イベント報告
第5回wiggle東京ヒルクライムOKUTAMAステージ
5th wiggle TOKYO HILLCLIB OKUTAMA Stage
2013年7月28日
■KFC徒然

7月28日(日)、東京西部の奥多摩町にある奥多摩周遊道路で「第5回wiggle東京ヒルクライムOKUTAMAステージ大会」 を開催しました。

早朝4時にスタート地点である奥多摩周遊道路の奥多摩ゲートに到着しました。そして、ゲートを開け、横断幕を張ったり、 カラーコーンを並べたりしてスタート地点のセットアップ作業を始めました。

因みに、周遊道路は夜間封鎖されており、8時までは、 許可なく、何人も(車だけでなく、自転車も人も)立ち入ることは許されていません。

前夜の集中豪雨の所為か、いつになく濃い朝もやが発生しているものの、4時半には周りが明るくなってきました。標高が約600mと 高いので、空気がヒンヤリとして、気持ちの良い夏の朝と云った感じでした。

早朝の奥多摩周遊道路から見る奥多摩の景色・・・山並みの緑、谷間に浮かぶ朝もやの白、それに、青い空とのコントラスト・・・ は絶景です。ゲートが開く2時間前に入れると云うヒルクライム参加者だけが見ることができる特権です。

【直前のハプニング】

5時頃から参加者がどんどん集まってきます。それまでの静けさが消え、シャーンという自転車の走る音と共にスタート会場が 騒がしくなってきます。会場の雰囲気が一変してきます。そして、6時のスタートへ向け、順調にコトが運んでいたところに、 嫌な感じの携帯が鳴りました。

先に風張峠のゴール地点へ上がって行った計測会社のスタッフから、コース上に土砂が流出している部分があり、 危険なので 取り除く必要があると云うものでした。前日のコースチェックでは見当たりませんでした。前夜の雷を伴った豪雨で山腹から 流出したに違いありません。

その会話を横で聞いていたやっさん(撮影用オープンカーのドライバー担当)が、即反応し、急きょ、KFC専属カメラマンの小野口君と 共に竹ぼうきを持って除去に向かってくれました。こういう個々の意識の高さやフットワークの良さがKFCメンバーの優秀な所以です。 また、その竹ぼうきは、その時、目の前の道端の草の中に転がっていたものです。まるで、これを持って行けと言わんばかりに。

後になって思えば、不思議です。常時、完璧に清掃され、紙ゴミひとつ落ちていない奥多摩周遊道路の道端に竹ぼうきのような 大きいものが落ちているなんて・・。

【猿たちの観戦】

スタート20分ほど前に、すでにコース上の10q地点にスタンバイしている阿部ちゃんから20匹ほどの猿の群れが、ゴール地点から 500mほど 手前のコース上にいて、全然、立ち去らないと連絡が入りました。

自転車の集団がスピードを持って、突っ込んで行けば、逃げるとは思いますが、念のため、先導車担当の中村さんに予定より早めに 出発してもらい、猿の群れを蹴散らしてもらうことにしました。

この際、サルたちに「君たちの観戦場所はそこではないよ。」と云うことを、しっかり教えておく必要があります。

大都会東京と云えども、奥多摩は山が深いので、毎年猿たちがレース観戦に出てきます。時にはカメラマンの小野口君と 場所の取り合いになることがあります。近い将来、小野口君の隣で猿もカメラを構えていると云う光景を目にすることになるかも・・・。

今では、猿の観戦はOKUTAMAステージの風物詩になっており、全然姿を見せないと、それはそれでちょっと心配になります。

【あっという間の出来事】

スタート15分前には450名ほどの選手がスタート地点に整列しています。しかし、そのわずか5分前には、そこは疎らでガラーンとした 状態です。

いつも不思議に思うと云うか、感心すると云うか、スタート時間になれば、どこからともなく、わっと湧いて来るように 集まってきます。そして、いつの間にかピシッと整列しています。ヒルクライムレース独特の行動パターンです。お見事です。

スタートは6時から2分間隔の5ウェーブ制です。1ウェーブは約100名です。6時スタートから8分後には450名が、その場から 消えたようにいなくなります。その後、我々スタッフが10分間ほどで横断幕やカラーコーンなどを撤収し、先ほどまでスタート地点で あったという痕跡もなくなってしまいます。

そして、約1時間後には13q先のゴール地点である風張峠(標高1146m)へ全員が到着しています。そして、最後の選手がゴールしたと 同時に我々がゴールゲートやカラーコーンを撤収し、これまた10分間ほどでゴール地点であったという痕跡は完全に消え去って しまいます。

そして、7時半には山のふるさと村(以後、山ふる村と称す)の表彰式会場へ選手の皆さんは移動し、奥多摩周遊道路上から選手が いなくなり、そこで大会をやった形跡は完全に消えます。

その後、何事もなかったの様に8時から一般車両が進入して来ます。 それが毎年の流れです。かつて、この様子を見学されていた東京都西多摩建設事務所(周遊道路の管理者)の方にマジックの様だ と言われたことがあります。

競技時間は正味1時間ほどなのですが、そこに至るまで多くの時間と労力を要します。そして、その1時間という一瞬に選手と 大会関係者のエネルギーがギュッと凝縮します。そこにヒルクライム競技の醍醐味があると考えています。

【予期せぬ事態発生】

今年も例年通り、表彰式会場は山ふる村にあるレストラン「やませみ」です。だから、ゴール地点から下山した選手の皆さんは 山ふる村へ直行します。

事前に山ふる村事務所へ「7時に山ふる村の入口ゲートを開けておいて欲しい。」とお願いしていました。

ところが、今年に限って予期せぬ問題が発せしました。7時半の時点でも山ふる村ゲートは閉まったままで、450人くらいの自転車と 人間がゲート前の周遊道路上にぐちゃっと溢れていました。この状態で、一般車両が入って来たらたいへんなことになります。

最初に撮影車で山ふる村入口ゲートへ到着したやっさんが、その時ゲート内にいた山ふる村の従業員(おそらくシルバー人材 センターか 何かのアルバイト)に対し、開けて欲しいとお願いしたところ、「そんな話は聞いていない」と、車で山ふる村内へ 走り去ってしまいました。通常は8時にゲートオープンです。

因みに、山ふる村の施設は東京都の所有で、 管理を奥多摩町が行って います。

7時40分頃にゴール地点から下山してきた大西がゲート前の混乱現場を見て、すぐにレストラン「やませみ」に電話し、事情を 伝えました。この頃、「やませみ」のスタッフは表彰式用の料理の準備でてんてこ舞い状態だったはずです。

驚いた様子の「やませみ」スタッフがすぐに駆けつけてくれ、わずか1〜2分後にはゲートを開けて下さいました。それと同時に 450人ほどの自転車の群れは山ふる村の中へ吸い込まれて行きました。その間、わずか1分ほどです。難なくクリアです。

因みに、本大会は東京都の後援だけでなく、奥多摩町の後援も頂いており、大会の事前報告書から終了後の結果報告書まで 毎年奥多摩町役場へも提出しています。 決して、無断で開催している訳ではありません。また、宿泊や飲食等々、普段からも この地域への経済効果もそれなりに生まれています。

【気持ちの籠った料理】

今年は、表彰式会場での食べ物(フィンガーフード)が、少し遅くれて来た人には無かったそうです。昨年は余りました。量的には 同じなのに・・、 なかなか上手くいかないものです。

たぶん、今年は、特に美味しそうだったので腹を空かした選手の皆さんに あっという間に食べつくされたのだと思います。あり着けなかった皆さん、誠に申し訳ございませんでした。来年は改善致します。

第1回大会から表彰式での料理はレストラン「やませみ」にお願いしています。そして、その料理メニューは毎年改善されています。 選手の皆さんが食べ終わった後の食べ残し状況や皆さんからの意見を取り入れ、やませみスタッフが毎年試行錯誤を繰り返しながら、 参加者の皆さんにより好まれるメニューを作って下さっています。だから、毎年ステップアップして、皆さんの好みに合うように なってきているという訳です。

【表彰式の名物コンビ】

表彰式では、日本を代表する鍛鉄工芸家であり、 KFCメンバーでもある西田さんと都内でイタリア語学校をやっている 陽気なイタリア人 自転車野郎マルコさんとが、観客(参加者)を巻き込んで漫談トークさながらに、入賞者に賞状や記念品を手渡していきます。

第1回大会からずっとこの陽気な2人が表彰式を担当してくれています。今ではOKUTAMAステージの名物になっています。 それに2人とも個人的に西田賞(鍛鉄作品)とマルコ賞(イタリア語の無料受講券)を提供してくれています。

最近では、マルコさんはKFCメンバーの様に振る舞い、皆も違和感なく彼を受け入れています。人は適材適所へと云うKFCの 基本方針の下、表彰式は来年もこの2人の担当です。因みに、名前はマルコですが、かつてツールを制したあのマルコ・パンターニとは 何の関係もありません、念のため。

ちょっと朝は早いですが、来年も東京の大自然と極上の路面を持つ奥多摩周遊道路を堪能し、表彰式での美味しいご馳走に 舌鼓を打ちにお越し下さい。

最後に、来年も今年同様に前日受付はしない方向で考えています。

【レポート・フォト】
【Special Thanks】

東京都、奥多摩町、青梅警察署、東京都建設局西多摩建設事務所、五日市警察署、奥多摩消防署、都立山のふるさと村、レストラン「やませみ」、 小菅村東部森林公園キャンプ場「ほうれん坊」、Wachiレーシングチーム、wiggle

写真:小野口健太、池田将、舘岡正俊