菅政権はビビってしまった。 最終的には国際世論に助けられたかっこうで一件落着した。

もし、日本が核保有国であれば、中国が尖閣諸島を取りにくることもないし、恫喝外交を展開してくることもない。それに日本が核を保有した からといって、日米同盟の解消につながることは決してない。

なぜなら、米国は中国とロシアの脅威を見据えて、地理的に日本を同盟国にしておく 必要があるからだ。中東におけるイスラエル、アジアにおける日本は米国の世界戦略上必要不可欠となっている。

近年、中国が軍備を増強し、以前からの念願であった自前の空母を造ろうとしている。これは資源の宝庫である東シナ海の制海権を 狙ってのこと。海上での軍事基地となる空母がなければ、制海権を取ることは不可能だ。これまでの中国には空母に必要とされる 広大な一枚物の甲板用鉄板を造る技術がなかったのだ。

中国は、近い将来、武力で尖閣を取りに来るだろう。当然、日本の漁船が尖閣周辺海域で中国に拿捕されることが起こるだろう。この度の一件で、 中国は尖閣の周辺海域へ軍艦を数隻送り込めば、米軍は動かず、日本はパニックに陥り、尖閣の実効支配は容易にできると確信しただろう。

因みに、中国軍部は 自衛隊を優れた武器は持っているが、それを使うことは決してできない張り子の虎だと断じている。残念だが、その通りだ。

近隣に恫喝外交を展開する核保有国家の脅威が新たに出現した以上、日本も核保有を考えた方がいい。核保有の議論を盲目的にタブー視するべきではない。

日本が核武装することによって解決する問題は多い。懸案の事項である沖縄に、これほど多くの米軍基地を置く必要はなくなる。また、北朝鮮になめられる こともなくなる。その結果、拉致問題の解決にもつながる。

それに、核を持ったからと云って、使用するわけではない。広島と長崎とで、 それを使えばどうなるかを世界に向けてが証明できたからだ。だからこそ抑止力の効果は高い。

最終兵器というものは実際には行使できないものなのだ。現に、国連5カ国は60年も前から核保有しているが、一度たりとも使ってはいない。 さらに、常に紛争の絶えないイスラエルやインド、それにパキスタンも核保有国だが核を使ってはいない。最終兵器とはそういうものなのだ。 毒も使いようで薬になる。

中国の脅威が明確なった今、憲法を修正し、核保有の議論を始めるべきだ。議論だけでも抑止力となる。さらに言えば、 世界戦略を練るシンクタンクと諜報機関も必要だ。 銃とナイフで襲ってくる強盗に対し、素手では身を護れない。これが世界の現実だ。平和ボケは国を滅ぼす。


■天に向かって唾を吐く(10/08/08)

今の民主党は政権末期のかつての自民党のようだ。派閥を作り、党内で権力争いに明け暮れている。これでは仕事(政治)に 集中できるとは思えない。年金問題は未だに解決できていない。税金をネコばばする官僚の掃除もできていない。国債発行額にしても、 このままでは国家破たんは確実にやって来る。

この規模で国債の発行を続けていくと、10年以内に確実に破たんし、国際通貨基金(IMF)の管理下に入ることになる。そうなれば、 中小企業の倒産、所得激減、税金アップ、自殺者急増、犯罪増加、デモ・暴動の多発、年金の減額など、国民は悲惨な状況に陥ることになる。

IMFは日本の財政はすでに危険水域に達しているとして、今年5月に日本政府へ財政健全化を求めている。この通達を機に、日本の 経済大国は過去のものとなったのだ。政府にも国民にもその自覚がないのは非常に危険な兆候だ。

この状況下、政治のやるべきことは多い。政治家が権力争いをやっている時ではない。消費税は即刻上げる必要がある。悠長に議論などと 言っている場合ではない。待ったなしの状況だ。

野党時代の、腐り切った自民党政治を改革しようとした民主党はすでに存在しない。今の民主党には政権を担う資格はない。早く退場した 方が国益に適う。

民主党の権力争いの原因は小沢だ。自民党の旧態依然としたやり方を未だに踏襲している小沢だ。常日頃から政治は権力争いだと言い 切り、政策など二の次という腐り切った時代遅れの政治家だ。

だいたい、まっとうな人間なら自宅に4億円もの現金を何年間も隠し持つことなどしない。ゼネコンから上納金を取って、 仕事を回すやり方は自民党政治家が長年やってきたお決まりの集金パターンだ。結局は、ゼネコン経由で国民の税金をネコばばしている のだ。

さらに、党のカネを自由にできる立場である幹事長ポストに執着し、自分の言いなりになる人間にカネを与える。政治家の資質など関係なしだ。 そして、当選させ、チルドレンとして己の派閥を大きくし、政権に睨みを利かす。これは自民党時代の小沢が師と仰いだ田中角栄や金丸信がやった 黒幕政治だ。

先ず日本が復活するためには小沢のような腐り切った時代遅れの政治家を政界から放り出すことが最優先事項だ。こんな政治家 に一票を投じる有権者のいること自体信じられない。日本がここまで落ちたのは政治家の責任ではない。有権者の責任だ。

アル中の政治家、4億円の現ナマを隠し持つ政治家、このような腐り切った政治家を政界へ送り出した有権者、すなわち、国民の 責任なのだ。

北海道や東北など、昔から地方政治家の質は概して低い。原因は、そこの有権者の質が低いからだ。中川昭一や小沢一郎など、 先代のイメージだけで出来の悪い世襲議員に安易に投票してしまう。

テレビや新聞などのマスコミは政治家の責任を追及するのは好きだが、彼らを選んだ有権者を追及することは決してしない。 というか、できないのだ。ここがマスコミの弱点(限界)なのだ。

今の日本を見ていると、政治家どうしで国のリーダー(首相)を選ぶという現行のシステムでは、日本が抱えている年金や国債などの 待ったなしの諸問題を解決できるとは思えない。民主党の権力争いに明け暮れている政治家たちをみれば明白だ。

日本をリセットするには強力な力を持つ独裁者が必要だ。国民に直接選挙で選ばれた独裁者が必要だ。すなわち、 米国の大統領のように。

黒幕の顔色ばかりを窺っていたのでは良い政治はできない。将来、日本も大統領制にする以外、復活の道はないように思える。 民主党にしろ、自民党にしろ、日本の政治家は余りにもお粗末過ぎる。そんな政治家を選んだ我々有権者がお粗末ということだ。


■寝た子を起こしてしまった鳩山(10/05/28)

民主党鳩山政権は政権を担う器ではなかった。案の定、普天間移設は自民党案で幕引き になった。与党になっても、何でもかんでも 反対するという野党時代の習性が抜けず、自民党や米国を上手く利用することができなかったのだ。その結果、表現の仕方は良くないかも 知れないが、普天間問題では寝た子を起こすようなまねをしてしまった。自民党がようやく寝かしつけたのに・・おバカとしか言いようが ない。

原因は鳩山政権の日米同盟に関する勉強不足によるものだ。日米の関係は平等な関係だと思い違いをしていたのだ。突然、辺野古案へ 態度を翻したのは、米国に一括されたからだ。鳩山は日米同盟を国民目線でしか捉えていなかったのである。日本をいっぱしの独立国だと 考えていたのだ。

国家の存続を左右する国防を他国に頼っている国を独立国とは呼べない。現に、日本上空の制空権は戦後一貫して米国が 握っている。自国の上空を自由に飛行することができない独立国は世界中どこを探してもない。

さらに、日本の軍隊である自衛隊も米軍の一部に組み込まれているのが現状だ。主だった演習は米軍との合同が基本だし、普段からの 相互に基地を訪れ、軍事交流も頻繁にやっている。保有する武器も米軍と同じ米国製だ。最新ハイテク兵器を動かすソフトは米軍が握っているのが 現実だ。これでは自衛隊だけで有事の際のフォーメーションなど到底組めない。

現場の自衛隊員も米軍抜きでは何もできないと明言している。 好むと好まざるにかかわらず戦後の日本は米国の植民地、或いは、自治領みたいなものだ。政権政党ともなれば、野党と違って、この辺の 現実を踏まえて事に当たらねばならない。

平和ボケしたお坊っちゃんの鳩山には、それができていなかったのだ。政権政党になったからには、「38度線の緊張」や 「頻発する中国の戦闘機や潜水艦による領海侵犯」等々、日本を取り巻く危機を最優先で勉強しなくては失格だ。力の後ろ盾なくして、 話せば分かる国など、世界中どこを探してもない。


■日本が「経済大国の座」から転げ落ちた日(10/05/23)

5月19日、国際通貨基金(IMF)は日本に対し財政健全化を求める声明を発表した。IMFとしてはヨーロッパ全土を大混乱に 陥れたギリシャの財政危機が念頭にあり、第2のギリシャ・ケースを未然に防ぎたいからだ。IMFとしては日本の財政もすでに危険水域に 達していると考えているのだ。IMFにこのような指摘を受けたことは、日本が「経済大国」の座から滑り落ちたことを意味 している。

さらに、同じ日、スイス国際経営開発研究所(IMD)は日本の国際競争力が17位から27位に下落したと発表した。この結果、 初めて韓国や台湾、それに中国にまで抜かれたことになる。アジア各国はこれまで日本を目標に頑張って来た。それゆえ、 このニュースはビッグニュースとしてアジア各国を駆け巡ったのだ。

日本の財政状況は世界でも群を抜いて悪い。国家の財政状況を計る国債発行額が約700兆円(借入金は除く)と多過ぎることに IMFが警告を発したのだ。その額は、何と国内総生産(GDP)の2倍以上の額だ。あの米国でさえGDPの8割程度なのに。これほど 国債発行額が多いと、普通はギリシャのように返済不能から「国家不渡り」に陥るのが普通だ。

しかし、日本がギリシャと大きく違う点は、外債がほとんどないという点である。すなわち、外国からの買いはほとんど入っていない ということである。では、誰が日本の国債を購入しているのかというと日本国民自身が購入しているのである。実際には銀行などの金融機関が購入 しているのだが、その原資は国民が金融機関へ預けているお金というカラクリである。日本国民の預金は約1450兆円あるので、700兆円 の国債を国内で吸収できているのだ。こんなに貯金している国民は、世界広しと言えども、日本人くらいだ。外人はほとんど貯金などしない のが一般的だ。

外債がないと言っても、日本の財政状況は世界一悪い。では、今後、日本政府が財政健全化を達成するためには、具体的にどんな方法があるのか。 1980年後半のバブル経済崩壊後の日本経済の 有様を見ると、内需ではかなり難しい。やはり外需に頼る以外はないだろう。貿易で儲けて、その利益から税金を支払って返済していく以外に 方法はないのだ。

IMFは日本の財政健全化の方策として消費税を10%へ上げることを要求してきている。しかし、日本の場合は、「事業仕訳け」から 分かるように、官僚たちが国庫金を盗み取っている特殊法人なるものを掃除することが先決だ。特殊法人がなければ、これほどの国債を発行することもなかった だろうし、経済大国の座から転げ落ちることもなかったのだ。ニッポン復活のカギは掃除にある。


■日本再生の切り札「事業仕訳け」(10/05/22)

民主党が主催している「事業仕訳け」を見ていると、時の自民党政権と官僚が何千もの独立行政法人(独法)や公益法人を生み出し、 それらを介して、国民の税金を体よく盗み取る構図を作り上げていたのがよくわかる。

現役の官僚たちは独法や公益法人へ湯水の如く税金という国民のカネを注ぎ込む。退職した官僚たちはその独法や公益法人へ天下り、 現役組が注ぎ込んでくる税金を懐へ入れてしまうのである。官僚による巧妙な盗みのシステムが構築されていたのである。命ある限り、 盗めるだけ盗もうということだ。

これは立派な背任罪、或いは、詐欺罪である。これら犯罪者たちの組織が強大な 国家権力であるため、裁かれないで悪事を続けてこられたのである。たけしのギャグ「赤信号、みんなで渡れば怖くない」、そのもので ある。

独法や公益法人の職員たちを見ると、世間の不景気などどこ吹く風、立派な家に住み、高級車を乗り回すと言う優雅な生活を送っている ものがすべてだ。また、国民の年金基金を食い物にしてしまった旧社会保険庁の職員たちも同じく裕福な暮らしぶりだ。

ヨーロッパの破たん国家 ギリシャとよく似ている。日本もギリシャも政治家と公務員が国家のカネを食い物にして、返済不可能なくらいの膨大な国家負債を抱え込んで いるという構図だ。

これら官僚たちの長期にわたるデタラメを許したのは時の自民党政権だ。それを思うに、自民党の罪は余りにも大きい。しかし、 その自民党政権を選んだのは我々国民だということを忘れてはいけない。

今、与党の一員である亀井国民新党と鳩山民主党政権が郵政民営化にストップをかけ、郵貯の膨大なカネを国債購入に充て、独法や行政法人へ 注ぎ込む資金をさらにねん出しようとしている。懲りない面々だ。そして、民主党政権を選んだのも、また我々国民だということを 忘れてはいけない。


■舐められた有権者(10/05/20)

民主も自民も来る夏の参院選比例区に旬を過ぎた著名人なるものを担ぎ出す。誰もが知っている谷亮子、堀内恒夫、中畑清らがその代表格だ。 彼らの他にも アナウンサー、落語家、歌手、タレント、元オリンピック選手等など旬を過ぎた人たちのオンパレードだ。比例区では各党の得票数がモノを言うので、 旬を過ぎた人たちを客寄せパンダに使って、安易に票数を稼ごうとしているのだ。我々有権者も舐められたものだ。

谷に至っては、国会議員をしながら次期ロンドンオリンピックで金を目指すという。国会議員をアルバイト程度にしか考えていないのだ。 そんな谷を勧誘した小沢は、谷以上に国民や国会を軽視しているということだ。有権者がもっと賢くならなければ、この国は三流国家へ転落 してしまう。

彼ら旬を過ぎた人たちに政治や経済が分かっているとは思えない。GDPとGNPの違いも分からないだろう。リーマンショックやギリシャショックの 意味も分からないだろう。日米同盟の本質など分かっていないだろう。そんな彼らに政策の立案など到底不可能だ。一般の国民目線も必要 だが、それだけでは政治はできない。

国会議員には一人に付き年間約1億円という多額の税金が投入される。だから、国会議員を志す者には地方議員の経験、或いは、最低限の 資質を問う試験が課せられて当然だ。今、日本に必要なのは百年先の戦略を練ることができる有能な政治家だ。

中国、インド、韓国、シンガポールなど官民一体となって外国に大型プラントなどを売り込んだり、資源や食糧の海外確保に乗り出した りし、世界中にその存在感を示している。今日、急成長を続けるアジア圏にあって、日本だけが置いてけ掘りを喰っている状態だ。その最たる 原因は、政治家が悪いのではなく、我々有権者がカスのような政治家を選出し続けたことにある。

夏の参院選では、客寄せパンダに惑わされず、国民をリードできる真の政治家を選出したいものだ。


■緊迫する38度線(10/05/18)

3月26日、韓国軍の哨戒船「天安艦」が黄海の南北軍事境界線付近で沈没し、46人の韓国軍人が死亡した。そして、米、英、オーストラリア、 スウェーデン、それに韓国の合同調査団が原因究明にあたり、魚雷による撃沈と結論づけた。もちろん、その魚雷を発射したのは北朝鮮という のは暗黙の了解事項だ。

今月末の李明博(イ・ミョンバク)大統領による調査結果の発表で、北朝鮮の仕業と明言するかどうかが注目されている。北朝鮮と明言した 場合、亡くなった軍人の遺族や韓国世論は武力による報復を叫ぶだろう。韓国人は激情型の人間が多い。一旦火のついた韓国世論を抑え込むこと は難しい。しかし、武力報復は全面戦争を引き起こすことは明らかだ。韓国の弱点は無数の大砲やミサイルが僅か50km離れた北の場所から 首都ソウルを常時狙っているということである。韓国政府としては、最優先でソウルの被ばくは避けねばならない。

韓国政府としての最善の方策は、この事件の報復を国連安全保障理事会に託すことだ。そのためには北の犯行という確たる証拠を示さねば ならない。国連が制裁を科すためにはその相手国が特定されていなければできないからだ。この部分がこの事件の最大のポイントとなっている。 今、合同調査団は北の犯行である確たる証拠を見つけることに全力を挙げているはずだ。

李明博大統領としては北の犯行を明言しなければ気性の激しい韓国世論が黙ってはいないことを知っている。同時に政府の今後の断固たる 方針も発表しなければ治まりがつかないだろう。大統領としては、韓国世論や北の反発など非常にデリケートな難しい局面を迎えることになる。

一方、北の攻撃と公表された場合、米国は同盟国への攻撃と見なし、北に対して断固とした報復措置を取ることになる。韓国だけでなく、 日本も同盟国としての米国の出方を注視する必要がある。断固とした報復措置が講じられなければ、米国との同盟は「張り子のトラ」ということ になり、日米同盟も疑わしいものになる。

また、中国も米国の出方を日韓以上に注視している。米国としてはそんな中国への警告も含めて、 北に対して断固たる措置を講じることで、韓米同盟と日米同盟の重要性をアジア各国へ示そうとするはずだ。


■タブーの国家財源(10/03/10)

2008年秋のリーマンショック以降続いている不況が原因で日本の税収が大きく落ち込んだままだ。現在、民主党鳩山政権は財源不足で苦しんでいる。 待ったなしの福祉や失業対策など、どの政策を実行に移すにも財源がないのが現状だ。

事業仕訳など歳出の無駄を抑えるための努力をしているもののこれといった成果は見られない。赤字国債はこれ以上発行できないし、 マニフェストの手前直ちに消費税をアップすることもできない。そして今、さらに突っ込んだ第二次事業仕訳をやろうとしている。

しかし、 節約だけではなく、新しい財源を確保することも並行してやらないとダメだ。幸い、日本にはこれまでタブーとされてきた大規模な財源が 存在している。それに比べたら埋蔵金など屁みたいなものだ。桁が違う。そのタブーを破るのは政権交代の今が絶好の機会だ。

タブーの国家財源とは宗教法人に対する優遇税の廃止だ。個人や企業が宗教団体へ対して行う寄付(お布施)に対しては贈与税が免除されている。 すなわち、宗教法人は巨額の寄付に対して贈与税を納める必要がないのである。いわゆる、「坊主丸儲け」というヤツだ。贈与税は他の税に 比べて税率が高く、財源としては非常に有効な税だ。

例えば、鳩山総理が母親からもらった12億円のうち6億円を贈与税として国庫へ納めた。 これからも分かるように贈与税は約50%を税として徴収できるのだ。個人や一般企業は贈与税を納めなければならないのに、宗教団体(宗教 法人)だけが免除になっているのは如何なものか。

今、創価学会を筆頭に新興宗教団体は巨額の資金を保有している。これら新興宗教団体は東京や横浜の超高額な一等地に見上げるような 立派なビルを幾つも所有している。また、地方へ行けば、そこの市庁舎よりも立派な建物を所有している。

これらは礼拝施設に対する不動産取得税、登録免許税、固定資産税などが非課税扱いになるのを巧みに利用しているのだ。

さらに、都心部に近い原野山林を広範囲わたって買い占めている。カネが余っているから密かに原野山林という地味な不動産へ 投資しているのだ。株や都心の不動産への投資は目立つからだ。これが現状だ。新興宗教団体にとっては、不況などどこ吹く風だ。

宗教団体といっても、一般信者が非課税扱いの恩恵を受けて金持ちになっている訳ではない。一握りの幹部だけが富を蓄えているのが現状だ。

自公政権が崩壊し、それに伴って公明党(=創価学会)が政権の座から外れた今、宗教法人に対する優遇税制を見直す絶好の機会が到来した ということだ。

これは政府の主要機関、例えば、国家戦略室クラスが扱うべき大きな問題だ。宗教団体の影響力はとてつもなく大きい。

国家や企業などにも大きな影響力を持っている。自民党や民主党にも強い影響力を持っている。日本を代表する新聞、TV、ラジオで さえも、大スポンサーである宗教団体を叩くことは難しいのが現状だ。

これはいち政治家がどうこうできる問題ではない。そんなことをすれば、政治生命を絶たれるか、下手をすれ ば、抹殺されるのが落ちだ。だからタブーなのだ。でも100年先の日本を思えば、今、勇気を出してやるべき最優先事項だ。


■ギクシャクの代償(10/02/03)

民主党鳩山政権は5月までに普天間基地移設問題を解決すると公言している。しかし、どのような解決を目指そうとしているのか、その大雑把な道筋さえも 明らかにできないでいる。県外なら何県へ移設するのか、海外ならどの国へ持っていくのか、おそらく現時点ではノー・アイデアなのだ。結局、辺野古沖、或いは、普 天間現状維持ということも十分にありえる。

市会議員や県会議員なら地元の利益を最優先に考えるのは当然だ。しかし、国会議員という立場の者は国益というものを最優先に考えねば失格だ。沖縄の利益を 考慮することも必要だが、それを最優先にしてはダメだ。日本国民全体の利益を最優先に考えねば、国会議員としての資格はない。鳩山は沖縄県の知事ではない。 小沢にしても、岡田にしても、福島(社民党)にしても、沖縄の県会議員や市会議員ではない。

今、日本を代表する国際企業トヨタが米国発のリコール問題で窮地に追いやられている。通常、ここまで騒ぎだてするものではない。この問題は単に 自動車部品だけの問題ではなく、日米間の普天間を 巡るギクシャクした関係が根底ある。この手のやり方は米国の常とう手段で、従順でない国に対して昔からよく使う手だ。いわいる、経済制裁というか、嫌がらせだ。 今後も、ギクシャク状態が続くとトヨタ以外の企業もやり玉に挙げられることになる。

さらに、今、日本はインテリジェンス(機密情報)の遮断に陥っている。鳩山民主党政権になってから、これまで米国からもたらされていた軍事機密や国際 テロリストの入国、それにアフガンやイラクなどの中東危険地帯の情勢、北や中国などの機密情報などが全く入ってきていない。諜報機関を持たない日本には、 これらの深い部分までを収集する能力はない。同盟国米国から知らされる以外に術はないのだ。そんな訳で、今の日本は非常に無防備な危険な状況に陥っている。

報道されていないが、先月、社民党の福島がグアム米軍基地の視察を打診し、米国から即答で断られた。日本の政治家がグアム米軍基地を視察したからと 言って、何ら意味はない。国内向けパフォーマンスでしかない。マリアナ界隈ではグアム入国を断られた間抜けな日本の政治家とし小馬鹿にされている。普天間 に対する福島の言動からして、米国の対応は当然の措置だ。

そんな常識的なことも理解できていない福島は国会議員の器ではない。おそらく子供の頃から学校では勉強のできる優等生で通してきたのだろう。しかし、 学校のように真実と正義を振りかだすだけの「井の中の蛙」では強(したた)かな米国の政治家と渡り合うことはできない。国会議員失格だ。市会議員レベルの 器だ。世間ずれした「命」の鳩山にも同じことが言える。

民主党政権は内政に関してはまずまずだが、普天間問題に見られるように外交に関して余りにもお粗末過ぎる。これでは米国、中国、ロシア、韓国、北朝鮮 等々、日本を取り巻く強かな諸外国と対等に渡り合えるとは到底思えない。普天間の処理を誤れば、鳩山政権の存続はない。


■虎の尾を踏んでしまった小沢A(10/01/14)

昨日、民主党幹事長である小沢一郎の資金管理団体「陸山会」をはじめとする関係各所に東京地検特捜部(検察)の強制捜査が入った。いよいよ本丸に迫っ たという感がある。遅かれ早かれ小沢は失脚することになるだろう。先の参議院選挙からの流れからして、それ以外の落とし所はあり得ない。

これまでも書いたように、2007年夏の参議院選挙で民主党が勝利して以前、米国は親中国派小沢を重大な リスクと考え、排除する方向で動いてき た。中国 に近づき過ぎた田中角栄を失脚させたかつてのロッキード事件の時とよく似たパターンだ。米国は角栄の時と同じパターンで小沢を抹殺しようとしている。

ロッキード事件の時は背後に米国(CIA)の存在が丸見えであった。すなわち、米国が確たる証拠をリークし、日本の検察を動かし、中国に接近しすぎた 田中角栄を 抹殺したのだ。この度の小沢の場合も、その姿は見えないが検察の背後に米国がいると考えて間違いない。米国とはそんな国なのだ。南米や中東や アジアなどの発展 途上国を食い物にして富を蓄えてきた国なのだ。

米国としては、鳩山民主党政権下で最高権力者となった小沢が親中国派というのは絶対に容認できないのだ。昨年12月10日に小沢が民主党議員140人 を含む総勢600人を引き連れて中国の胡錦濤に謁見に訪れたことで決定的になったのだ。このパフォーマンスに世界各国は驚いたものだ。中でも、同盟国の 米国は大きな衝撃を受けたのだ。

平和ボケした日本人には理解しがたいことだが、どこの国でも自国にとって不利益になる他国の政治家を失脚させることを仕事にするセクションが存在す る。米国ではCIAの仕事だ。

それにしても、政治家はどうして何億ものカネをいとも簡単に手にすることができるのだろうか。まっとうな暮らしをしている我々国民には想像すらできない。


■2009年最も苦労したこと、そして、2010年への抱負(10/01/01)

昨年度中、最もエネルギーを注ぎ込み、そして苦労したことは昨年7月26日に開催した「第1回東京ヒルクライムOKUTAMAステージ」だ。といってもレース 自体の運営ではない。このレースの舞台である奥多摩周遊道路でOKUTAMAステージを開催させてもらう許可を関係各所から、特に青梅警察から 取得することが大変だった。

当日、レースは事故やけが人もなく成功裏に終了した。そして、青梅警察が警備を終えて大会会場から引き揚げる際、この日に至るまで力になって 下さった警察官や最後まで反対されていた警察官からも「うまくいって良かったね」と思いがけない言葉をかけて頂いた。

昨年、最も苦労したことは青梅警察からOKUTAMAステージの開催許可をもらうことだった。そして、最も嬉しかったことは警察官からかけてもらったこの 思いがけない言葉だ。大会が成功裏に終わったのも青梅警察のお陰、感謝したい。

今年、最もエネルギーを注ぎ込もうと思っているのは、3年前から青梅市成木地区で開催している「東京ヒルクライムNARIKIステージ」のコースを成木川に沿って 下流へ5km延長することだ。この計画は地元である成木地区の人たちの期待も大きいので、どうしても実現したいと考えている。

海外大会ではサイパン島のマイクロビーチから約3km沖合に浮かぶマニャガハ島まで泳ぐ新規OWS大会を今年5月16日に開催することになっている。「島から島へ」の ダイナミックなOWSレースにしたいと考えている。名称は「第1回ハント・フォー・マニャガハ・アイランド」。

それと、ロタ島とテニアン島の両島において、かつてトライアスロン運営に関して共に苦労した友人がそれぞれの島での最高権力者であるメイヤー(市長) に今月就任することが決まっている。

ロタでのトライアスロン大会はすでに成熟しているので大きな変化は考えられないが、未だに発展途上にあるテニアン大 会が新市長の下でどのように変化するのか、楽しみだ。テニアン大会のロケーションは人気のロタ大会と比べても遜色ないのだが、なぜかイマイチ伸び悩んでいる のが現状だ。


■米国側から見た沖縄米軍基地(09/12/29)

日本の国民や政治家、それに一部マスコミまでが米海兵隊主力部隊8000人(+家族9000人)がグアムへ移動するのは沖縄に 米軍基地が多過ぎ、沖縄の人たちの負担を軽減するためと考えている節がある。しかし、それは大間違いだ。軍事戦略に関して米国はそんな甘くはない。

グアム在住の米軍関係者の話によると、近年の急激な経済成長の伴い巨大な軍事力を持つようになった中国対し、沖縄の位置は余りにも近すぎ、軍事 的な「間合い」が取れないというのだ。中国からの核ミサイル攻撃などに対して、対応する時間的余裕がないとのうである。

意表を突 くファーストストライクで沖縄にある米軍基地が全滅する危険が増大しているというのである。この度の米海兵隊8000人のグアム移動はその対応策の一 環だという。今後、沖縄の基地機能(兵士や兵器)は段階的に削減していくことになるという。沖縄県民にとっては歓迎されるべき話だ。

米国は対中国シフトの一環として、グアムの軍備増強を急速に進めている。沖縄の基地機能を削減して、その分をグアムへ移し、グアムを対アジア戦略の米国 最重要基地にしようとしている。当然、沖縄には最低必要な基地機能しか残らないことになる。

空軍の最新鋭ステルス戦闘機部隊やB52爆撃機部隊、海軍の最新鋭 原子力潜水艦、陸軍の長距離ミサイル部隊等など最新ハイテク兵器がグアムへ増強されつつある。その証拠に、近年、グアム上空を最新鋭戦闘機ステルスや B52爆撃機が訓練飛行のため日常的に飛び回っているのを目にすることが多くなった。

沖縄から米軍基地が消えることはなくても、基地機能の空洞化はすでに始まっている。この動きに対し、急ぎ、沖縄は米軍基地に代わる財源を確保するため の産業を育成す る長期戦略を練っておく必要がある。沖縄は好むと好まざると米軍基地からの財源に大きく依存しているのが現状だ。亀井大臣の言うカジノ産業は大勢の米軍 人があってのこと、基地空洞化の進んだ沖縄では産業として成り立たない。

日本の政治家はもっと軍事的戦略を勉強しないと国益を大きく損ねることになるばかりか、米国や周辺国に馬鹿にされてしまう。 民主党政権発足間もない頃、岡田外相は「普天間基地の機能をキャンプ・シ ュワブ沖ではなく、嘉手納基地へ移せばよい。私にはそれができないという理由が分からない。」と幼稚園児的発想を真顔でコメントしていた。戦後60年間、 日米同盟の下、日本が平和すぎた障害だ。

軍事力は分散させておかないと、嘉手納を攻撃されたら普天間の機能もやられてしまうことになる。平和ボケした岡田の申し出を米国が承諾するわけがな い。岡田の無知から出た言葉だ。外務大臣失格だ。

普天間基地の国外・県外移転を主張してきた鳩山首相が抑止力の観点からグアムへの移転は無理があるとして、12月26日にこれまでの主張を否定し た。世間知らずの鳩山も政権発足100日でちょっと成長した感がある。

しかし、国益という観点からモノを考えられないおバカな社民党は、未だにグアム移転を 主張している。まるで勉強しかできない世間知らずの優等生のようだ。与党になるべき政党ではない。与党と野党の立場の違いが理解できないのだ。

今後、鳩山政権は米国と渡り合うために外交交渉と軍事戦略の優秀なブレインを早急に徴用すべきだ。現状では余りにもお粗末だ。同盟国といえども、 有事の際に米国が 日本を護るかどうか甚だ疑問だ。米国は自国の国益に適う場合を除いては、日本を護ることなど絶対にあり得ない。それが国際政治というものなのだ。


■トライアスロン後進国ニッポン(09/12/24)

ロングディスタンスのトライアスロン現日本チャンピオン松丸真幸選手がプロ生活に終止符を 打ち、2010年1月から住友金属へ正社員として就職することになった。原因は、トライアスロン のプロでは生活ができないからである。

もともとトライアスロンのだいご味はアイアンマンに象徴されるようにロングディスタンスに ある。4kmのスイム、180kmのバイク、そして、42kmのランの長い距離を同時にやろうとして始ま ったのが鉄人レースと呼ばれたトライアスロンだ。

今あるオリンピック・ディスタンス(51.5km)はオリンピック競技に適合させ、距離を短縮し たもの。ルールもバイクでのドラフティングOKとしたことで、勝敗にバイクの力は関係なくなり、本来のトライ アスロンとは大きく異なった競技となってしまっている。

すべてのスポーツがオリンピックを最高峰としている訳ではない。サッカーはワールドカップが最高峰の 大会だし、自転車はツール・ド・フランスが最高峰の大会だ。同じくトライアスロンもハワイのアイアンマン が最高峰の大会だ。

そのアイアンマン・ディスタンスの第一人者である松丸選手がプロで生活できないとうということは、日本 でのトライアスロンというスポーツの将来は暗いということを示している。

日本では51.5kmの有望選手には政府からオリンピック強化費としてJTUを通じて現金が支給されている。 といっても、ナショナルチームに選考された選手に3カ月間で各人へ50万円ほどだ。しかし、ロングを中心に活動 している選手には何の援助もないのが現状だ。ロングがすたれば、トライアスロン界に活気がなくなり、ト ライアスロン人口は激減してしまう。トライアスロンの原点はアイアンマンなのだ。

外国ではレースに勝つと賞金がもらえるのが常だ。賞金で生活しているプロ選手は多い。例えば、参加者100人 ほどのサイパン・タガマン大会でさえ賞金総額210万円(2009年度)で優勝賞金は30万円だ。しかし、日本では賞金 のでるレースは5本ほどしかない。それも賞金額は驚くほど低い。

あの日本最大の人気レースである宮古島大会ですら優勝賞金が10万円ほどだ。それも翌年に参加して初めても らえるという「ひも付きの賞金」だ。こんなものを賞金とは呼べない。2009年度大会2位だった松丸選手の賞金 は7万円だ。しかし、就職したので来年は不参加を表明している。だから2009年度の賞金はもらえないことになる。納得 がいかない。因みに、徳之島大会の優勝賞金は15万円でその場でもらえる。これが普通だ。

佐渡のロングディスタンスの日本選手権ですら優勝賞金6万円だ。しかし、それへの参加費が3万円だから差引3 万円の賞金ということになる。すなわち、日本チャンピオンになっても3万円の賞金ということだ。これでは町内会の 草レースレベルだ。

因みに、アイアンマン・ジャパンの賞金はハワイ大会へ向けてのワールド・シリーズの一環ということで、国内大会 であっても国内大会ではない。だから、優勝賞金は8500ドル(約85万)である。

日本ではスポーツは神聖なもので、カネは汚いものという概念があり、大会主催者の多くは賞金を出すのは法律で 禁止されていると思い込んでいる節がある。そんな法律はどこにもない。主催者を利するだけの都合の良い思い込みだ。

残念だが、今の日本にはトライアスロンのプロが育つ土壌はない。アイアンマン・ハワイで日本人選手が活躍しない と、トライアスロンというスポーツがメジャースポーツになることはない。ボクシングと同じく、トライアスロンは世界 の強豪選手と争って「なんぼ」という競技、国内だけで完結するスポーツではない。

このスポーツをメジャーにするには、各主催者が海外レース並みに賞金を出すのがシンプル、最速、且つ、ベストの方法だ。


■腐りきった日本航空(JAL)(09/11/02)

政府主導によるJAL救済が始まりそうだ。しかし、税金を注入してのJAL救済には反対だ。JALがここまで落ち ぶれた原因はJALの長期に亘るぬるま湯体質にある。今、税金を注入したところで、ぬるま湯体質が改善されるわ けではない。

1972年に制定された45・47体制が原因でJALは高賃金低サービスの親方日の丸企業に陥ることになった。 45・47体制とは、一言でいうと、国際線はJALの独占とし、他航空会社の国際線就航は禁止するという 政府がJALに対して取った産業保護政策のことだ。しかし、これ以降、その見返りとしてJALは赤字路線へ就航を強要されるなど 政治家に食い物にされ、また、各省庁の官僚の大口天下り先となってしまった。

しかし、JALがここまで落ちぶれた最大の原因は、何と言っても1953年設立当初から受け継がれている職員の給 与の高さだ。 30歳台にして年収1千万円以上の職員はゴロゴロにいる。

今、JAL救済の条件として、退職者の年金減額が話題に上 っている。これは年金受給額の算定ベースになる現役当時の給与の高さが原因だ。今なお、月に50〜60万円もの年 金を得ている人が大勢いる。JALの経営難最大の原因は給与を含めた人件費の高さにある。それなのにどうして我々国 民の税金でそんな腐りきった人たちを救済する必要があるのか。

小泉政権時代に不良債権で苦しむ銀行を税金注入で救った。しかし、その時の銀行と今のJALとでは状況が大きく 異なる。JALは国民皆が利用するわけではない。JALを利用するのは国民のごく一部の層の人たちだ。そんな一民間企業 の救済に税金を充てるのは筋が通らない。

ナショナル・フラッグ・キャリア(日本を代表する航空会社)としてのJALを潰す訳にはいかないという意見もある が、世界にはナショナル・フラッグ・キャリアを持たない国はいくらでもある。こんなものは救済の理由にはならない。

デルタ航空でも、アメリカン航空でも、業務提携してくれる外国航空会社があれば、その傘下に入ればいい。そうすれ ば厳しい経営改善を迫られるだろう。しかし、それが腐り切った親方日の丸体質を速やかに改善できる唯一の方法だ。安 易な税金注入では腐りきった体質を改善することは不可能だ。


■鳩山民主党政権の過ち(09/10/26)

9月16日に発足した鳩山民主党政権は、そのマニフェストに沿って国民の年金や税金をネコババしてきた自民党政権と 官僚との悪しき習慣を絶とうとして遮二無二頑張っている。

自民党前政権の官僚主導のやり方を批判してきた鳩山政権としては、政治主導ということで民主党の政治家だけで全てを処理 しようとしている。これでは決してうまく行かない。官僚をうまく使うのも政治主導だ。

鳩山政権の過ちは各省庁の官僚トップの入れ替えをやっていないことだ。これまで自民党政権と組んでおいしい 思いをしてきた各省庁の官僚トップを外し、鳩山政権と考えが近い官僚を各省庁のトップに据えることが最重要事項だ。

そして、実務的なことは全てその官僚に任せるべ きだ。そうしないと仕事量が多過ぎ、彼ら政治家の能力を超えてしまう。政治家は自分の考えを実行してくれる官僚を見つ け出すことも大切な仕事だ。

鳩山政権はアメリカの政権交替のやり方を勉強した方が良い。世界中で政権交代のシステムが最も成熟している国はアメリカだ。 アメリカでは政権が交代すれば、これまでの政権と組んできた官僚トップを即刻クビにし、その政権の考えを実行してく れる人間を官僚のトップに持ってくるのだ。

そうすることで、その官僚自身が自分の仕事がやり易いように部下の人員配置を行なう。これで上 から下まで新政権の命令系統(Chain of Comand)がピシッと統一されるのである。これが政権交代というものだ。

政権発足前からブレインは鳩山政権の考えに近い人を集めているようだ。しかし、最優先の仕事は、ブレイン集めより も前自民党政権に仕えた官僚を完全に排除することだ。日本の場合はアメリカのように公務員である官僚を簡単にクビ にすることはできない が、降格や人事異動をさせることはできる。細々としたことまで政治家がやろうとしてはいけない。

政権の座に就く前にイギリスへ政治システムを勉強に行ったらしいが、一体何を学んできたのか。


■政権選択選挙〜有権者の責任(09/08/29)

明日(30日)の衆議院選挙は大方の予想通り民主が圧勝することは間違いない。その結果、当然、政権は民主党主導に移り、自民党と公明 党は退場することになる。この原因は田中角栄、金丸信、竹下登、小沢一郎(自民党時代の小沢)等々の、いわゆる、角栄の流れを汲む一連の古 い時代の自民党政 治家が悪しき習慣を作ってしまったことにある。官僚を管理するのではなく、官僚と手を組んでお互いの私腹を肥やすための様々な集金システムを 構築したことだ。

すなわち、税金という名目(例えば、自動車税などがこれに当たる。)で国民から意味不明のカネを巻き上げたり、不要な道路を何本も造ったり、 無駄な箱モノを無数に造ったり、数 えきれないほどの特殊法人を作ったりしたことだ。そして、これらはすべて税金を搾取し、己の私腹を肥やすための迂回手段だったということだ。国 民から集めた年金基金が消えてしまったのも、結局は官僚と政治家の懐に収まってしまったのだ。

しかし、このような国になってしまったのは、政治家や官僚だけが悪いわけではない。これらの強欲無能な政治家を選出した有権者に責任がある のだ。角栄を選出した新潟、金丸の山梨、竹下の島根、小沢の岩手など、これらの有権者の無責任さに最大の責任があるのだ。今、声高に自民党批判 を続けている小沢は自分のやっていることに恥かしくないのだろうか。

例えば、ローマのG7で世界に恥をさらしたアル中の中川昭一だ。あれは中川だけが悪いわけではない。アル中を選出した北海道1区の有権者が 最も悪いのであって、彼らがその責任を取るべきなのだ。アル中が無駄に使った税金は、有権者である彼らがペナルティを国庫へ支払って当然だ。

日本国民はもっと責任ある投票をしないといけない。自民党政治家の全てがグレーで、民主党政治家の全てがクリーンという訳ではない。自民党 でも国民のために頑張っているクリーンな若手政治家はたくさんいる。民主党にも小沢のようなワルもいるし、国際政治に関しては使い物にならない ほど無知な政治家がほとんどだ。

我々有権者が無責任な投票を続ける限り、消えた年金が示すように、結局は自分で自分の首を絞めることになる。また、マスコミは政治家批判をする ばかりでなく、悪しき政治家を選出した選挙区の有権者も同じく批判すべきだ。それがマスコミの果たすべき重要な役割だ。


■北の後継者問題、北軍部保守派VS中国(09/07/10)

最近の北は明らかにこれまでと違ってきている。アメリカの気を引くやり方が違ってきたということだ。これまではミサイル発射 を一回やると、しばらくはアメリカの出方をうかがったものだ。しかし、今年に入ってからは、国連決議などどこ吹く風で、地下核実 験やミサイル発射を続け様に実施している。

これから推測するに、意思決定権者がこれまでとは別人ということだ。すなわち、金正日がすでに死亡しているか、或いは、そ れに近い状態にあるということだ。一連の挑発のやり方からして、軍部保守派が金正日に代わり実権を握ったと考えるのだ妥当だ。

この国の実情は誰もわかない。だから過去のデータから推測する以外にはない。この国にスパイを植え込んでいるのは唯一韓国くらいな ものだ。日本は国内に朝鮮総連という巨大な北の工作機関があり、日夜スパイ活動をやられている。しかし、日本は北へスパイ一人潜入させら れないのが現状だ。ほんとうに典型的な平和ボケ国家だ、情けない。

今、金正日の後継者として3男の正雲が取り立たされている。しかし、26歳と云うのは余りにも若過ぎる。この貧しい国を治めていくだ けの能力はない。すなわち、正雲は軍部保守派の傀儡にすぎないということだ。

北の軍部には以前から改革派と保守派が存在している。改革派は中国を真似て改革開放政策で経済を発展させようとする親中国派だ。 保守派はこれまで通りの独裁国家金日成のやり方を貫こうとする一派だ。

中国は以前から子飼いの金正男を次期後継者に推してきた。金正日の正当な後継者となり得る長男であり、過去30年間ほど中国国内での 自由な暮らしを与えてきた。すなわち、長らく正男を保護してきた中国としては、親中派の正男を次期後継者にして、北に中国の傀儡政権を樹立し、 チベット自治区や新疆ウイグル自治区と同じような統治を考えているのだ。

中国政府と北の軍部保守派とは良好な関係にない。はっきり言って利害に関して対立している。北の集金マシーンだった盧武鉉なき今、北は中国 の援助なしでは、ひと月足りとももたないのが現状だ。

例え、今いっとき、正雲が後継者になってとしても、近い将来には中国が推す正男が後継者になる公算は極めて高い。そして、日本としては、 正男にならなければ、拉致問題解決は進まない。この点に関しては、中国をバックアップすべきだ。そのために日本ができることは、より強力 な経済制裁の実施だ。


■小沢の辞任と政権交代(09/05/15)

今月12日、小沢が民主党党首を辞任した。これで次期衆議院選手は民主党が勝つことに決まったようなものだ。なぜなら米国の 反対する理由がなくなったからだ。

日本の政治を考えるに当たって、米国の意向は無視できない。国防を米国に依存している限り日本は米国の子分的立場にある。完全な独立 国ではない。それを最も顕著に証明したのが中国に近づき過ぎた田中角栄を抹殺したロッキード事件だ。その米国が親中国派の小沢を総理大臣 にすることなどあり得ないからだ。

小沢の辞任は「水が高いところから低いところへ流れる」ように、3月3日に公設秘書が逮捕された時から、いや、民主党が政権を取る可能性が 高まった時点から決まっていた結末だ。

各新聞の全国世論調査で小沢の代表居直りに納得できないと回答したのが約70%と出た。事件の割には驚くほど高い数字だ。しかし、世論調査 ほどいい 加減なものはない。調査をする側がいくらでも情報操作をすることが容易だからだ。小沢をヨシとしない誰かが仕組んだと考えても不思議ではない。

米国にとっては、同盟国日本の政権を担うのは自民党でなくてもよいのだ。民主党でも差支えはない。但し、日本の最高権力者である総理大臣 が親中国派の人物というのは容認できないのである。


■麻生の大博打(09/04/22)

17日、毎日新聞が「前外務次官が北方4島全体の面積を日露双方が折半して領土問題を解決する案を示した。」と報道して 問題になった。それに対し、河村官房長官はその日の記者会見で、「北方4島を返還対象とする政府の方針に変わりはない。」と判で押したようなコメン トをした。

現状では、北方4島は何百年経っても帰って来やしない。事実上、今現在、実行支配しているロシアのものだ。領土問題に関しては、 事実上実行支配している国のものだ。日本国内で北方4島返還をいくら声高に叫んでもロシアには届かない。

1956年の日ソ共同宣言でロシア(ソ連)は歯舞、色丹の2島返還すると表明している。これに応じるか、あるいは、もう一歩踏み込んで、 面積2等分論で押すかして、一刻も早く解決すべきだ。今ならロシアの最高権力者プーチンと話をつければ、すんなりと行く。今が絶好のチャンスなのだ。

北方領土問題に関しては、「北方領土におけるプーチンシナリオ」で以前に も書いたが、プーチンは領土問題を解決したいという強い意思を持っている。現に、2008年に中国との長年の懸案事項 であった中国東北部の黒瞎子島の領土問題を解決させている。今後、プーチンの影響力が弱まれば、解決は遠のく。

自民党は2島返還でロシアに妥協すれば、国民やマスコミから痛烈な批判を受けると恐れている。国益よりも己の保身しか頭にないのだ。国益より も政権維持が最優先なのだ

来月5月にプーチンが来日する。この時、麻生が領土問題解決という起死回生のホームランを密かに考えていることを期待したい。この会談で、もし、 麻生が持論の「面積2等分論」でプーチンを説得できれば、支持率急上昇は間違いない。プーチンとなら合意の可能性は高い。さらに後世に麻生の名を 残すことにもなろう。

北方領土問題が解決するということは、日本への経済効果は計り知れない度大きい。今の経済不況など吹っ飛んでしまう。久々のスーパーインパクトだ。 麻生の大博打を期待したい。


■東京オリンピック開催の是非(09/04/19)

2016年、東京オリンピック開催は大賛成だ。しかし、いつの世も、何事にでも反対を唱える人はいるものだ。1964年の東京 オリンピックも反対の人たちはいた。しかし、開催したことで、交通網などのインフラが一気に整備されたり、カラーTVなどの 当時最新の消費財が爆発的に売れたりして、日本人の生活水準は一気に向上した。そして、このオリンピックが経済成長の起爆剤となり、 今日の先進国日本へと突き進んだのだ。50年後も同じとは言えないが、その時々に応じたプラス効果は十分に期待できる。

昨日、東京オリンピック反対を唱えてシュプレヒコールをしている人たちをTVで観た。彼らはその反対理由を「税金の無駄使い」や 「自然を破壊につながる」等々、御門違いの訴えを唱えていた。おバカな連中だ。税金の無駄遣いや自然破壊と言えば何でも正当化される と思っている。

オリンピックに税金をつぎ込むのは、特殊法人や天下りなどの官僚に税金をくれてやるのとは訳が違う。オリンピック開催のための工事やプロ モーションなどで、多くの企業や個人レベルまで様々な分野に税金が注入され、新たに雇用や仕事が生まれる。世間にお金が出回るということである。 不景気の今こそ、オリンピックをやるべきである。

お金というものは、どこか(誰か)を経由すれば、そこで税収が発生し、都なり国なりに税金が入ってくるという仕組みになっている。また、 この経由(収入と支出)が多ければ、多いほど経済は活発になり、人々は豊かになるのである。注入した税金は一円たりとも無駄に消えてしまうので はない。お金と いうものはAからB、BからCへと次々と流れることで経済は活性化されるもの。

さらに、世界各国から観光客もやって来てお金を使ってくれるだろう。海外からの投資もあるだろう。金融市場も活気づき株価の上昇につ ながるだろう。株価が上昇すれば、自ずと企業は資産が増え、活気づくことになる。また、金融市場へ資金をつぎ込んでいる年金基金など も自ずと資金が増え、様々な問題の解決につながる。すなわち、地域活性化の最たるものの一つがオリンピックだ。

日本と言えども、開催したくとも、 簡単に開催 できるものではない。チャンスがある時にやっておくべきだ。それに多くのスーパーアスリートたちのパフォーマンスを生で観る機会ができる のも素晴らしい。子供たちの将来にも良い影響を与える。お金に代え難いものだ。

施設を建設するのに自然を破壊するという人がいた。この人たちは自然というものを知らないのだ。もともと東京都内に自然など残 っていない。東京の自然とは、熊や鹿やタヌキやウサギ、それにトンビやアユやヤマメなど様々な野生動物が生息している青梅や奥多摩の山や川 のことを言うのであって、管理された公園にあるちょっとした緑を自然と勘違いしてはいけない。

世界中、大都市といわれている所に自然などな い。広大なニューヨークのセントラルパークやパリのブローニュの森でさえ自然とは言えない。単なる管理されたちょっと大きめの公園だ。すな わち、オリンピックの建造物を造ろうとしている都心エリアには自然など元々ないのだから壊しようがないのだ。

公園なら別の場所に造りなおせばよい。大都会と自然との共存などあり得ない。大都会とは人間が努力して自然を排除したエリアだ。その証拠 に、都心から高速を1時間も走れば、周囲は人間の手など全く入っていない深い山だらけだ。安易に自然破壊という言葉を使うが、人間がそんなに 簡単に自然を破壊することはできない。自然は逞しい。2016年に東京でオリンピックを観てみたいものだ。


■金賢姫(キムヒョンヒ)と日本人拉致被害者との面会から見えてくるもの(09/04/15)

3月11日、韓国釜山市で大韓航空機爆破テロ実行犯の金堅姫と拉致被害者田口耕一郎さんとの面会が実現した。これから見えてく るものは、2008年2月に李明博政権誕生と同時に始った「掃除」がほとんど完了したということだ。この「掃除」とは盧武鉉前政権 時代に政権中枢や官僚組織や経済界に巣食っていた北のスパイや工作員を排除したということである。韓国には北のスパイがゴマンとい る。東京はスパイ天国として有名だが、韓国はさらにそれ以上だ。民族(人種や言葉)が同じというのがその理由だ。

彼らは北の利益の為に政界工作や世論工作などを主な任務としている。その最も顕著な例は、金大中が金正日に6億ドルを支払って 南北会談を実現したこと、盧武鉉前政権時代に自国の経済を顧みず莫大な支援を北へ与え続けたこと、最近では反北の李明博政権に 韓国内での北の影響力を誇示するために行った米国産牛肉輸入反対の大規模デモの扇動などだ。

今、韓国では盧武鉉に金銭スキャンダルが持ち上がっている。予想通りの展開だ。要は、己の政権時代に北へ援助した中から一部を北 の関係企業や政界ロビーを経由してキックバックしてもらっていたということだ。このやり方は日本の親北派の自民党政治家もよく使った 手だ。すなわち、大統領時代の不正資金疑惑だ。盧武鉉の大統領就任前と退任後との個人資産のあまりの違いに検察がメスを入れ始めている。

盧武鉉政権時代、韓国内での北のスパイ活動は野放し状態だった。北へ貢物をする属国のようだった。李明博政権は盧武鉉逮捕で国内 の「掃除」がひと段落すると考えているようだ。これは拉致問題解決にとって大きな前進だ。


■歯がゆい海自の海賊対策(09/03/25)

海外では日本の自衛隊は「ジャパニーズ・アーミー」と呼ばれている。すなわち、「日本の軍隊」と呼ばれているのである。 自衛隊という名称にしたのは、過去の侵略の反省から、決して外国を攻撃しない自衛のための軍隊ということを周辺国に知らし めるためだ。しかし、自衛隊だけでなく、どこの国の軍隊も自国防衛のためであって、攻撃型の軍隊は潜在しない。あの世界最 強の米軍でさえ、自国防衛型軍隊だ。

今月14日、海上自衛隊がアフリカ・ソマリア沖での海賊対策に派遣された。しかし、現行の自衛隊法の海上警備行動に基づ く派遣のため、誰もが想像するような海賊を退治したり、捕えたりすることは不可能に近い。海自にその能力がない訳ではない。 国会による法整備が整っていないからだ。すなわち、海賊退治に有効な海賊対処法案が成立していないからだ。

現行の自衛隊法では、海賊を発見しても威嚇射撃しかできない。また、先制攻撃を受けてからでないと攻撃でない。さらに、 外国籍の船舶が海賊に襲われている場面に遭遇しても、助けることはできず、外国の軍隊に通報する以外に術がないという恥ずかし い内容のものだ。それでいて日本の船舶は外国の軍隊に護ってもらっているのである。これでは道理が通っていない。

日本も先進国として、いい加減にまっとうな国際貢献をすべきである。能書きを垂れず必要な法律は即座に整えるべきである。 外国から見ると、これでは自分勝手のわがままとしか映らない。この度の海賊対策の法整備が遅れた主な原因は公明党の反対によ るものだ。いくら性善説を信仰している政党といえども、相手は武装した海賊だ。自国の財産(船舶)を護る海賊対処法案は四の 五の言わず成立させるべきだ。世間(世界の現実)知らずの無責任な政党だ。

視点を変えると、ソマリア沖の海賊退治は海自にとって、貴重な実践経験の場になる。実際、ソマリア沖で展開している各国の軍隊も貴 重な実践訓練の場として捉えている。自衛隊は設立以来、米軍の後方支援やPKO活動の経験があるが、実戦での戦闘経験は皆無だ。 訓練と実戦は大違いだ。ソマリア沖の海賊は軍隊崩れが多く、ロケット砲などの重火器で武装しており、実戦経験にはもってこい の相手だ。今、日本海の向こうから日本に向けてミサイルを発射しようとしている国がある。そんな折、海賊退治もまともにできないような国 でどうするのか。


■本格的賞金レースの幕開け(09/03/24)

いよいよ日本にも本格的な賞金レースが幕開けした。3月22日に開催された「第3回東京マラソン」の賞金総額は1億840万と 発表された。優勝賞金は男女ともに800万円、2位は400万円、3位は200万円・・10位は10万円という具合だ。さらに世 界記録を出せば、何と3000万円、日本記録が500万円と発表された。大会パンフレットにもでかでかと載っていた。

やっと日本でも海外のビッグレースに肩を並べることがで きる大会が出てきたという感がある。昔から海外のレースでは賞金があるのが当たり前だ。賞金は多くの旬の選手を集め、白熱したレース を展開させ、あっと驚くエキサイティングな結果を生むものである。走る選手は気合いが入り、観る者にも興奮を与える。

日本のスポーツ界は昔からお金は不浄なものという概念が強い。マラソン界も然りである。しかし、優勝という名誉だけでは海外か ら強い選手は集まらない。世界から強い選手が集まり、ハイレベルな国際レースに作り上げるためには高額賞金は大切な要素だ。現行の 国内大会の多くはビッグネームにギャラを支払って招待し、話題づくりをしている。閉鎖的で狡いやり方だ。これでは主催者の意志によ ってコントロールされたスケールの小さなレースになってしまう。

今後、東京マラソンの影響で各地に賞金レースは増えて行く来るだろう。日本国内に賞金レースが増えてくれば、現行のマラソン界の在り 方は大きく変貌することになる。日本のエリート選手のほとんどは企業が持つ実業団に所属して活動している。だから、会社の事情で選手 生命までが左右されてしまう。不況などで実業団が廃部されれば、所属ランラーたちは路頭に迷うことになるのである。

しかし、海外では獲得賞金で自立している一匹狼的なタフなランナーがたくさんいる。それは賞金レースがたくさんあって、プロの ランナーが育つ土壌があるからだ。今年の東京マラソンは閉鎖的な日本マラソン界に新しい風を吹き込んだということで、非常に意義の ある大会だった。


■虎の尾を踏んでしまった小沢(09/03/12)

米国にとって自民党政権に代わり民主党政権を受け入れることに異存はない。しかし、その党首である親中国派小沢が同盟国日本の 最高権力者(総理大臣)の座に就くことは容認できないのである。だから、小沢を党首の座から引きずり下ろすために、検察を 動かし、今月3日に小沢の公設秘書を政治資金規正法違反で逮捕させたのだ。ロッキード事件とよく似たパターンだ。

検察が動 いたのは、国策捜査でも何でもない。米国が間接的に動かしたと考えた方が妥当だ。具体的にはCIAの仕業だ。こう考えるとす べてにおいて辻褄があう。日本の検察を動かすやり方は、それなりの証拠を検察にリークするという古典的なやり方だ。

かつて、飛ぶ鳥を落とす勢いだった田中角栄を失脚させたのもCIAの仕業だ。いわゆる、これがロッキード事件だ。 原因は、米国の意に反して、中国に接近し過ぎた角栄を同盟国の最高権力者として見過ごす訳にはいかなかったのだ。これが 他国を食い物にして富を蓄えていくという戦略国家米国のやり方だ。

旧田中派の流れを汲む小沢はバリバリの親中派政治家である。2007年12月、中国の国家主席胡錦濤に会いに行った時、 借りてきた猫のように背筋を伸ばして、情けないくらい胡錦濤にペコペコへつらっていた。それに反して、米国に対しては、米国の 要請である「テロ特措法」延長には執拗に反対するなど、非友好的な態度をとり続けている。先月、訪日したクリントン米国務長官 に対してもそうだ。また、自衛隊の海外派遣に関しても、米国の意向よりも国連の決定事項を重視する考えを一貫して主張していた。 国際情勢に精通している人なら、この時点で小沢は米国にやられると思ったはずだ。

極めつけは、クリントンとの会談の後に「米海軍第七艦隊があれば、日本国内の米軍基地は不要」とまで言ってのけたことだ。 この言葉の直後に小沢の公設秘書が逮捕された。すなわち、小沢下ろしが実行に移されたということだ。クリントンが、先月のアジ ア歴訪の最後に米軍横田基地に立ち寄ったのもこの度の小沢下ろしと無関係とは思えない。なぜなら、横田基地には極東最大のCIA本 部があるからだ。このクラスの人間の行動に無駄な動きは決してないものだ。

また、この発言で、小沢は国防に関して、驚くほど無知だということを露呈してしまった。現状、自衛隊は主 に米軍と連携して訓練をしている。兵器がハイテク化すれば、ソフト面を握っている米軍と一緒でないと最新兵器が使いこなせない からだ。そんな事情で、すでに自衛隊は米軍の一部に組み込まれていると考えた方が妥当だ。今、テニアン島に建設中の広大な米軍事演 習地も米海 兵隊と自衛隊が合同で使うことになっている。最新兵器を米国から購入する限り、自衛隊だけでは日本の防衛は不可能というのが 現実なのである。

小沢は選挙戦略にしか能がない旧態の愚かな政治家だ。悲しいかな、日本は米国の同盟国というよりも、植民地みたいなものだ。 米国がそんな日本のリーダーに反米派の小沢を就かせるということなど決してあり得ない。


■対岸の火事ではないイスラエルのガザ侵攻(09/01/15)

昨年12月27日、イスラエルがイスラム原理主義組織ハマスの実効支配するガザ地区を空爆した。そして、 今日の時点 で約1000人ものパレスチナ人が死亡している。アメリカから供与された圧倒的な軍事力で、学校や病院など手当た り次第に攻撃している。一般市民もお構いなしだ。親イスラエル政権のブッシュ政権が退場するまでにハマスの壊滅を 狙って、焦っているのだ。

第2次世界大戦中、ユダヤ人はナチスによって大量虐殺された。そして、世界中の同情をかった。しかし、現在、 イスラエルのユダヤ人がパレスチナ人を大量虐殺し、アラブ諸国から憎しみをかっている。

かつて、ハリウッドスターのメル・ギブソンが「地図上からイスラエルと北朝鮮がなくなれば、どんなに世界は平和 になるだろう。」と言った名言を思い出す。その通り、核心を突いた名言だ。北朝鮮は放っておいても近い将来に終焉 を迎えるが、イスラエルはそうはいかない。

イスラエルは独立国家と云うよりも、中東に存在するアメリカの「一つの州」と考えた方が妥当だ。アメリカには イスラエル・ロビイストが政財界にゴマンといる。アメリカという巨大国家を牛耳っているのは一握りのユダヤ人とい っても過言ではない。

この度のガザ戦争が、もし、大産油国イランを巻き込むことになったら、世界の原油価格は再び高騰することになる。 それを密かに歓迎している国々も存在している。その急先鋒はロシアだ。唯一の国家財源である原油価格が値下がりし、 さらに金融危機が加わって、現在、相当な経済難に陥っている。絶大な人気を誇っていたプーチン&メドベージェフ政 権への支持率も、低下気味にある。それに、OPEC諸国もそうだ。OPECも国家財源の全てを原油に依存している という事情がある。

イスラエルがイランを巻き込む可能はゼロではない。なぜなら、ガザを実効支配しているハマスの最大スポンサー はイランだからだ。ハマスへの資金や武器の供給源として、イスラエルがイランを攻撃することも充分考えらる。それ にイスラエルはイランの核施設に非常な危機感を抱いている。チャンスがあれば、破壊したいと虎視眈々と狙っている。

逆にイランが先手を打つこともあり得る。ハマスの助っ人として、イランからイスラエル国内へミサイルを撃ち込むと いうシナリオもある。そうなると、シリアも対イスラエルで参戦することは間違いない。こうなると大規模な中東戦争 へと発展する。

今、イスラエルは大小300発程度の核兵器を保有している。敗戦が濃厚になると、すなわち、国家滅亡の危機 に直面すると、世界中の反イスラエル国家に向けて核ミサイルを一斉に発射するだろう。ユダヤ人なら躊躇なくやる。

地理的に遠く離れているからと言って、石油を中東に頼る日本にとっては、ガザ戦争は対岸の火事ではないのだ。 石油を通して日本経済と直結している。イランを巻き込んだ中東戦争へと発展すると石油の急騰は避けられない。

5日後の20日にアメリカ初の黒人大統領に就任するオバマはどんなパレスチナ政策をとるのだろうか。彼に残さ れたシナリオは少ないと思うのだが・・・。


■地球に優しい金融危機(09/01/01)

サブプライム住宅ローン問題に端を発した一連の金融危機、その延長線上にあるリーマンショック(9月)以降、 急激に世界中の経済活動に急ブレーキがかかった。ヨーロッパ、アジア、南米、ロシア、 中東をも巻き込んだアメリカ発の大津波のような金融危機で各国の経済活動が超スロー状態に突入したのである。

しかし、この世界規模の金融危機は我々人類にとって悪いことばかりでない。地球環境にとっては救世主だ。 9月以前には、各国のリーダーたちが京都議定書遵守云々を叫んでみても、CO2排出量は一向に削減される気配はなかった。 しかし、幸か不幸か、現在は各国のCO2排出量は急速に減少傾向にある。経済活動がスローになったからだ。 というよりも、ペテン師たちのパーティが終わり、人類のあるべき本来の姿に戻ったということだ。

世界の工場と言われた中国からのCO2排出量も激減している。世界各地で進んでいた宅地開発やリゾート開発が、 リーマンショック以降、急激にそのテンポが鈍ったり、中止されたりしている。

僅かだが、ここ1〜2ヶ月の間に南極上空のオゾンホールの縮小が確認された。効果覿面だ。 この状態が続けば急激な温暖化にもストップがかかるだろう。氷河の急激な崩壊も止まるだろう。 海面の上昇も止まるだろう。深層海流も正常に動き出すだろう。

昨年7月には1バレル147.27ドルという異常な高値を記録した原油価格も今では30ドル台に下落した。 原油価格の高値推移を想定して、シベリヤやアラスカの北極圏や北欧の海底などから原油を 汲み上げようとしていた高コスト油田開発は現行の原油価格では採算が取れない。 当然、中断に追い込まれる。

また、トウモロコシや砂糖キビを原料とするバイオエタノール燃料も原油価格がここまで下落すると採算が取れない。 バイオエタノール用の作物を栽培するための畑を確保する必要がなくなり、南米やアフリカの広大な焼き畑農業にもストップがかかる。 この結果、広大なジャングルが保護され、CO2削減に大きく貢献することになる。 しかし、そんなことよりも、そもそも食糧を車の燃料にするなんて、その発想自体が大間違いだ。

地球にとっては、この度の金融危機が必要だったのかも知れない。今年の正月、日本上空の空気も幾分きれいになったような気がする。


■戦略家プーチンの「ガスOPEC」(08/12/26)

今月23日に石油輸出国機構(OPEC)の天然ガス版である「ガス輸出国フォーラム」が正式に発足した。 いわゆる「ガスOPEC」である。これは元々イランの最高指導者ホメイニがロシアのプーチン大統領(当時)に 持ちかけた構想である。イランもロシアも天然ガス埋蔵量は世界でもトップクラスなので自ずと利害は一致したと いうことだ。

宗教家であるホメイニは天然ガスも石油と同じく「ガスOPEC」を作ることで一円でも高く売りたいと考えた程度 だろう。しかし、戦略家プーチンは「ガスOPEC」を利用して世界中の天然ガスの価格をコントロールして、 あわよくば、石油と同じく戦略物資として活用してやろうと考えたのである。確かに、2007年3月にこの構想が 初めて発表された時、ロシアに天然ガス供給を依存しているヨーロッパ各国は猛反発をしたものだ。

かつては、日本はインドネシアの石油が欲しいが故に太平洋戦争に突き進んだ。アメリカはイラクの石油権益が 欲しいが故にイラクに侵攻した。これからも分かるように石油は戦争の原因になり得るほど重要な戦略物資だが、 天然ガスで戦争が起こった試しはない。 ヨーロッパ各国がそうであるように、ガスはせいぜい暖房や料理に使う程度である。電気や石油に代替がきく。

日中の懸案事項である東シナ海ガス田問題にしても、もし、これが油田であれば、中国側は最初から軍艦を 派遣するなどのもっと強い態度に出ている。そして、アメリカが腰抜け日本に代わってこれを 強くけん制するという構図になっているはずだ。

石油は今も昔も国家の最重要戦略物資だ。戦略家プーチンといえども、どう策を練っても天然ガスは戦略物資と はなり得ない。なぜなら、ガスで戦闘機は飛ばないし、軍艦や戦車もガスでは動かない。


■雑誌「トライスロンJAPAN」休刊に想う(08/12/18)

日本で唯一のトライアスロン雑誌であるトライアスロンJAPAN誌(愛称TJ)が2009年1月5日発売号を最後に休刊になることが決まった。 創刊は1984年だから24年間の長きに亘ってトライアスリートのバイブルとして愛読されてきた。

しかし、休刊になるということは売れていなかったということだ。 すなわち、読者となるべきトライアスロン愛好家の人口が少ないということだ。 この手の専門誌は1万部売れたらヨシとされると言われているので、おそらくそれ以下だったのだろう。

因みに、欧米のトライアスロン雑誌はワクワクするような美しいカラフルなレース写真や記事がほとんどでTJのようなハウツーものはない。 これは編集に充てられる予算の違いだろう。

以前から日本の風土にはトライアスロンと云う競技は向いていないと感じていた。 その証拠に、佐渡島や宮古島という辺鄙な場所にしかよい大会が生まれていない。 それは関東や関西の人口の多い地域にトライアスロンレースを作ることができないからだ。 その原因は道路使用が許されないことにある。 近場に誰もが参加したいと思うレースがなければ、そのスポーツ人口は増えることはない。 出場したいレースがあってこそ、普段から練習もするというものである。

道路が使用できないという理由で、公園を使っての安易なトライアスロン大会がある。 しかし、あれは単に3種目競技であって大自然の中で遊ぶというトライアスロン本来の醍醐味を味わえない。 キッズには向いているが、大人が参加して、あれをトライアスロンだと思ってしまうと、がっかりしてトライアスロン人口が増えることはない。 大人向けのプール競技開催は止めた方がいい。

日本では市町村に道路使用の権限はない。それは警察にある。 海外の場合、ほとんどの国では市町村の長(市長としておこう)が道路使用の権限を持っている。 警察は市長の下にある一組織に過ぎない。 だから、市長が「やれ!」と命令すれば、警察官はそれに従う。

しかし、日本の場合は、お得意の縦割り組織となっており、市町村にある警察署の警察官は知事のラインに属している。 さらに、署長などのエリート警察官僚はキャリアと言われる国家公務員だ。 だから、その地域にありながら市民の代表である市長は警察に対して何の権限も持っていない。 そこに暮らす市民から見るとおかしな話だ。

市町村は地域活性化のためにイベントを催したい。 しかし、警察は万年人手不足状態で、新たな仕事(イベント)は増やしたくない。 許可を出して、もし、事故が起これば責任を追及される。 その代表的な例が2001年夏に起こったJR朝霧駅での花火大会死亡事故だ。 裁判の結果、警察に有罪判決が下った。あの判決は全国の警察官にとってショッキングな出来事だった。 その結果、あれ以降、急激にイベントの開催は全国的に困難になった。 それにしても、あの判決は警察にとって気の毒だ。

道路使用許可を出すのは警察だが、それを指導するのは国の行政だ。 国の行政組織を改革しないことには、この国でのトライアスロンの発展はあり得ない。


■年金テロか?(08/11/25)

今、世界の経済に暗い影を落としている米国発の金融危機と日本の年金問題とはその根底にあるモノがよく似ている。 それはタレントたけしのギャグ「赤信号、皆で渡れば怖くない。」という誤った思い込みである。

サブプライムローン的なやり方は遅かれ早かれ破綻するということは金融工学上明確だったはずだ。 しかし、証券会社の経営者たちは、臭いものには蓋をして、今がよければ後は何とかなるだろうという無責任さである。 そして、彼らは巨万の富を手にした。一言で言えば、詐欺であり、正しくペテンである。 そして、日本の年金問題も社会保険庁の職務怠慢と無責任さからくる不作為という名の犯罪である。

どちらにも共通するのは「政府公認の下、大勢の人間によって長年に亘って堂々となされてきた組織犯罪である。」ということである。 さらに、「その間、その親玉たちは甘い汁を吸い続け、何のペナルティも受けず、今も悠々自適に暮らしている。」ということである。 この点の不公平に対して、米国民も日本国民も怒っているのである。

今月、元厚生事務次官宅が相次いで襲われた。 襲われたのは日本の年金システムを根底から破壊してしまった人たちの親玉だ。 彼らに対して日本国民は怒り心頭に達しているには確かだ。 しかし、この襲撃犯を捕えてみると、犯行動機は皆が考えた年金問題ではなさそうだ。 このタイミングでピントの外れた人騒がせな大ばか者だ。

また、事件発生当初、麻生総理はこの犯罪を年金問題が犯行動機と考えて、TVインタビューでテロと呼んでいた。 しかし、テロと呼ぶなら、むしろ年金システムを破壊した社会保険庁や世界的金融危機を招いた リーマンブラザーズやゴールドマンサックスなどの米証券会社の数々の悪行が相応しい。

ここで麻生総理についておもしろい話をひとつ。 麻生という発音は英語の「asshole(アソー)」と同じで、その意味するところは、「けつの穴」とか「くそったれ」と言う下品な言葉で、 学校では使ってはいけない言葉のトップランクに位置している。 麻生が総理になった時、ジョーク好きのアメリカ人たちはこの話で盛り上がっていたものだ。


■金正日の死と韓国経済(08/11/2)

北朝鮮では金正日は宗教団体の教祖に等しい。 その金正日はまもなく死ぬ。そうなると、国の箍(たが)が外れる。 金正日の死後は軍部が実権を握るであろう。しかし、箍の外れた軍部ではこれまで通り人民を統率することは不可能だ。 その結果、各地で暴動が勃発し、陸続きの中国や韓国に多くの人民が土石流の如く難民となって流出していくだろう。

こうなると大国の中国は吸収できても、韓国のダメージは計り知れないほど大きい。 同胞として人道的な見地から大量の難民を受け入れざるを得ない。 さらに、北の国内が安定するだけの多額の経済援助を直ちに実行する必要がある。 そうしないと難民の流入は止まらない。 しかし、それをやるには韓国経済のスケールは余りにも小さ過ぎる。 1990年に西ドイツが東ドイツを併合したように韓国が北を併合することは、その経済力からして到底不可能なことだ。 そんなことをしたら韓国経済も破綻し、朝鮮半島は大混乱に陥ることになる。

反日政策、反米政策、親北政策を掲げた前政権の盧武鉉時代なら日米両国の援助はあり得ない。 その結果、韓国の経済は破綻し、北国内には中国にバックアップされた傀儡政権が樹立されるというシナリオしかなかった。

しかし、盧武鉉と反対の政策を取る李明博現政権となると話は大きく違ってくる。 間髪を置かず、米国も日本も大規模な経済援助を実施することになるだろう。 さらに米国は朝鮮半島の治安維持に軍の投入もやるだろう。 米軍に続いて、日本の自衛隊も口実を設けて治安維持に投入されることになるだろう。 そして、日米韓の軍隊が協力して朝鮮半島の治安を回復させるため展開することになる。 隣国韓国の安定は日本の平和にとって最優先事項だ。 日本政府はこの非常事態に対応できるように早急に米国と対応策を練っておくべきだ。

米国や日本が大規模な経済援助を実施しても韓国経済が大きなダメージを受けることは間違いない。 1997年のアジア通貨危機の時よりさらに大きな経済的ダメージを受けることになるだろう。 そして、韓国通貨ウォンや韓国株はかつて経験したことがないほど安くなることは間違いない。

また、日本国民の懸案の事項である拉致問題に関しては、金正日の死を以てようやく解決に向けて前進することになる。 米国との朝鮮半島安定化策とは別に日本独自の拉致被害者救出のシナリオも練っておく方必要がある。 拉致問題解決に関しては他国を当てにしない方がよい。 金正日の死は近い。


■金融危機にも負けない戦略国家米国の本質(08/10/28)

経済金融アナリストたちは、サブプライムローン問題に端を発した金融危機で米国経済は破綻し、 世界は多極化へ向い、米国の覇権は終焉を迎えるだろうと論評している。 しかし、この考えは表の経済学の側面から捉えただけの推測に過ぎない。 確かに米国の国力は一時的には落ち込むだろうが、これだけでは米国の覇権がヨーロッパなどの他国に移ることは決してない。 なぜなら、米国は世界でも類を見ない獰猛な戦略国家であり、すでに多くの国々からカネが集まる仕組みを構築しているからだ。

例えば、世界最大の産油国サウジアラビアと例にとって見よう。 一見、石油の膨大な販売代金はサウジに100%ストレートに入ってくるものと考えがちだが、それは違う。 第4次中東戦争(1973年)以降、石油の売上金のほとんどは、先ず、米国に入り、そこで大部分を吸い上げられ、 その残りがサウジ政府に支払われるという仕組みになっている。 では、なぜそんな仕組みになっているのか。その巧妙な仕組み(罠)は以下である。

その当時、王族の独裁国家、すなわち、王国であるサウジをイラクの独裁者フセイン(現在は死亡)や イスラム原理主義国家イランが隙あらば侵略しようと狙っていしていた。 当時、これは周知の事実で、現にフセインが1990年にクェートを侵攻したことでも明白だ。 イラクやイランの存在を口実に米国がこれらの侵略国家から王国を護ってやろうと持ちかけた。 すなわち、民主主義を標榜する米国が王族の地位(独裁)を永久に保障してやろうというのだ。 その代償に、米国の兵器を買わされ、さらに、国家の近代化、すなわち、 発電設備や近代都市建設や道路などのインフラの構築を米国企業に発注することが約束されたのだ。

これらには膨大なカネがかかる。 そのカネを先に米国からの借り入金で賄うと形で行なわれた。 ここでサウジの不幸は100年経っても返済不可能な程の額に設定してあることである。 そして、この借金は今後の石油売上金で返済するという契約を締結させられた。 これが米国の巧妙なやり方(罠)で、兵器は今後永久的に最新式のものに買い換えていかねばならない。 現在、サウジの国防費は年間3兆円くらいである。 その金のほとんどが今後永久に米国に入る計算である。 さらに、インフラは常にメンテナンスをしていかねばならないときている。 最初の借入金と利息の返済、それにインフラの膨大なメンテナンス費用が石油の売上金から永久的に米国の懐に入るのである。

だから、いくら石油が売れても、売上金の大部分は先に米国の支払いに吸い取られてしまうのである。 すなわち、世界最大の産油国であるサウジの石油売上金の多くは、永久に米国に吸い取られる仕組みになっているのである。 ここで米国と云うのは、主に軍産官の複合体を指す。 そして、1990年以降、隣国クェートもサウジと同じ仕組みが組み込まれている。 仕組みは違えども、米国の集金マシーンにさせられている国々は中南米やアジアに数多く存在する。 米国のスーパーパワーの源は、まさにこの点にある。

残念だが、我が日本もそのひとつだ。 戦後、平和憲法という米国に都合の良い憲法を制定され、国防を100%米国に委ねるという日米同盟が制定された。 その結果、自衛隊は100%米国製の武器を購入しなくてはならない。 これらの兵器は米国の言い値である。 メンテナンスやランニングコストにも膨大なカネが要る。 年間、国防費に5兆円近いカネが充てられている。 すなわち、その国防費の大部分が米国に吸い取られるのである。 それも今後永久的に、である。 また、日本国内ある米軍基地の維持費も支払わねばならい。 さらに、戦略物資である食料についても、巧妙に田畑の減反政策を強いられ、 米国からの食料輸入なしではやっていけない国にさせられてしまっている。

それだけではない。 大量の米国債も買わされる。 現在、日本は90兆円ちかい米国債を持っている。 米国のポチである日本はこれらの国債を売り払うことは永久にできない。 すなわち、90兆円を米国に唯同然でくれてやっているのである。 さらに、世界政治の舞台でも米国と同じ行動を取り、米国の国益に叶うような行動をしなくてはならない。 この度の金融危機に際しても、米国から多くの国債を買わされることは間違いない。 すなわち、これらを考える時、米国の覇権はまだまだ続くと考えておく方がよい。


■オバマに追い風(08/10/3)

サブプライムローン問題から始まった一連の金融危機で共和党マケイン大統領誕生の目は完全に消え去った。 この金融危機は明らかにブッシュ政権の失策だ。 そのブッシュ大統領は共和党であり、その後継者と見なされているマケインのダメージは大きい。 副大統領候補にペイリンという女性候補を引っ張り出し話題をさらったが、今となっては無意味なことだ。

大統領選挙戦の早い時期から行き過ぎたマネーゲームを批判し続けてきたオバマが断然有利な立場に立った恰好だ。 この度の金融危機は世界中のあらゆる人々にダメージを与えることになったが、ただ一人オバマにだけは追い風となったようだ。


■ペテン師たちのパーティは終わった(08/10/2)

9月29日、ブッシュ政権が恐慌回避のために打ち出した金融安定化法案 (金融機関の不良債権を75兆円という巨額の税金投入で買い取ろうという法案)が米下院で否決された。 これは米国民が下院議員に否決圧力をかけた結果だ。 米国民の心情はよく分かる。

金融マンという名のペテン師たちは住宅購入ローンに詐欺まがいのカラクリを仕組んだ。 それは返済ローンを組んだ最初の数年間は返済金額が年利約9%と少なく、その後返済金額が年利約16%へと増えていくというシステムだ。 ここまではよくある話だが、問題は返済金額が16%になる直前に他の銀行で借り換えを行ない、 再度、少ない金額を返済するというシステムである。

これを繰り返していけば、いつまで経っても少ない返済金額で済むという計算である。 これがサブプライム問題のそもそもの原因である。 この稚拙なカラクリが米金融システムを崩壊させてしまったのだ。 このペテンはいずれ破綻するということを誰もが感じていながら、一時の美酒に酔っていたのである。 これは詐欺と云う立派な組織犯罪だ。

ペテンによって高給を得てきた金融マンたちに何のペナルティも与えず、潰れそうになると、 国民の税金で救いの手を差し伸べ、今後も高給を取っていくということに米国民は納得がいかないのだ。 多くの一般国民にとっては金融システムの健全化よりも、そのアンフェア(不公平さ)が許せないのである。 実際、金融システム崩壊で大きくダメージを受けるのは一握りの富裕層であって、 株などの金融資産を持たない多くの中低所得者層の人たちにとっては、さほどのダメージを感じないからだ。

ペテン師たちは皆揃って高給取りだ。 年収が数千万円から億単位の者がゴロゴロいる。 証券大手リーマン・ブラザーズを破綻させたCEOの年収は、何と驚くことに300億円と言われている。 結局、経営者も社員も会社を潰しておきながら、己の金はしっかりと確保して辞めていく。 まさに勝ち逃げである。

今後、第2の金融安定化法案を可決するためにはペテン師たちに個人的なペナルティを課さなければ、 米国民はイエスとは言わないであろう。

10年ほど前に、日本でも同じようなことがあった。 バブル経済崩壊後、瀕死状態に陥った多くの金融機関を公的資金という名の税金を投入して助けた。 そのお陰で、銀行員たちはバブル時期も、バブル崩壊後も、今尚、分不相応の高給を取り続けている。 その当時、金融機関以外の会社や中小企業は冷たく切り捨てられた。 この点が、今もって納得がいかない。 米国民の心情に共感を覚える。


■官僚・役人による不作為という名の犯罪(08/9/20)

先の参議院選挙でねじれ現象が起こってから官僚や役人の組織犯罪が次々に明るみになってきた。 先ず最初、国民に大きなインパクトを与えたのが社会保険庁による「年金記録問題」、続いて「年金記録改ざん問題」などだ。 それに加え、今度は農水省に事故米問題だ。

これらの根っこにあるのは全て役人による不作為と云う犯罪だ。 不作為とは「何もしないこと」である。 悪事を働くのも犯罪だが、やるべきことをしないのも立派な犯罪だ。

いくらウルグアイラウンドで海外から米を一定量購入しなくてはならないと言っても、 カビ米や汚染米を2000トンも売付けられたら返品すべきで、それをせず、正規の代金を支払うなんて、職務怠慢にも程がある。 これは不作為と云う立派な犯罪だ。 担当者名を公表し、処罰すべきである。 それがなされていないことが大問題 (罰せられない公務員の犯罪)なのだ。 それをやらないと、役人による不作為という犯罪はなくならない。 大臣や事務次官が辞任すれば済む問題ではない。

中国には「食の安全がない」とか「役人が腐敗している」とか論評するが、 日本もそんな中国と何ら変わるところがないと思える今日この頃である。


■露、グルジア侵攻と原油高騰の終焉(08/9/12)

欧米は、8月8日にロシアのグルジア侵攻を見て、ロシアの国力を削ぐことで一致したと考えられる。 仮想敵国ロシアのこれ以上の台頭は冷戦時代を彷彿させ危険と感じたのである。

現大統領メドベーゼジェフは単なるプーチンのイエスマンではない。 メドベージェフなくして、今のロシアはないと言っても過言ではない。 プーチンの下でガスプロムの社長として石油や天然ガスを武器に資源戦略を展開し、貧乏国ロシアを短期間でここまで豊かな国にした立役者である。 非常に優秀な戦略家である。 すなわち、欧米からみると、非常に危険な男なのである。 その男とプーチンに率いられるロシアは危険な国になったと踏んだのである。

ロシアは欧米の予想を超えて遥かに急速に国力をつけてきた。 ロシアがグルジアに侵攻した後も欧米の圧力に屈せず撤退の気配を見せていない。 それも国力が付き、軍事力に自信ができてきたからだ。 国際政治の舞台で最終的にモノを言うのはやはり軍事力だ。 話合いではない。 さらに、米国へのけん制の意味を込めて、今月10日に南米ベネズエラに戦略爆撃機「ツポレフ160」を2機訓練飛行という名目で飛来させた。 こんなことはベルリンの壁崩壊後、初めてのことである。

エリティン時代、ロシア経済は破綻状態だった。 それがプーチン時代になってこれほど国力をつけることができたのは、石油&天然ガスなどの化石燃料の価格が急激に高騰したためである。 この点がロシアの強味でもあり、また、弱味でもある。

1983年に米国レーガン政権はWTIという 原油先物相場で価格を決定する仕組みを構築したことで、OPECから原油の価格決定権を取上げてしまった。 これで将来に亘って、米国が戦略物資である原油を自由にコントロールできるはずだった。 ところが、ヘッジファンドなどの投機マネーが原油先物相場へ流れ込み、 さらに最近のサブプライムローン問題など他の要因で、 さらなる投機マネーが原油先物相場に流入し、予想を超えて急激な原油高騰を招いてしまった。 その結果、石油産出量世界第2位のロシアが急激に経済力を付け、当然のことながら軍事力も増強されることになった。

以前から、米国で原油高騰を歓迎する人々と反対する人々のグループがあった。 歓迎する人々はネオコンと呼ばれる人々で、イラクの戦後を原油マネーで復興させようとするグループだ。 しかし、ロシアのグルジア侵攻を機に原油価格を安値誘導しようとする気配が米国内で急激に強くなった。

原油の価格を下げることは、米国にとってはそれほど難しいことでない。 原油取引価格の基準となっているWTIの値を下げればよいだけのことで、ここへ流入する膨大な投機マネーの一部をストップすればよいのである。 法規制や課税など方法はいくらでもある。 また、最近、欧米の反ロシア投資家たちは自主的に原油先物相場への投資を控え始めた。 その結果、石油の価格は下落傾向にある。

こうなると、国家財源の全てが石油や天然ガスという化石燃料しか持たないロシアは一気に国力が削がれることになる。 ロシアに対抗するには武器は要らない。 原油の価格さえ下落させればよいのである。 米国が原油価格を下げる方向にシフトした今、これまでのような異常な原油高騰の時代は終わり、需給バランスによる適正価格に落ち着くだろう。


■熱帯化する日本(08/9/6)

昨今のゲリラ豪雨と呼ばれている局地的な豪雨は熱帯特有のスコールそのものだと感じている。 今夏、各地で過去の降雨量記録を更新しているのがその証拠だ。 都市部のヒートアイランド現象による集中豪雨とは全く違う。 15年前から年中頻繁に南の島マリアナ諸島を訪れている者の目には、ゲリラ豪雨は熱帯のスコールそのものと映る。 きっと地球温暖化で緯度の高い位置にある日本が熱帯化したのだろう。

雨雲の発生具合や雨の降り方もスコールそのものだ。 何もなかった上空に突然雨雲が発生するという具合だ。 降り方を観ても、上空の雲がキノコの傘の部分で、降る雨がキノコの足の部分のようで、スコールと全く同じ映像だ。

気象庁も各TV局の天気予報士もゲリラ豪雨を熱帯特有のスコールと同じものだと考えている人はいないように思えるが、 過去の日本で起こった集中豪雨とは全く異なるものと捉えて対策を練った法がよいと思われる。

温暖化で台風と同じく、夏になると今後将来に亘って毎年起り得る現象ということだ。 そう捉えると、対策も講じ易く、被害を食い止め易くなる。 南の島のノウハウを真似すればよいのである。

谷間や低地や川の近くには家屋を買わない、建てない。 山斜面や斜面を造成した土地に建てられた家屋は買わない、建てない。 鉄筋コンクリート造りの家屋を建てる。 雨雲が少しでもあれば、川遊びは中止する。

すでに建っている家屋については、来年からの豪雨に備えて充分な対策を講じておく。 「もう、来ないだろう」という希望的観測は捨てる。 今年、ゲリラ豪雨に襲われた地域は来年も襲われる可能性が極めて高い。 今年の8月中旬から下旬に各地を襲った豪雨のように、スコールならば、毎年同じ時期に頻繁に起こり得る現象なのである。


■米国を恐れた福田(08/9/4)

今月1日夜9時に福田康夫総理が突然辞任を発表した。 福田も安倍前総理と同じくケンカができなかったということだ。 福田は話合いで政治ができると信じているところが、すでに政治家失格だ。 このお馬鹿なところは元総理の息子として育った所為だ。 外交交渉と同じで、政治の世界は話せば分かる奴など一人もいない。

福田は心底魅力のない政治家だった。 外交面でも内政面でも、現在の目まぐるしい変化についていけずアップアップ状態だった。 一国のリーダーとしての資質は全くなかった。 野党民主党や連立を組む公明党にも叩かれ、身内の自民党にも国民に見捨てられ、辞任しか手はなかったのである。 哀れな最高権力者だった。 ようやく今になって、話せば分かる奴など誰一人いなかったということが身に沁みて分かったはずだ。

1年前、自民党全派閥が推して福田を総理に祭り上げた。 その福田がたった1年しか持たなかったということは、すでに自民党が内部崩壊してしまっているという証拠である。 こうなった以上、一刻も早く衆議院を解散して国民に信を問うべきである。 創価学会の票がなければ、選挙を戦えないような自民党はもはや一端の政党とはいえない。 今にして思えば、小泉純一郎はほんとうに自民党をぶっ壊してしまったということだ。

北朝鮮や中国などの一党独裁国家を除けば、政治のねじれ現状にある国は世界中にゴマンとある。 アメリカもその一つであるが、ブッシュは意に介さず、である。 政治家にはその程度のタフネスが必要であり、それが政治とういものである。 戦後、長きに亘って与党が過半数を占め続けてきたこと自体が異常であって、それ故、官僚との癒着に陥り、 結果的に年金問題などの国家システムを崩壊させる事態を招いたのである。

福田の不幸は日本が独立国ではないという現実にある。 軍事と外交を事実上米国に握られている日本は一端の独立国とは言えない。 国内問題だけなら福田の辞任はなかったはずだ。 福田を辞任に追い込んだ最大の原因は、安倍の時と同じく、インド洋での補給支援特措法(テロ特措法)の延長問題の困難さにある。

福田は民主党と公明党の態度にテロ特措法の成立は困難と踏んだのである。 これを成立させなければ、昼夜を問わず米国から恫喝にも似た執拗なプレッシャーを受ける羽目になる。 そのやり方は福田をターゲットにした個人攻撃で決して紳士的なものではない。 それが米国のやり方だ。それこそ話せば分かる相手ではない。 すなわち、米国からの恫喝を恐れるあまり、 政権を放り出したのである。


■北の外交力のカラクリ(08/8/16)

北は外交交渉に長けている。 日本人の誰もがそう感じているだろう。 結局、あの悪の枢軸と叫んでいたブッシュ政権ですら北を「テロ支援国家」の指定国家リストから外すと言わざるを得ないように追い込んでしまった。 戦略外交においては、明らかに北の勝利を示している。 米国も日本も北に完敗だ。

では、なぜ北の外交がこれほどまでに長けているのかというと、その理由は簡単明瞭だ。 日本国内に朝鮮総連という巨大な北の工作機関が存在するからだ。 すなわち、総連を通して、日本や米国の情報を容易に入手できる立場にあるからだ。 外交交渉に勝つには相手国の情報をどれだけ入手できたかで勝負が決まる。

朝鮮総連というのは、日本国内に存在する歴とした北の出先機関なのである。 日本国内で自由に活動できる最強の諜報機関であり、且つ、最強の工作機関でもある。 それに加えて、万景峰号という日本と北をダイレクトに繋ぐ輸送ルートもある。 総連や万景峰号は日本人拉致にも重要な役割を担った。

それに反して、日本や米国は北にどんな出先機関も持っていない。 そもそも他国に出先機関を置くということは、2国間の相互平等条約であって、北が日本に総連を置くならば、 日本も北に政府の出先機関を置くべきなのである。 これが未だにできておらず、その不平等を指摘する政治家が一人もいないのは情けない。 すなわち、これを言い出すことは長年タブーとされているからだ。 これは総連の影響力が日本の中枢、すなわち、永田町に根深く巣くっていることを示している。

総連の重要な任務の一つに政治家や官僚を取り込んで、北の手先として巧みに利用することにある。 かつての自民党副総裁金丸信や社会党党首土井たか子、それに、小渕内閣官房長官野中広務等などの親北派はよく知られている。 彼らは拉致被害者救出を置き去りにして、北を擁護したり、貢物を差し出したりしていた大馬鹿者であった。 2年前、現福田総理の事務所へも総連からカネが振り込まれていたこと発覚した。 慌てて返金したが、そういう問題でない。 福田も北との繋がりは古く親父の代から続いている。

さらに、深刻なのはキャリアと呼ばれる上級公務員である官僚たちの多くが北の手先となって働いていることだ。 実務レベルの人間が北の手先というのは非常に深刻だ。 日本人拉致事件が長年に亘って放置され続けてきたのも、また、未だに解決できていないのも、 政治家や官僚に北の息がかかった輩が多くいるからだ。

先日(13日)、中国瀋陽で開かれた日朝実務者協議で北が拉致問題解明の再調査組織を立ち上げただけで 日本側が北の工作船万景峰号の入港を認めるという理不尽な結果になった。 これはこの交渉に当たった斎木外務省アジア大洋州局長とそれを容認した福田内閣が無能だからだ。 こんなものは交渉でも何でもない。 北の言いなりだ。 これではこの外務省官僚も新北派と考えざるを得ない。 先の小泉政権時代に日本人拉致問題で北と交渉に当たった外務省官僚も北の息のかかった親北派官僚だった。

だいたいにして、北とのタフな交渉に保身&事なかれ主義で塗り固められた官僚を当たらすなんて以ての外である。 ケンカのできるプロの交渉人を雇うべきである。

拉致問題の完全解決に向けて、日本が早急にするべきことは、実りのない交渉よりも、 北国内に日本の出先機関を置くか、或いは、朝鮮総連を解体すべきなのである。 これができないと日本はいつまで経っても北にいいように利用され続けることになる。


■竹島問題と貧弱な福田外交(08/7/28)

今月14日に文部科学省、すなわち、日本政府は中学校の新学習指導要領解説書に初めて竹島を日本古来の領土と記載した。 竹島問題は、李明博政権が米国産牛肉輸入問題で混乱している時期に敢えて取上げるべき問題ではない。 米国が北をテロ指定国家から外すならば、日本は韓国を利用して、すなわち、味方につけて拉致問題を解決する以外に方法はない。 さらに、現行の6カ国協議を日本有利に運ぶためにはどうしても必要なパートナーが韓国だ。

本音の部分では米国も、中国やロシアと同様、北に対して拉致問題を最優先する日本に嫌悪感を持っている。 米国にとって重要なのは、北の核がテロリストに拡散し、自国を攻撃されることから防ぐことにある。 すなわち、9・11の悪夢を防ぐことにある。 それに比べたら日本人拉致問題など取るに足らない小さな問題なのである。 最大の責任は、この問題を長い間放置してきた日本政府、すなわち、政権政党だった自民党にあるのだから。 今、ブッシュ政権末期を目前に、最近のヒルやライスの言動からも、その苛立ちが読み取れる。 しかし、我々日本人にとっては、そうは行かない最重要問題である。

反日だった前盧武鉉政権と違って李明博政権は日本の立場を理解しており、協調共存のシグナルを発していた。 日本人拉致問題を解決するにはどうしても韓国の助けが必要ということを理解しているからだ。 だから、ここは敢えて竹島問題を取上げず、李明博政権に恩を売っておく方が遥かに国益に適うというもの。

そうすれば、さらに、その後も韓国に対する効果的な外交カードとして竹島問題が生きてくる。 それをお馬鹿な福田政権は台無しにしてしまった。 いまさら教科書に何を書こうとも竹島は日本のものにはならない。 島根県や鳥取県の一部漁民の圧力はあったのだろうが、ここは敢えて大きな視点に立って国益を取るべきだった。

結局、日本と韓国とを仲違いさせることで一番得をしたのは北の将軍様だ。 この問題に北の力が働いた可能性は高い。 なぜなら、韓国同様、日本の政界や官僚にも北のシンパやスリーパーが多くいることを忘れてはならない。

因みに、そもそも領土問題というものは現時点で実効支配している国のものである。 日本がどうあがこうが竹島は韓国のものなのである。 武力行使でもしない限り・・・。 それをしっかり認識して外交を展開しないとダメだ。


■韓国BSE騒動と北の扇動(08/06/20)

米国産牛肉輸入再開問題で韓国李明博政権がピンチに陥っている。 いくら喜怒哀楽の激しい民族の韓国国民と言っても、これほどまでに長期に亘って、しかも数万人ものろうそくデモは異状だ。 尋常ではない。 背後には北朝鮮に手厳しい李明博政権をヨシとしない輩、すなわち、 韓国に植えつけられた多くの北のスリーパーたちがデモを煽り、この状況を作り出していると考えるのが妥当だ。

さらに韓国メディアもこの異常なBSE騒動の扇動に一役買っている状況にある。 韓国のメディアには日本のメディアと比較にならないくらい多くの北のスリーパーが植え込まれている。 つまり、この騒ぎの黒幕は北朝鮮なのである。 これで北は韓国国民や政府を操る新たな手法を手に入れたことになる。 今、金正日は祝杯を挙げているに違いない。

李明博としては、低迷する景気回復策の一環として数億ドル程度の牛肉を米国から輸入して、 その百倍もの自動車や電気製品を米国に売り込もうとしたのである。 BSEなどは輸入時にしっかりとチャックさえすれば、これほどまでに取り立てて騒ぐ問題ではない。 一時はストップされたが、日本だって長年に亘って米国産牛肉を食べ続けている。 過去、米国産牛肉が原因で、BSEにかかった日本人は皆無である。 日本人にも言える事だが、BSE問題はそれほど神経質になる種類の問題ではない。 もっと危険度の高い食べ物は他に数多ある。

今、月に1万人以上もの多くの韓国人がサイパンに観光で訪れている。 その彼らを見ていると、レストランで骨付きカルビを皿に山と盛ってバクバク食べている。 韓国内のBSE騒動などどこ吹く風である。 これが普通の韓国人の姿だ。 心底BSEを怖がっていれば、USテリトリーであるサイパンで骨付きカルビをバクバク食べることなどしない。

日本は自国の国益のためにも李明博政権を背後から擁護すべきある。 今、このタイミングで竹島が日本国固有の領土であると次年度の教科書に明記するという意見が出てきているが、 この時期に国益を考えるならば、この記述は控えるべきである。 過去に拘らず未来志向で日本と向き合いたいとする李明博政権は日本にとって大切な友人である。 臨機応変に可能な限りバックアップすべきである。 それが日本の国益に繋がるというものである。


■最後の切り札「消費税」(08/05/13)

今、日本中を騒がせているガソリン税の暫定税率や後期高齢者医療制度、それに道路特定財源問題などを見ていると、税金の徴収方法に問題がある。 国を発展させ、国民が平和に、且つ、豊かに暮らすためには道路などのインフラ、 それに医療や福祉や健康保険制度などのセイフティネットの充実は不可欠である。 そのためにはそれなりの財源が必要であり、それは国民誰もが理解している。 そして、その為に税金を支払うことに異存はない。 しかし、現行のように多くの国民が納得できないような徴収方法には大いに問題がある。 社会的弱者である高齢者から徴収するなんて以ての外である。

単純明快で、透明性のある、且つ、誰もが納得できる平等な税の徴収方法を採用しなくてはダメだ。 それには消費税以外にない。 今後、20年先を考えた時、国家財源の柱を消費税にする以外に十分な財源確保の方法はない。 必要であれば、20%でも30%でもよい。 もちろん、それをこれまでのように官僚の天下り先である財団や公団がネコババしてしまうなんてことは論外である。

その時代に一番元気のある人々や企業は経済行為を大量に行なう。 反して、社会的弱者はそうでない。 経済行為の量に応じて税を徴収するのが消費税、よって、これほど平等な税の徴収方法は他にない。

問題はそれを政権政党が国民に説明し、実施する勇気があるかどうかである。 国民は馬鹿ではない。 消費税を国家財源の柱に据えたからといって、すなわち、消費税率をアップしたからと言って、選挙に敗れることない。 現行の訳の分からん徴収方法より遥かにマシである。 ぜなら、単純明快で透明性があり、且つ、平等だからである。 誰も文句の言いようがない。 それに、それ以外に今後日本の生きる道はないのだから。


■朝鮮半島のペテン、太陽政策退場(08/04/28)

福田政権になってからと云うもの、北による日本人拉致事件は全く隅っこに追いやられ、進展していない。 国内問題でいっぱいいっぱいの福田には拉致事件まで到底期待はできない。 唯一、福田がやったことは拉致事件で進展がないとして、 北からの輸入禁止や万景峰号などの北朝鮮船籍の入港禁止という経済制裁の延長を4月11日に閣議決定したことくらいだ。 こんなものは当然のことで、前政権からの引継ぎ案件で、何ら目新しいことではない。

しかし、隣国韓国では北の傀儡のような盧武鉉政権から李明博(イ・ミョンバク)政権に変り、対北政策は大きく変化した。 李明博政権は北への太陽政策を破棄し、友好国米国や日本と連携して北に対応するという政策を掲げた。 韓国の国益を考えると当然の政策である。 過去、金大中と盧武鉉の2人の大統領は約10年にわたって太陽政策というペテン政策を掲げ、韓国国民のカネを湯水のごとく北へ注いできたのである。 その結果、韓国の経済はガタガタになってしまった。 そして、そのカネで北は核を開発しただけで、南北関係は何ら改善されていない。 これはペテン以外の何物でもない。

盧武鉉政権の時代は、自国の経済をガタガタにしてまでも、北の将軍様に貢ぐことに懸命だった。 これはどう考えても合点がいかなかった。 韓国国民の多くもそう感じていた。 特に保守派の人たちはそうだった。 推測だが、盧武鉉の側近に北のスリーパーが潜入していたと考えると全てにおいて合点がいく。 平和を享受している我々日本人にはピンとこないかも知れないが、国際政治の舞台裏ではよくある話で、決して小説だけの話でない。

東西冷戦の時代、ベルリンの壁が存在し、ドイツが東西に分断していた時代の話だ。 ソ連の子分で共産党独裁国家東ドイツのスリーパーが西ドイツ首相ブラントの首席秘書官を約3年間(1972〜74)務めていた。 首席秘書官といえば、常に首相の傍にいて、政策立案の相談にのったり、外交政策のアドバイスをしたりする立場にある。 国家の命運を左右する最重要ポジションと言っても過言ではない。 そんな政府中枢に東ドイツ諜報機関シタージから送り込まれたスリーパーが潜入していたのである。 そのスリーパーの名はギュンター・ギョーム。 彼は敵対する西ドイツの機密情報やNATO最高軍事機密情報をシタージやソ連KGBに流し続けていたのである。 この事件は「ギョーム事件」として諜報の世界ではよく知られている。

盧武鉉政権が自国の経済をガタガタに疲弊させてまで北へ貢ぐという政策、 さらに、経済的にも関係が深い友好国の日本や米国への反日、反米感情政策を見る時、どうしても「ギョーム事件」に重ねて考え勝ちだった。 北のスリーパーが盧武鉉政権の中枢に潜入していた可能性が大と考えるのが妥当だ。 その理由は、東西ドイツと同じく、南北朝鮮も人種、言葉、習慣が同じ故、スリーパーを植え付け易く、 今尚、その存在は想像以上に多いと考えるのが妥当だ。

盧武鉉の退場、李明博の登場で金正日政権の崩壊がグッと早まったことは間違いない。 金正日政権は食料不足などの国内問題で、近い内に必ず崩壊する。


■サブプライムローン問題とニッポン(08/03/21)

今、アメリカの友人たちから「アメリカ国内の景気は非常に悪い。 それは日本人が想像している以上のものだよ。 」という生の声が聞こえてくる。 ということは、まだ当分の間、ドル安・円高・原油高は続くものと考えた方がよい。

サブプライムローン(低所得者向け住宅ローン)問題というアメリカ発の激震が世界の金融マーケットを大きく揺さ振っている。 この金融不安の原因はブッシュ政権の金融緩和政策と景気刺激政策と云う2本柱の金融政策の失敗にある。 アメリカの金融機関は、これらの金融政策に後押しされて返済能力の低い低所得者に住宅資金として、無責任にカネをバンバン貸し出した。 それによって住宅バブルが起こった。 そして、低所得者からの返済が行き詰まり、バブルが弾けたという構図である。 非常にシンプルな、バブル崩壊を絵に描いたような構図だ。

かつての日本で、銀行が不動産担保で担保価値以上のカネを無責任にバンバン貸し出し、その結果、不動産バブルが起こり、そして弾けた時と全く同じ構図だ。 しかし、このサブプライムの場合は日本のバブル崩壊とはちょっと違い、金融機関同士の金融債権のやり取りが複雑怪奇、 魑魅魍魎としており、我々金融素人にはよく理解できない。 貸出金を金融商品にして売ったり、買ったり、担保したり等々、これらの行為は実態の伴わない完全なマネーゲームの世界だ。

オバマ米大統領候補が選挙スピーチで「マネーゲームの世界では僅か10分間で労働者の年収を稼ぎ出すことができる。 」というフレーズをよく使っている。 しかし逆に言えば、10分間で労働者の年収を全てスッてしまうこともあるということである。 その良い例が、16日の米大手証券会社ベアー・スターンズの金融破綻だ。 僅か10日間で株価が70ドルから2ドルに暴落したのだ。 これぞ正しくマネーゲームだ。

サブプライムローン問題による米NY株価下落が世界中のマーケットに波及し、どこも軒並み株価が下落した。 当然、ドルも急激に下落した。 そして、サブプライムローン問題に絡んでいた国々は経済不況に陥ることになる。 これらの国々は、日本も含め、アメリカと関係の深い西側諸国、すなわち、アメリカと一緒になって実態の伴わないマネーゲームに興じていた国々だ。 だから、アメリカのお友達でない中東アラブ、ロシア、中国などはダメージが少ない。 そして、今、これらの国々は価値の下がったアメリカ企業や不動産を買収しようとする動きを見せている。

さらに、ドルの下落から原油市場に資金が流れ価格は今以上に上がる気配を見せている。 その結果、中東アラブやロシアなどの産油国へはさらなる巨額なオイルマネーがドンドン流入してくることになる。 このままでは近い将来、世界の経済バランスに大きな変化が起こることは必至だ。 勝ち組と負け組の顔ぶれが大きく違ってくることになる。

このままでは日本は確実に負け組にはいる。 いつまでも経済大国などとは言っていられない。 早急に激変する世界と対峙できる国家戦略を練ることが肝要だ。 現時点では、全くの無策状態だ。

例えば、攻撃的な国家ファンドを創設するのも一つの手だ。 その原資は数多ある官僚の天下り団体が抱え込んでいる巨額な資金を使えばよい。 さらに、今なら未だ年金基金も数十兆円は使える。

その他の方策としては、北方領土が使える。 以前から、プーチンは2島なら返還してもよいと言っている。 だから、いつまでも4島一括返還にこだわらず、2島返還で手を打ち、 北方領土周辺の陸地や海域の開発をテコに内需を拡大し、外資を呼び込み、日本国の価値を上げていくという手も有効だ。

しかし、問題は腐りきった官僚に手を引っ張ってもらわねば歩けない福田だ。 最重要ポストである日銀総裁を決めるのにも財務省の言いなりだ。 こんな福田ではハイスピードで激変を続ける世界の動きに付いていくことは不可能だ。 先ず、福田の退場が日本復活の第一歩になる。


■新彊ウイグル自治区と北京オリンピック(08/03/20)

10日から14日にかけて中国チベット自治区ラサで暴動が発生した。 8月の北京オリンピックを成功させるため、胡錦濤中国共産党政権が最も恐れていた暴動の一つだ。 1951年から中国共産党政権に侵略され続けているチベットにとっては、今、この時が中国の非道を国際社会に訴え、 中国共産党政権にダメージを与える最大で最後のチャンスなのだ。

さらに、中国共産党政権はもう一つの火種を抱えている。 それは、中国の西端に位置する新彊ウイグル自治区だ。 チベットよりもさらに激しい分離独立運動が80年ほど前から続いている。 シルクロードやタクラマカン砂漠で有名な地域だ。 インド、パキスタン、アフガニスタン、タジキスタン、ロシア、カザフスタン、モンゴル、キルギスなど、アジアの8カ国と国境を接しており、 民族もウイグル人、カザフ人、キルギス人などがほとんどで、宗教もイスラム教、文化もイスラムの影響が強く、漢民族の中国とは全く異質の地である。 ここが中国であること自体が不思議な感じだ。

今、このタイミングで、ウイグルで大規模デモや動乱が起こると、北京オリンピックは間違いなく吹っ飛んでしまう。 すなわち、北京オリンピックの成否はウイグルが握っていると言っても過言ではない。 そして、今、ウイグルは独立運動を起すタイミングを計っている公算が非常に強い。

それに対して、今、中国共産党政権はウイグルの治安維持に全力を挙げて取り組んでいることも100%間違いない。 水面下で中国共産党政権とウイグルとのせめぎ合いが続いているのである。

ウイグルの分離独立運動は「東トルキスタン独立運動」と呼ばれ、1930年頃から現在に至るまで活発に行なわれている。 中国とソ連によって潰されはしたものの、過去に2度に亘って独立が宣言されたこともある。 現在でも独立運動から生じるデモや暴動は多い。

1989年、ウイグル自治区の首都ウルムチで分離独立派による共産党幹部を狙った爆破事件が起こった。 その結果、見せしめとして数千人ものウイグル人が中国公安に虐殺された。 しかし、この虐殺事件があの第二次天安門事件と同時期だったため、西側メディアには小さく報道されたに過ぎなかった。

中国と云う国は、僅か8千万人ほどの共産党員が13億人もの民を支配している可笑しな国である。 すべての人民が共産主義者という訳では決してない。 その内の約1億人がチベット人やウイグル人のように言葉も文化も宗教も異なる漢民族以外の民族である。 このような形態の国家に平和が訪れるのは難しい。

こんな国でのオリンピックはボイコットした方がよい。 他にも大気汚染や食の安全など問題が多過ぎる。 世界がチベット弾圧に対して胡錦濤共産党政権に圧力をかけているというのに、 胡錦濤のポチになりたい福田政権は、いち早く「北京オリンピック、ボイコットせず。」を打ち出した。 空気が読めない戦後最低の政権である。


■囁かれるオバマ暗殺の危惧(08/02/28)

今月上旬のスーパーチューズデイ以降、ヒラリー・クリントン候補を抑えて、バラク・オバマ候補が10連勝と快進撃を続けている。 おそらく来月の予備選の大票田テキサス州でもオバマが勝つだろう。 選挙というものは、いつの時代も、どこの国でも、その時に勢いがある候補が勝つことを歴史が証明している。 だから、オバマが勝つ。 そして、イラク戦争撤退を掲げている民主党が勝つ。 すなわち、オバマは第44代米国大統領に就任する可能性が大なのでる。

この状況下、今、アメリカ人の間では、黒人であるオバマがアメリカ合衆国大統領に就任すれば、 故ケネディ大統領と同じように暗殺されることを危惧している人が多い。 そう考える理由は、人種問題以外に、オバマを取り巻く状況が、かつてのケネディを取り巻いていた状況と酷似しているからである。

ケネディが暗殺(1963年)された理由は、当時、ベトナムに正規軍を投入し、 本格的に参戦しようと目論んでいた軍産複合体(民間軍需産業+国防総省+CIA等々)に対し、 ケネディはベトナムから軍事顧問団を撤退させ、手を引こうとしていたことにある。 すなわち、ベトナムからの撤退という政策を掲げたことが暗殺に繋がったのである。 当時、米国は南ベトナムを支援するため千人規模の軍事顧問団を送り込んでいた状況にあった。

アメリカの巨大企業群である軍産複合体にとって、彼らが存続していくためには10年に一度くらいの割合で戦争(ボーナス)が必要なのである。 その理由から彼らにとっては、是が非でもベトナム戦争に本格参入する必要があった。 因みに、ケネディ死後、軍産複合体は後任大統領ジョンソンをして、思惑通りにベトナム戦争に本格参入していったのである。

ケンタッキー州ダラスでケネディを殺ったヒットマンはオズワルトというチンピラであったが、当然、黒幕は軍産複合体である。 そして、当時アメリカ政府は2039年に真犯人を公表するとして、この大事件の犯人探しに幕を下ろした。 犯人である軍産複合体の組織が余りにも巨大過ぎ、さらに政府の要人や官僚までが深く係わっているからだ。 この構図は現在の日本の年金記録紛失問題とよく似ている。 一握りのエリートが国家システムを牛耳っているアメリカらしい超法規的なやり方だ。 しかし、前後の状況からして、「軍産複合体」が殺ったことは間違いない。 今ではアメリカ人の誰もがそう信じている。

そして、今、アメリカ人はケネディ暗殺の構図を、現在のオバマに重ね合わせ、戦争を欲しているネオコンに暗殺されはしないかと危惧しているのでる。 当時の「ベトナム戦争」を現在の「イラク戦争」に、「軍産複合体」を「ネオコン」に置き換えれば、そっくり同じ構図が出来上がる。

しかし、当時と大きく違う点がある。 45年前のケネディ時代のシークレットサービスと現在のシークレットサービスとでは、その能力に雲泥の差がある点である。 ケネディ時代のシークレットサービスは要人警護が主な任務だったが 、現在のシークレットサービスは要人警護もさることながら、情報収集能力や分析・解析においても素晴しいものを持っている。 米国で最も小さい諜報機関だが、もっとも優秀な諜報機関と考えてよい。 その彼らが警護する大統領を、一昔前のように暗殺することは不可能に近い。 だからオバマの暗殺は起こりえないと考える方が妥当だ。

また、オバマが黒人であることからKKK(クークラックスクラン/白人至上主義集団)などの人種差別主義者による暗殺も危惧されている。 しかし、KKK組織は貧弱であり、彼らの数百倍優秀なシークレットサービスが警護する大統領を暗殺する能力はない。 この可能性もゼロに近い。


■危険な中国食品とチャイナ・スクール福田政権(08/02/22)

今、世間を騒がせている毒入り冷凍餃子に関して、中国は政府一丸となって対応し、一刻も早く沈静化しようと躍起になっている。 そして、 未だに河北省にある国営企業「天洋食品工業」を擁護し続けている。 国家品質監督検査検疫総局に至っては、天洋食品の衛生管理や人為的な薬物混入にも問題はなかったと完全否定している始末。 さらに、昨日21日、日本の警視庁長官が「農薬は中国で混入された。」とした見方を示したのに対し、 中国外務省長官は間髪を入れずに「推測に基づく判断は無責任だ。」と反発した。

片や、日本政府はそんな中国政府に対して、全く強いメッセージを発することができない。 何とも情けない腰抜け政府である。 福田政権の中枢にいる政治家たちは、そのほとんどが親中派であり、チャイナ・スクール(中国重視の立場の人を指す)と呼ばれる政治家ばかりである。 彼らは国民の食の安全より、中国政府のご機嫌ばかりを気にしているのである。

中国食品を食べて生死をさまよった国民が一人でもいる以上、政府は正規の外交ルートを通して中国政府に強く抗議すべきである。 それが国家というものである。 それでも、中国政府が今の態度を改めないのなら、今春に予定されている胡錦涛の訪日を拒否すればよい。 これは日本が今持っている最高のカードだ。 中国だってトップの訪日は10年振り、どうしても実現したいと切望しているはず。 ましてや面子を重んじるお国柄、日本に拒否されたとなると、反日派の人民が騒ぎ、政権基盤も弱体化する恐れがあることも認識しているはずだ。

しかし、情けないことに、福田政権にはこの手のタフな外交ができない。 交渉の何たるかを知らない福田に、まともな外交交渉などできるはずがない。 何事も話合いで事が解決できると信じているノー天気な男なのである。 双方の国益が絡んだ外交交渉は単なる話合いでない。 相手方の弱点を掴んで、それを突きつけて、有利に事を運ぶというタフな神経戦である。 政治家はケンカが強くないと務まらない。

今夏にオリンピックを控え、中国を取り巻いている状況を考慮すれば、断然日本の方が有利な立場にある。 この機に徹底的に攻めの外交戦術で、中国に「食品安全メカニズム」をしっかりと構築させなければならない。 なぜなら、好むと好まざると、今後長きに亘って日本は中国から食品を輸入しなければならないからである。

外交交渉を有利に運ぶためには、テーブルに付く前に相手の弱点を入手しておかねばならない。 そのためには自前の優秀な諜報機関が必要なのである。 しかし、福田には外交交渉における諜報の価値というものが全く理解できていない。 その証拠に安倍前政権が設立しようとしていた諜報機関(JCIA)構想をいとも簡単に廃案にしてしまった。 お馬鹿な男である。 まともな外交ができないのなら、一刻も早く政権を麻生に譲るか、民主党に譲るかする方がよい。 福田では国民の利益と安全は護れない。


■罰せられない公務員の犯罪(08/02/19)

最近の国会討論を聴いていると、自民党にとって分が悪いと云うか、とにかく野党の追及にタジタジの場面が多い。 今の自民党に政権政党としての余裕など全く感じられない。 年金記録紛失問題、薬害肝炎者リスト隠蔽問題、ガソリン税の暫定税率問題、数多ある官僚の天下り財団、株価下落に対する無策、 構造改革の停滞等々、どの問題においても、野党の言い分に理があるのは明らか。

国会討論を聴いていると、自民党はこれまで一貫して己と官僚(公務員)と一部利権団体のための政治しかやってこなかったのではないかと疑ってしまう。 中でも、年金問題や薬害肝炎問題は官僚個人や当時の政権政党の政治家個人の責任である。 それなのに、全くと言っていいほど、彼らは責任を取っていない。 この点が納得いかない。 これらは立派な犯罪である。

これらの犯罪が余りに長期間に亘って行なわれていたことや、お上(国家組織である公務員)の犯した犯罪であること、 それに犯罪に係わった人間が多すぎること等々から彼ら犯罪者個人への責任追及がウヤムヤになってしまっている。 これではまるでたけしのギャグ「赤信号、みんなで渡れば、怖くない」そのものである。

今尚、「知らぬ、存ぜぬ」でのほほんと優雅な暮らしを謳歌している犯罪者たちへの責任を、 過去の退職者にまで遡って、徹底的に追及し、罪を償ってもらわないと納得できない。 国家に騙され、見捨てられた年金被害者や薬害肝炎被害者は本当に可愛そうだ。

これらの問題は、明らかに社会保険庁の全職員、厚生労働省の全職員、自民党政治家の全員による犯罪である。 そして、現時点で最も責任ある立場の福田総理は全くの無策で、何事においても他人事のような「ボ〜」とした反応しか示せない。 これほどノー天気なリーダーは世界中どこを捜しても見当たらない。 一国のリーダーとしては失格だ。 かつて、日本の政治史上、これほどまでにお馬鹿な総理はかつていなかった。 ここまで落ちた以上、政権交代による国家システムの再構築に期待する以外、この国の正義を護る方法はない。


■歓迎すべき「衆参ねじれ国会」(08/01/30)

昨年夏(7月29日)の参議院選挙以来、民主党の躍進で「衆参ねじれ国会」と云われる現象が生まれている。 これは我々下々の国民にとっては歓迎すべき現象である。 この現象のお陰でこれまで闇に隠されていた様々な問題が炙りだされ、解決、または、解決しようとしている。 年金記録紛失問題然り、薬害肝炎者リスト隠蔽問題然り、防衛省私物化問題然り、ガソリン税暫定税率問題然りである。 これら全て官僚の怠慢&不作為、そして、自民党の管理能力の低さ&族議員の横行に原因がある。

この現象を生んだきっかけは、年金記録を管理する社会保険庁の50年間の長きに亘る怠慢&不作為を国民に公にしたことにある。 その功労者は最初(2006年6月)に国会で年金記録紛失問題を取上げた民主党長妻昭議員である。 彼がこの歓迎すべき「衆参ねじれ国会」を作り出したのである。 決して小心者の小沢ではないし、先の参院選に勝ったのも小沢の功績ではない。

今、揮発油税、いわゆる、ガソリン税の暫定税率延長が国会で議論されている。 民主党は廃止、自民党は存続である。 しかし、こんなものは議論の余地はない。 一般国民にとっては、即刻廃止である。 そして、1リッターに付き25円値下げすればよい。 今、原油高騰や穀物高騰によって消費者物価はどんどん高くなっている。 このタイミングで燃料費が下がるのは物価抑制に大きな効果をもたらす。 これをするのがまともな政治というものである。

自民党は暫定税率25円分(リッターに付)を道路建設&補修の財源にすると叫んでいる。 しかし、暫定税率を廃止しても、地元である地方が必要と思う道路は地方交付金から地元の責任で建設すれば済むことである。 そうすればもっと安いコストで建設できる。 何も中央官庁の国土交通省が采配を振るう必要は無い。 もう、官僚は己の天下り先確保に執着するというセコイ考えは捨てた方がよい。

世界中どこを探しても日本ほど道路の補修サイクルの短い国はない。 十分使える道路を壊して、造り代えている。 こんな馬鹿なことやっている国は日本以外にない。 それに、道路建設費は世界で一番高いし、建設スピードは世界で一番遅いときている。 これは道路財源が潤沢に確保できているためである。

自民党が暫定税率継続を叫ぶのは、全国の道路建設を生業とするゼネコン組織に金を配るという単純明快な理由からである。 当然、これらの業者から政治献金と云う形で、その金の一部がキックバックされてくる。 この構図は田中角栄時代から脈々と受け継がれている悪しき慣習である。 そして、継続を叫んでいる地方の組長(知事)も同じパターンで、その恩恵(キックバック)に与ることができるからである。

福田総理を筆頭に現政権の中核にいる政治家は道路族である。 国民のためではなく、一部の既得権益のために政治をやっているような連中である。 完全に小泉政権以前の旧態依然の古い自民党政権に戻ってしまっている。 今、暫定税率継続を放棄しなければ、福田政権は国民の支持率を失い、自民党は政権の座を追われることになる。 国民は馬鹿でない、しっかりと本質を見抜いている。

このガソリン税の暫定税率をこれほどまでに国民に注目させたのも「衆参ねじれ国会」の功績である。


■新テロ対策特措法成立と小沢の採決棄権(08/01/15)

「民主党の今後」(2007.8.13)で述べたように、 さらに、その後続いて、「新テロ特措法成立のシナリオ」 (2007.12.7)で述べた通りの進捗状況で新テロ特措法は2008年1月11日に成立した。 これを受けて、一番安堵したのは福田総理よりも、むしろ反対を唱えてきた民主党小沢の方だ。 なぜなら、「米国ブッシュ政権の恫喝」(2007.12.4)で 述べたように小沢個人も福田と同様に米国から執拗に恫喝を受けていたからである。

小沢は、本心では国益のため日米同盟が磐石であることが重要であり、その為にはインド洋上での自衛隊による給油活動が必要なことは百も承知していた。 しかし、昨年7月29日の参議院選挙で勝利し、その選挙公約上、意に反して、成り行きでテロ特措法延長に反対を表明する立場になってしまったのである。 調子付いて、米国に物言う強い政治家を演じてしまったのである。 これに米国が激怒したのである。

米国に反米政治家と云うレッテルが貼られてしまったら小沢の政治生命はなくなる。 小沢が最も恐れたのはこの点である。 政権から程遠い野党の政治家ならいざ知らず、今の民主党は政権を取る可能性が高い政党だ。 しかも小沢はその党首だ。 間違いなく抹殺される。 小沢の政治生命を絶つことくらい米国にとっては朝飯前である。 CIAは昔からこの手の工作を得意中の得意としている諜報機関だ。 かつて、米国の意に反して中国に接近し過ぎた田中角栄が米国に端を発した情報(ロッキード事件)が 元で抹殺されてしまったことを小沢はよく知っている。

11日の衆院本会議での新テロ特措法採決の際、小沢が採決を棄権したのは、小沢が米国へ送った「服従」を示すシグナルだ。 大阪府知事選応援の言い訳など詭弁に過ぎない。 おそらく米国から小沢に対し、「服従を明確に態度で示せ!」と恫喝されていたのであろう。

小沢は先の参議院選挙で勝利し、テロ特措法延長に反対を唱え、米国の逆鱗に触れて以来、 ずっと米国からの執拗な恫喝に夜も眠れない状態が続いていたのだ。 逆らう者は徹底的にやっつける。 米国とはそういう国なのである。 そう考えると、小沢のこの奇妙な行動にも合点が行く。

国家の根幹である国防を米国に頼っている以上、日本は一人前の独立国ではない。 サイパンと同じく米国の自治領である。 もうぼちぼち政府はこの点を明確に国民に伝えた方がよいのではないか。 日本は独立国だと勘違いしている国民が多過ぎる。


■穀物メジャー、危険極まりない世界戦略(08/01/05)

数年前、ガソリンに代わるエタノール燃料がマスコミに取上げられた頃からずっと危惧していたことがある。 それは人が食べる食料を燃料にするなんで間違っているということである。 食料を燃料に回せば、食料不足で価格が高騰し、結局は消費者に跳ね返ってくるからである。

そもそもエタノール燃料というのは、1973年の石油危機を契機にブラジルでサトウキビからエタノール燃料を造ったことに始まる。 だから、現在でもエタノール燃料においてはブラジルが一歩も二歩も先に行っている。 大農業国であるブラジル一国がエタノール燃料政策を推し進める一向に構わない。

しかし、世界各国が足並みを揃えてエタノール燃料を使うのは大いに問題がある。 特に、穀物輸入国である日本などは絶対にしてはならいことである。

2005年頃に石油最大消費国米国がエタノール燃料推進政策を打ち出した。 この時、穀物メジャーの新たな世界戦略が始まったことを感じた。 現在、米国カーギル社に代表される僅か数社の穀物メジャーによって、世界中の食料生産供給システムは掌握されている。 石油と同じく穀物も立派な戦略物資である。 彼らは一国の命運を左右するほどの強大な力を持っている。 あの中国ですら、穀物メジャーに頼らなくてはやっていけない。 食料自給率の低い日本などは、昔から穀物メジャーの支配下にある。 因みに、あの“マクドナルド”は彼らと切っても切れない関係にある。

彼らは世界各国に数百という営業所を置き、グローバルなネットワークを構築し、さらに、自前の人工衛星を持ち、 世界中の気象情報や穀物生育情報、その他、政治、軍事、紛争など、あらゆる情報を収集し、ビジネスに活用している。 彼らの情報収集能力はCIAのそれを遥かに超えていると考えてよい。

そして、世界戦略の第一歩として、先ず、米国ブッシュ政権を取り込んだのである。 米国がエタノール燃料政策を採用すれば、世界中に真似する国はたくさん出て来る。 日本もそうである。

エタノールの原料は主にサトウキビやナツメヤシやトウモロコシなどの穀物である。 ガソリンからエタノールに代える表向きの理油は、ガソリンより安価、CO2の削減、原油高騰へ対応策などが挙げられている。 しかし、一番得をするのは、何と言っても穀物メジャーである。 穀物の需要が増え、価格が高騰するからである。 穀物メジャーは、2001年の9・11NYテロ以降の原油高を利用して、エタノール燃料政策を世界中の国々に広げようと画策したのである。 同時に、彼らは原油の高値維持のため、莫大な資金を石油マーケットへ投入している。

問題は、これら穀物メジャーの全てが米国に拠点を置いて活動していることである。 すなわち、穀物メジャー=米国なのである。 言い換えれば、米国一国が世界の食料生産供給システムを全てコントロールしているのである。 非常に危険である。 遺伝子組替え等々、食の安全は米国に握られているということである。

今秋頃から世界的に小麦や大豆などの穀物価格が急騰している。 日本国内でもそれらを輸入し、原料やエサとする麺類や肉など多くの食品の値段が軒並み上がっている。 これらは全て彼らの仕業である。 近年、中国は対抗策として中国版穀物メジャーを構築しようと画策しているがうまくいっていない。

これら穀物メジャーの動きに対し、国際情勢に疎い福田政権は何の対抗策も採っていない。 一刻も早く石油エネルギー政策と同じく、穀物・食料に関しても国家がバックアップし、現存の商社を強化するなどの対抗策を採るべきである。


■KFCの2007年(08/01/01)

●2007年度、我々KFCが最も力を注いだイベントは地元である東京都青梅市で夏真っ盛りの8月に開催した 「第1回東京ヒルクライムNARIKIステージ」という自転車レースだ。 どんなレースでも最初の立上げ時には膨大なエネルギーを要するものだが、生活道路である都道を使おうとしたこのレースは特に苦労した。 日本では、サイクルスポーツはマラソンに比べて市民権を得ていないことも苦労した理由の一つだ。 それでもこのレースの舞台となる成木地区の人たちの大きな協力を得て、当初計画していた内容の50%程度のレースを開催することができた。

当初の計画というのは、川沿いのフラット・コースを5kmと厳しい上り坂の山岳ステージを5kmという変化に富んだコース設定だ。 昨年の大会をステップにして、今年は何とか100%満足のいくレースにしたと考えている。 そして、ヨーロッパのようにサイクル・スポーツもマラソンと同じく市民権を得られるものにできれば、と希望している。

●12月に赤道に近い南の島パラオ共和国で「第1回パラオ・レインボー・トライアスロン&スイム」というイベントを立ち上げた。 この時に感じたことだが、トライアスロンのように広範囲な道路を使い、且つ、大勢の人たちの理解と協力を必要とするスポーツイベントは、 その国家や国民が経済、治安、文化、教育などの面で、ある程度の水準まで成熟していないと開催は困難であるということを痛感した。

その意味ではパラオが開催可能な限界ギリギリラインの国と感じた。 パラオで大会をやったことで、今付き合っているマリアナ諸島のチャモロ人が如何に優秀な民族であるかを認識できた。 これはパラオ大会を経験しなければ分からなかったことだ。 我々KFCにとって大きな収穫だった。

さて、2008年はどんな年になるのだろうか。 今年も新しいことに挑戦して、エキサイティングな年にしたいものだ。


■新テロ特措法成立のシナリオ(07/12/07)

昨日、民主党党首小沢が中国を訪問した。 国会会期中のこの大切な時期に、これと言って用もないのに中国を訪問するということは、 新テロ対策特別措置法が今国会で成立するというシナリオが出来上がっていることを意味している。 すでに米国と福田と小沢との3者の間で、話がついていることを意味している。

そのシナリオは単純明快である。 今国会会期中にこの法案が参議院で審議され、民主党が中心になって直ちに否決する。 それを受けて、即、衆議院に差し戻され、一両日中に速攻で可決されるというものである。 できレースと云うやつである。

これによって小沢の面子も立ち、福田もヤレヤレ、米国は自衛隊に海上給油の再開をさせることができる。 手段や過程はどうあれ、米国の意向通り自衛隊による海上給油の再開は最初から分かっていたことで、 日米同盟が存続する限り、日本は米国の意向に逆らうことはできないのである。

事実上、日本は軍事と外交を米国に握られていおり、サイパンと同じく、米国の自治領みたいなものである。 そうは考えたくないが、それが事実なのである。 しかし、これまで日本は米国を非常に上手く利用して経済大国にのし上がってきた。 日本ほど米国を上手く利用している国は世界中さがしても日本以外にない。 対米外交に関しては素晴しい才能を持っている。 今後も米国を上手く利用して平和と発展を保持していくのが得策だ。


■米国ブッシュ政権の恫喝(07/12/04)

一ヶ月前の11月2日にテロ対策特別措置法が失効して、海上自衛隊によるインド洋上での燃料俸給活動が中断したままになっている。 そして、新テロ対策特別措置法案は未成立で、いつ給油再開できるかメドがたっていない。

そんな折、決して国民に明かされることはないが、米国ブッシュ政権から福田総理個人に対し 日々昼夜を問わず相当キツイプレッシャーが届いているはずである。 それは紳士的なものでは決してない。 日米同盟の破棄をにおわしたり、日米間の軍事情報の供給を遮断したり、経済制裁をにおわしたり等々、 プレッシャーというよりも恫喝に近いものと考えてよい。 個人攻撃が常套手段の米国に福田は眠れない夜が続いているはずだ。 米国とは、いや国際政治の駆け引きとはそんなものなのである。 安倍前総理が精神的に壊れてしまったのも、このことが原因のひとつになっていると考えてよい。

戦後一貫して米国は自国の都合に合うように日本の法律やシステムを力ずくで変えてきた。 外交活動も国連活動も米国の意に沿ったのもでなければならぬ。 日本の勝手な行動は許されていないのが現実である。 もちろん、武器購入もしかりである。 福田も給油再開ができなければ、政権の存続がないことは知っている。 だから、福田は何をおいても最優先で、一刻も早く燃料補給活動を再開したいのである。

残念ながら、日本は独り立ちできている国家ではない。 日米同盟で護られ、自国の憲法で手足をもがれた軍隊(自衛隊)しか持たず、兵器の肝の部分は米国に握られている。 さらに、日本国上空の制空権は戦後一貫して米軍に握られたままになっている。 すなわち、日本の航空機は米軍からお許しの出た空域しか飛行することができないのである。 こんな独立国がどこにあるというのか。 まして、独自の諜報機関もなく、米国から加工された情報をもらうことしかできない。 そんな国が米国の意に反することなどできる訳がない。

また、民主党小沢個人にもブッシュ政権から福田と同じく恫喝に近い強いプレッシャーがかけられているはずである。 国民に選挙公約はしたものの本心では燃料給油を一刻も早く再開したいと思っているのが本音。 だから、自民党との大連立を組むという奇策を練り、それを口実に新テロ対策特別措置法案を容認し、 燃料給油を再開させ、米国ブッシュ政権の怒りを静めようと企んだのである。 また、海上燃料給油よりも遥かに危険度が高い国際治安支援部隊(ISAF)に自衛隊が参加できるという訳の分からん理屈も 小沢の米国に向けたシグナルであって、小沢の相当な焦りの表れと考えてよい。

自民党であろうと民主党であろうと米国の意に逆らうことはできないのである。 かつて飛ぶ鳥を落とす勢いの田中角栄を米国が抹殺したこと誰も忘れてはいない。 日本国民は自国を独立国と思い込んでいるが、米国は日本を独立国とは見なしていない。


■役人天国ニッポンと政権交代(07/10/27)

今、役人の怠慢や悪事が次から次へと表沙汰になってきている。 社会保険庁の年金問題、厚生省と医薬品会社の癒着、薬害肝炎患者リストの隠蔽、 防衛事務次官と兵器産業との癒着、外務省の贅沢三昧の待遇、天下り先用の財団法人設立等など。 役人による企業癒着、天下り、仕事の怠慢、横領、無駄遣い等々を数え上げたら切がない。 これらには全て税金が使われているのである。 もうここまできたら政権交代以外に国家システムをクリアーにする方法はない。

年金問題ひとつ取上げても、自民党では役人を監督する能力がないことが明確に証明されている。 政治家の寿命は短いが、役人のそれは長い。 それゆえ、役人が政治家を掌の上で転がし、税金を自分たちの好き勝ってに使ってきたのである。 必要とあれば、消費税でも何でも増税は致し方ない。 しかし、その前に役人の税金横領・無駄遣いを止めさせることが先決だ。

彼ら役人を管理するのが政府であり、政権与党の自民党である。 ところが、自民党政治家にその能力がなかったということだ。 しかし、その政治家を選んだのは我々国民であり、その責任は国民一人ひとりにある。

テレビや新聞などのマスコミは政治家を糾弾することはあっても、彼らを選んだ有権者の国民を糾弾することは決してない。 それどころか、国民を被害者扱いにする場合が多々あるが、それは大きな間違いである。 その政治家を政界に送り出したのは誰かということである。 ここまで突っ込めない処にマスコミの限界を感じる。 無能な政治家や悪徳政治家に票を投じた有権者に最大の責任がある。 これからのマスコミはこの部分にまで踏み込まなくては存在価値はない。

民主党の政策がベストとは思わないが、この国に蔓延る役人の悪の連鎖を断ち切るには、政権交代に賭ける以外に現時点では方法はない。 民主党政権に代わったからといって、役人の悪の連鎖が完全に断ち切れるとは思わないが、少なくとも、これまでの自民党政権よりもベターである。

我々国民一人ひとりが選挙の場で強く意思表示しなくては、取り返しのつかない三流国家「役人天国ニッポン」になり下がってしまう。 旧態依然の自民党福田政権では、役人を管理することなど決してできない。


■派閥談合政権誕生(07/9/25)

福田が91代首相になることが決まった。 彼の政策を聞いていると、何を言っているか、何がしたいのか、よく分からない。 明確なビジョンを全く持っていない。 昔から北朝鮮・朝鮮総連とも繋がりが深い政治家である。 どこか胡散臭さを感じる。

各派閥は大臣ポストが欲しいがために、最大派閥出身の福田に乗った。 それに応え、福田は自民党執行部4役も全て派閥の領袖で固めた。 残念だが、これで派閥とカネが支配する古い体質の自民党に戻ってしまった。 小泉、安倍と続いてきた改革路線は消えた。

昔からこの手の自民党は官僚とは「持ちつ持たれつ」の関係にある。 これでは、今問題の社会保険庁を始めとする日本の最も悪の部分である役人の改革などできる訳がない。 彼らは昔から官僚がいないと何もできない。 政策立案も官僚にやってもらっていたのが現状である。 年金問題にしても、自民党が役人を管理する能力に欠けていたのが原因の全てである。

福田派閥談合政権誕生で一番得をしたのは民主党である。 日本の最も悪の部分である公務員を改革するためには政権交代以外に方法はない。 民主党が政権を取る可能性は現実味を帯びてきた。


■Supper Impact from Russia(07/9/19)

9月14日、プーチン・ロシア大統領は 2006年11月のオファーに続いて、再び、北方領土返還について言及した。 その内容は1956年の日ソ共同宣言に基づいて、歯舞と色丹の2島を日本へ返還するというものである。 先のオファー(面積2等分論)と今回のオファーとは少し内容が異なっているが、日本としては2島が返還されるということに異存などない。

このオファーが実現すれば、日本経済にとって計り知れない利益をもたらす。 日本株は高騰することになる。 1972年の沖縄返還以来のスーパー・インパクトである。 いつまでも「4島一括返還」という建前論ばかりを主張していては、ダメだ。 それでは未来永劫現状のまま、1島足りとも還って来ない。 領土問題は世界中にゴマンとある話で、主張はどうあれ、実行支配している国のモノである。 それを2島といえども、相手国から返還するというのだから、断る手はない。 2島返還後に、それを足掛りに他の2島択捉と国後の返還交渉をやればよい。 プーチンは日本の原子力発電所建設技術や省エネルギー技術が欲しくてたまらないのである。 だから、餌は幾らでもある。

戦略家プーチンのシナリオは単純明快である。 北方領土のみならず開発が遅れているロシア極東全域を日本の技術や投資や民間交流によって発展させようと考えているのである。 すなわち、資源の宝庫であるロシア極東全域を日本の経済圏に組み込ませ、日本の経済力と技術力で資源を有効活用させ、 この地域に発展をもたらそうとしているのである。 他人のフンドシで相撲を取ろうとしているのである。 流石、プーチン、優秀な男である。

誰が考えても、ロシア極東地域は地理的に近く、且つ、経済力のある日本の協力なくして発展はあり得ない。 それに、モスクワ(欧州)中心主義のロシアに極東地域を発展させるだけの力も気力もない。 その為には長年の懸案事項となっている北方領土問題を解決せねばならないと考えているのである。

現在、ロシアの実権はプーチンが完全に握っている。 エリティン前政権時代の貧しく混乱したロシアを石油と天然ガスを背景に経済力を付け、僅か5年ほどで存在感を持つ 強い国家に作り変えた。 そのため、ロシア国民からは絶大な支持を得ている。 西側諸国が何と評価しようが、ロシア国民にとっては、ソ連時代も含めて、過去出現した国家リーダーの中ではベストのリーダーである。 そんなプーチンだからこそ、実現可能なオファーなのである。 日本にとっては千載一遇のチャンスである。

ここで忘れてはならないのが2005年6月にトヨタ自動車がロシア第二の都市サンクトペテルスブルクに進出したことである。 これを機に、プーチンはロシア国内自動車工場とトヨタ工場との生産効率や技術力の圧倒的な違いに直に触れ、心底驚いたのである。 その結果、一刻も早く北方領土問題を解決して、日本との懸案事項を取り除き、極東地域開発に日本の協力を呼び込もうと決心させたのである。

しかし、幾ら彼が実権を掌握しているといえども、4島全てを一括返還するということはロシア政権内部からも反発が出て来る。 その調整には時間がかかり過ぎる。 一方、日本はこのオファーを受け入れることで、歯舞と色丹の返還だけでなく、 豊富な資源の眠っているロシア極東全域を日本の経済的支配下に置くことができる。 4島一括返還よりも遥かにメリットが大きい。 日本にとって、どこにも損はない話である。 次の政権は、直ちに、返還に向けたアクションを起すべきである。 今、日本にプーチンと互角に渡り合える政治家がいないのが一抹の不安だ。


■政治家とケンカ(07/9/14)

政治家はケンカに強くなくてはダメだ。 選挙も派閥間闘争も外交も政権奪取も政権維持もケンカである。 このような神経戦のケンカをやるためには非常なエネルギーを必要とし、終わった後は心身ともにグッタリと疲れるものである。 そして、政治家たるもの、日々このケンカに明け暮れるだけのタフな神経と体力がなくてはダメだ。 もし、安倍がケンカのできる政治家だったら、12日、サプライズ辞任などする羽目には陥っていない。 また、先の参議院選挙にも負けることはなかった。

英国サッチャー首相にしても、米国ケネディ大統領にしても、レーガン大統領にしても、優れた政治家は皆ケンカが強かった。 日本では小泉前総理がケンカの達人だった。 しかし、安倍はケンカができなかった。 優しすぎた。 一国のリーダーはケンカに強く、且つ、冷酷でなくては務まらない。

安倍の掲げた政策は評価できた。 公務員制度改革、憲法9条改正、諜報機関設立等々、過去の古い自民党政権とはモノが違うと感じていた。 しかし、総理就任直後に郵政造反組の議員を自民党に復党させた。 この優しさが国民に不信感を与え、階段を転げ落ちる原因となった。

安倍退陣を受けて、自民党は派閥とカネが支配する旧体制、いわゆる、古い自民党に後戻りすることになる。 そして、改革はストップすることになる。


■マスコミに操作されている政界と世論(07/9/13)

日本が2大政党制になるのは大歓迎である。 しかし、今の世の中、釈然としないものがある。 マスコミよって情報が操作されている。

先の参議院選挙で民主党が勝利したのは、過去長きに亘って社会保険庁の監督が不十分だった政権政党自民党への怒りが 反自民票となって民主党に流れたことが大きな要因である。 たまたま安倍政権の時代であっただけで、安倍政権自体が敗因でない。 それにも拘らず、マスコミよっていつの間にか安倍政権に全ての非があるように情報操作されてしまっている。 これに対し、敗北のショックで浮き足立ってしまっている自民党は何の対応もできていない。

一方、民主党は年金問題を表に引っ張りだしたのは野党として立派な仕事だった。 そして、その年金問題があったからこそ勝てた参院選挙である。 にも拘らず、全ての政策で「国民の民意を得たり」と思い込み、テロ特措法延長に反対しているが、それはとんでもない勘違いである。 国民はテロ特措法を廃案にして、日米同盟を脆弱なものにして欲しいと望んではいない。 民主党も自民党と同じくマスコミに洗脳され、自分自身を見失っている。

これらの世論を操作したマスコミの急先鋒は反自民親中国のテレ朝「報道ステーション」である。 突き詰めれば古館の左にいる朝日新聞解説委員の加藤千洋である。 加藤の常日頃からの極端な中国寄り言動から察するに、北京特派員時代に中国公安によって中国共産党の友人にされてしまったひとりと考えてよい。 マスコミは諸刃の刃で真実も伝えるが、世論操作も容易にできてしまう。 大概の人はTVから流れる情報は鵜呑みにしてしまうものである。 危険である。

こんな加藤のような日本人は他にもたくさんいる。 公安の重要な仕事のひとつは中国にやって来る他国のマスコミ、政治家、大使館職員などを中国共産党の友人に仕立てあげることである。 2004年の上海日本総領事館員が自殺を遂げた事件などは氷山の一角である。 中国北京政府関係者によると、日本人は諜報活動に無防備なため簡単に落ちると話す。 公安とは、表向き警察機関であるが、諜報機関も兼ねており、驚くことにマフィアも兼ねている恐ろしい機関なのである。 公安にとっては法律などあって無きに等しいのである。 一旦公安の標的にされると、逃れることは難しいのが現状である。


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